企業研究 KeePer技研(6036) -新車を超える経年車を実現- by yamamoto

結論

下値余地が限定的。優待利回りで株価は支えられて

株主優待が充実しています。金券3000円なのでこれだけで2%以上の優待利回りとなります。

金券を選ばない場合、LABOなどでのコーティング施工が2割引となりますので、ダブルダイヤモンドキーパー施工などの10万円コースを選ぶと2万円が得する!!!という優待なのです。2万円! これではあまり株価は下がりません。下値余地はあまりないと考えて良いのではないでしょうか。

http://www.keepercoating.jp/corp/ir/benefit/pdf/20160224.pdf

現状、配当性向が低い(25%未満)ことがネックですので、長期的には配当性向も向上していくと考えています。

5年後に営業益15億円程度を予想(筆者推定)

キーパー製品事業では、PRO SHOP向けに製品数量及び単価を徐々に引き上げていくこと、そして、LABO運営事業では、さらなる効率化と新規出店による増収増益を前提にします。

現状、LABO出店が周辺のPRO SHOPの売上増加に繋がっていて、カニバリにはなっていないということですので、市場は食い合いをするほど飽和しておらず、コーティングサービス自体の認知度がまだまだ低いために、利用度が上がらない状態であると推定します。

キーパーLABOの出店が、近隣のPRO SHOPを刺激して、需要を喚起して、同社の増収に繋がる、そのような相乗効果が数年間は期待できそうです。

営業益15億円でPERは20倍の企業と考えるともう少し上値があってもよいかと思います。

このレポートで伝えたいこと: アナリストとしてKeePerから学んだこと

  • 社員にいろいろな経験をさせることで社員は育ちます。レポートを読んでいただくことで、同社は社員の育て方のよい見本になっていると思います。動画作成、コンテスト、選手権、社員旅行などのイベント企画や運営を社員に任せているところが素晴らしいと思いました
  • 現場で働く人々に誇りと夢を与えるために、何を経営者はしたらよいのか、そのひとつの解答が同社です。社員や関係者が尊厳を保ち、夢を追いかけながら働けるためには、どうしたらよいのでしょうか。そのための仕組みつくりを同社はしていると思います。キーパー選手権3位までのガソリンスタンドには欧州旅行、技能を競うコンテストの開催。技術検定2級や1級の資格作りは、参考になります。同僚から認められ、顧客から感謝される職場環境をつくろうとする経営努力は素晴らしいものでした。経営者の並々ならぬ熱意を感じました。

商品の説明  - 経年車が新車を超える-

新車を超える圧倒的な美しさへ。カーコーティングとは?

KeePer技研のキーパーコーティング理論については、論より証拠で以下の動画(6min)をみてください。最初の10秒でうそ!こんなに綺麗なんだとびっくりするはずです。

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(動画で紹介されている特許については上記を参考にしてください)

KeePer技研は、世の中に、新しい職業をつくりました。それは車の美容師さん。いわば、「カーコーティング師」です。

動画をみていただければわかると思いますが、中古車であっても新車を超える美しさに仕上がります。世の中になかった新しいサービス業を創出したのですから、すごい会社なのです。コーティングパーソンのきている青いツナギは、誰もが着れるものではありません。コーティング1級合格者しか着用を許されないものです。コーティング1級取得者が、もっとも難易度の高いダイヤモンドキーパーサービスを施すことができるのです。

このようなコーティング技能士さんたちが、初めて配置されたのが2007年(11年前)でした。短期間で、現在では全国5769箇所(2018/7/12現在)のガソリンスタンドでKeePerのコーティングスタッフがいらっしゃいます。こうしたコーティングサービスを提供できるスタンドをPRO SHOPといいますが、必要な資材をKeePer技研が提供しているのです。

カーコーティングは車の寿命を伸ばします。塗装表面にSiO2オリゴマー皮膜をコーティングすることで塗装表面を長ければ3年守るのです。雨が降ると汚れも一緒に弾いて車がきれいになります。動画の最初の10秒を見ていただくと深い艶にみなさんびっくりするでしょう。

自動車の寿命は短く、これまでは次々と新車を買い換えるのが普通でした。ただ、このなんでもかんでも新車に乗り換える日本独特の慣習(?)は、徐々に変化しています。2年から4年であった買い替えサイクルが、いまでは8年程度に伸びているのがその証拠です。経年車が新車以上にピカピカな状態であれば何も無理に買い換える必要はないのです。10年でも20年でも乗れば良いのです。

まだまだ、洗車とワックスというスタイルが自動車保有者の常識かもしれません。これからの時代はカーコーティングが主流になっていくでしょう。

特許解説は あおりんごさんのブログが参考になります

http://blog.livedoor.jp/greenapple_aoringo/archives/12347467.html

あおりんご.com _ カーコーティング革命 〜カーコーティングを化学するKeePer技研(6036)〜

ビジネス・モデルの説明

同社には二つのセグメントがあります。

キーパー製品等関連事業 (BtoB)

PRO SHOP向けの施工技術の提供、ケミカル・機器等のキーパー製品を提供しています。

ガソリンスタンドが副業としてコーティングサービスを積極的に導入していることが過去11年で全国規模にPRO SHOPが展開できた背景です。お店によっては、コーティングを始めることで売上が月に1100万円も上昇するなど、全国のスタンド経営を助けています。

PRO SHOPの認定は一級技術資格者が在籍していることです。また、コーティング台数を競うキーパー選手権にPRO SHOPは参加が義務つけられています。

サービスの質を保つために、全国でKeePerのトレーニングセンターが13箇所あり、のべ5万人がトレーニングに訪れるのです。エネオスなどの元売りもガソリンスタンドの応援のために積極的にこの活動を援助しています。

2018年6月期の同部門の売上は4280百万円です。ここは安定収益です。いわば、キャッシュカウです。

さて、この事業の見通しですが、今後、ますます、ガソリン給油だけではやっていけなくなるスタンドが多いと思います。一方で、基幹道路沿いでトラック・バスなどの給油所は有人規制があるため、無人にはできないのです。こうした有人店舗は1万カ所程度はあると思いますので、大きくPRO SHOPが減少することはないでしょう。それどころか、現状、もっとも安いサービスであるピュアキーパー(施工40min)を中心に提供しているので、値上げやミックスの良化で採算をさらに高めることも可能です。

(現在の車には個性があまりありません。大衆車にもう少し個性をもたせたい。コーティングを抑えることで、女性のネールサービスのように、今後は、ユニークな個性車を生み出す拠点になるのではないかとわたしは夢を見てしまいます)

LABO運営事業 (BtoC) コーティングサービスの提供

74店舗の直営店にて、コーティングサービスを顧客に施すのがLABO事業です。

2018年6月期の売上は3033百万円です。

PRO SHOPに比べて店舗あたりの売上は格段に大きくなっています。

現状では、一店舗あたりの売上は4000-5000万円と推定されます。

この74店舗が将来100-200-300と増えていくことが同社の成長計画です。ですから、この事業のビジネスモデルを見ていきましょう。

ピュア

クリスタル

ダイヤモンド

ダブルダイヤモンド

などの個々のサービスがあります。詳細は省きます。

説明会資料についてログミーファインスに詳しくありますこちらをご覧ください

https://logmi.jp/308983

配当性向が低いにも関わらず3000円のクオカードでは個人投資家の優遇しすぎかもしれないという問題意識があるようです。ただし、これからBtoCを強化する流れですから、LABOやPRO SHOPでの優待については継続されると考えています。2万円のコースで2割引で4000円の価値ですから、優待としての価値はあるはずです。また、サービス精神が旺盛な谷社長のことですから、クオカードを導入してすぐに廃止するという悪いニュースだけを一方的に発表するのではなく、増配などのよいニュースとの抱き合わせになるのではないかと考えています。

LABO運営ビジネスモデル

コンピニやガソリンスタンドの居抜きであれば上物は3000万円程度、そうでなければ、4000-5000万円程度です。純水などの設備も合わせて15年程度の償却となります。

運営スタッフは3人ですが、正社員ですので、1600万円程度の人件費はかかります。

これに光熱費や地代、そして諸経費などを考えると年間2400万円程度の固定費を補う必要があります。

典型的な2時間のサービスでは、クリスタルコーティングが2万円ですが、ガラスコートや純水などの材料コストは数千円レベルでかかることやを考えると、サービスの限界利益率は60%程度と推定されます。年間売上4000万円では、2400万円の粗利ですから、これでトントンレベルです。

初年度は、認知度がなく大きな赤字となります。

二年目に売上が2−3割以上は上がらないと店は不採算になるリスクがあります。閉店を検討します。

二年目は概ね2−3割は売上が上昇。採算に目処をつける年です。

三年目に黒字になる、というビジネスです。

完全なサービス業ですし、固定客つくりが重要です。

現状、顧客のほとんどは若い男性です。これをファミリー層や女性ドライバーまで広げる工夫を始めたところです。

PRO SHOP向けの製品関連事業で稼いだお金を、LABOの新規出店コストや初年度の赤字補填(先行投資)に使う必要があるため、採算面からコーティングサービスのライバルはいない状況です。

資金面で苦労しながらのBlue Oceanつくりといってもよいでしょう。

2018/6期の年間出店20店舗の赤字が1億円程度になり、その前の年の出店の赤字が3000-4000万円程度です。一方で、それ以外のお店が3-4億円稼いでいるのですから、課題は1年目と2年目の運営となります。

イオンなどのショッピングモールは小型車で女性客が多く、相性が悪いことがわかってきました。国道沿いのコンビニなどは相性がよいことがわかってきたので、今後、出店については、「ハズレ」が少なくなるはずです。

なお、このセクションにおける限界利益率の推定や数字的なものは筆者の常識的な判断によるもので、IR開示情報ではありません。

LABO運営事業:100店舗の状況でのシミュレーション

100店舗は見えてきましたので、100店舗が黒字化する4-5年先のコア利益を計算すると、一店舗あたり5000万円のサービスで限界利益率60%とすると限界利益は3000万円/店ですから、固定費2400万円として営業益/店は600万円。その100倍がLABO運営事業の営業益です。6億円です。現在より3-4億円は上積みが可能です。そのときの新規出店の状況ですが、10店舗程度で赤字を抑えるという前提です。年間10店舗新店の赤字は全体で0.3-0.4億円程度と見ます。

筆者推定で4年後部門売上50億円(現状30億円) 利益7億円(現状2-3億円/筆者の推定)

10年後には200店舗ですから、さらに6億円の増益要因となればよいのですが。

とりあえず、ここまでが、レポートです。

ここから先は企業の紹介等です。

企業の紹介 - 企業は人なり –

Super GTに優勝 KeePer技研 

2017年Super GTレース。初の年間チャンピョンとなったのはKeePer技研チーム、KeePer TOM’s LC500(平川選手・キャシディー選手)でした。今年も2戦を終えて好順位につけています。

カーレースが趣味であるという谷社長ですが、このスポンサーは決して道楽ではありません。カーコーティングという新しいサービスを生み出したこともあり、本当に車が好きな若い人に社員になってもらいたいという思いもあるのです。事実、採用面接を希望する方々の半分はSuper GTのファンでもあるのです。

 

 

 

 

 

KeePerは2016年3月には東証1部に昇格したこともあり、知名度は全国区となりました。

人から感謝されて それが嬉しい

KeePerは平均年齢が20才代という若い会社です。採用にあたっては、社長である谷さんが、全員と面談を繰り返す中で、高卒と大卒とを問わず、「感謝されると、うるるっときて嬉しくなってしまうような人物」を採用するという方針でこれまで順調に業況を拡大してきました。

KeePerの仕事はKeePer LABOというカーコーティングの現場です。この現場では、お客さんがコーティングを見た後、一様に驚くそうです。「えええ!!!!こんなに綺麗になって!! どっどうも。本当にありがとーー!!!」と顧客が言ってくれる。それを聞いた社員は、俄然、モチベーションが上がる、そんななんとも楽しい職場、それがKeePerです。

「お客さんがこれを見たら本当に喜ぶぞー」と思いながらワクワク仕事を社員がします。そして、事実、お客さんはとても喜ぶのです。すると、それだけで嬉し涙が出てきてしまう社員さんもいるようです。それがKeePerです。

感謝される仕事と働きがいのある職場があれば人間、もう他に何がいるのでしょう。

大切なことは何? 感謝して感謝される 与えることで与えられる

PRO SHOPのみなさんは、KeePerにとっては社員ではないのです。ですが、コーティング文化を日本に根付かせる同志であるのでしょう。コンテストや選手権にはLABOの方々は参加しません。あくまでKeePerは黒子なのです。人は運営側に回ることで成長するものです。花火大会を楽しみにする人は花火大会を実際に運営する人がいなければ楽しめません。見るより運営の方が何倍も大変です。KeePerの社員は育ちます。運営側なんですから。カメラも動画も教材もすべて自分たちで考えるのですから。

KeePer技研の方々が、PRO SHOPの方々の活躍を様々支援しています。

  • 技術認定1級と2級、テクニカルセンターでの教習
  • 選手権の開催
  • 技術コンテストの開催

資格をとることで、青いツナギを着ることができる。それは誇りです。

全国大会を主催し、チャンピョンになろうとがんばる。それは夢です。

顧客から感謝されるのは、美容院のように成果が目に見えること、さらに、コーティングサービスが技術力を必要とする専門サービスだからです。

わたしたちは、会社から給料をいただいているのですが、会社はお客さんからお金をいただいているのです。現場の社員にそれぞれ熱心なファンがいることが、これからのガソリンスタンドのあり方になるのではと期待しています。

働く人々が熱く楽しく働ける現場つくりをすることで、感謝の輪が広がっていくと思うのです。

谷社長はいいます。日本の文化は与える文化です。与えることで与えられる。

日本全国に目を向けると、果たして、働く人々はどれほどが顧客から感謝されていると実感しているでしょうか。

人々のモチベーションをあげるのも経営者の仕事のひとつだと思うのです。

技能コンテスト と キーパー選手権について

この全国の5700店舗のコーティングスタッフは、技能検定を受ける必要があります。2級と1級があり、1級は2級を受かった人だけが受けることができます。累計で1級は10000人以上がすでに合格をしています。

毎年8月と12月には、全国のPRO SHOP 5700店舗の熱い戦いキーパー選手権が開かれます。コーティングサービスを何台に施したかを競い、全国のガソリンスタンドが優勝を争うのです。その様子をKeePerの社員が作成する新聞に報じられます。

全国のPRO SHOPが大会の間、楽しく熱い戦いを繰り広げるのです。

全国5700店舗の頂点を目指す戦いは単月の勝負になります。ダイヤモンドキーパーを一台施工すれば50000ポイント、クリスタルキーかー17000ポイント、主力のピュアキーパー5000ポイントです。1-3位までのスタンドからはドイツ遺産5日間の旅行がプレゼントされます。さらにSiO2の「秘密」の薬液を共同開発したドイツSOMAXの工場見学がプレゼントされます。2017年冬季の優勝店舗は千葉県代表の東日本宇佐美流山街道給油所で一ヶ月でコーティング収益を1100万円もあげたのです。ダイヤモンドキーパーを90台/月を施工しました。クリスタルキーパー76台など、総合ポイント820.1万ポイントを達成したのです。このスタンドでは、少なくとも5人が青いツナギ(技術1一級資格)を持っています。3位は兵庫代表でしたが、636万ポイントを達成しました。

また、技術コンテストが年に一度、開かれます。予選は全国規模で3000人が参加。予選を勝ち抜いた都道府県の45の代表選手に加えタイ・香港チャンピョンの46人がKeePer技研本社に集い、準決勝(11人が勝ち残る)、翌日の決勝とコーティングの実技を披露します。全日本チャンピョンを決める戦いです。採点するのは全国13箇所のKeePerのテクニカルセンターの技術者たちです。PRO SHOPのプロたちが、優勝を目指して、一年間、努力を重ねるのです。優勝者の目には涙が….

全国のコーティングパーソンが目指す日本チャンピョンですが、見事2位(準チャンピョン)に輝いた山本選手の動画を下に貼り付けました。

山本さんはコメントしました。「とても悔しかったです。お世話になった会社のみなさんに申し訳ない気持ちもあって、思わず涙がでました。自分の施工を動画で撮ってもらってテレビに繋げて塗り残しがないか確認しながら、また施工して、また動画で撮ることを繰り返しました。レジンの吹上が苦手だったとの、艶PACKを塗って拭く練習をしたりと、筋が残らないように気をつけました。あとはとにかく緊張しても飛ばないように体が覚えるまで施工をなんどもしました。来年も女性選手がたくさん活躍してくれたらうれしいです」(KeePerTimes紙より)

動画を見て、山本さんを指名でいらっしゃるお客さんが増えているそうです。和歌山にお勤めの山本さんですが、指名は大阪からわざわざいらっしゃるお客さんもいるとのこと。動画をみていただければわかるのですが、手際よくかっこいいです。いろんなケミカルや水、エア、タオルの数、スポンジの数など見ていて楽しいです。

この様子もKeePerの社員たちが動画教材や新聞KeePer TIMESの記事にします。

KeePerは新聞も自分たちで、選手権やコンテストや社員旅行の企画もすべて社員で行います。

2018年の技術コンテンテスト準チャンピョンの山本選手のノーカット施工は以下の動画よりご覧ください。

KeePerのLABOの現場:年末は全社員総出で手伝う

KeePerは正社員の会社です。PRO SHOPは軽めのコーティングが主流ですが、KeePerが直営する74店舗については、がっつり本格的なコーティングサービスをするのです。現場のスタッフも正社員です。サービスの質を重視するために、あえて、正社員だけにしたそうです。

洗車は、純水を用います。水道水にはカルキなどのミネラルが含まれているため、車体に残ると、それが悪さをします。

LABOはその良さがじわじわと地元の顧客に支持されていくとはいえ、開店後3年間は赤字覚悟で出店するのです。2年目に2−3割の売上が増えて、3年目に黒字化するというパターンです。年数を経るごとに売上が上がるのは、リピーダーが多い証拠です。

PRO SHOPの10倍の売上をあげるというのですから、直営店では、ダイヤモンドコートに代表される数万円もする高い付加価値を提供しているのです。ただ、ワックスと洗車を定期的にしなくてもよいことや、中古車としての車体価格を高く維持できることや、そもそも、新車よりもピカピカになるのだから、長く愛車にのれる、という多くの利点があるのです。

日本の中古車の平均的な寿命は8年だそうですが、車を長く大切に乗るための応援のひとつがコーティングサービスともいえるでしょう。

コーティングの季節性、というより、日本人特有の儀式というか、年末ですが、通常の2倍程度のお客さんが訪れるそうです。KeePerの本社社員や経営陣も、12月は現場で作業するそうです。本社社員も「わたし、どこに配属されるの??」と年末の行事として非常に前向きに受け止められているのです。

コーティング詳細

これまでカーコーティングとは、ガラス質をコートするのが普通でした。しかしながら、ガラス質は車の塗料とは膨張係数が違いすぎるのです。その違いから20ナノメートル程度という薄い膜しかこれまで塗れませんでした。剥がれしまうからです。雨が降った後に、ムラができたり、艶が出ないことも、この薄すぎるコーティングが原因でした。

薄いコーティングをしようとするとき、塗料そのものを平らに削るポリッシングを行うことになります。塗料はしかし、車の板金を守るためのものです。削り続けると返って車を痛めてしまうのです。

谷社長は、そのジレンマを見事に解決したのです。秘密の化学物質を使い、環境にも優しい材料ながらも、膨張係数を塗料並みに改善したのです。すると、ポリッシングの必要がなくなりました。薄く削る作業がいならくなり、1ミクロンの厚さでコーティング剤を塗ることが可能になりました。何重にも塗れば何年も洗車も不要になるのです。

厚く均一な膜は、光沢があり、艶があり、新車以上に新車らしくなるのです。

これまでは洗車してワックスをかけても、雨がふるとワックスから油が流れ出てしまうため、水ムラがすぐにできてしまいます。しかし、谷社長の開発したコーティング方法では、雨が降ると汚れだけを落とすために、車はますますピカピカになってしまうのです。

ポリッシングして薄いガラスを塗るという常識を完全に覆した谷社長は、経営に苦しむ全国のガソリンスタンドや元売りに対して、コーティングサービスをやらないかと声をかけたのです。

なんということでしょう。評判が評判を呼び、2007年(11年前)に、声をかけてからすぐに5700店舗のガソリンスタンドが同社のコーティングサービスを導入したのです。瞬く間に、という猛スピードの普及でした。

成熟する市場なんてない! 投資とは例外探しの旅

筆者のアナリストとしての信条です。本当なんです。

世の中には運命論が溢れかえっています。諦めというのでしょうか。将来を悲観するのはその人の自由です。しかしながら、仕事、職場、会社、事業、業界、経済、すべてに通じていることは、それらが行き詰まるということはない、ということです。

どんなに飽和している市場であっても、どんなに競争が厳しいマーケットであっても、そこに身をおいたからには、なんとかせにゃならぬ、と置かれた場所でやるっきゃないでしょう。

日本は少子化です。将来は人が減ります。ガソリン車はなくなります。全部EVになります。自動運転になります。運転手はいらなくなります。こういうことを考えることは自由です。でも、世の中とはそんなものではないのです。

KeePerのお客さんはガソリンスタンドです。一体、この20年でどれだけ数が減ったか数え切れないぐらいです。半分以下になったでしょう。ならば、なぜ、KeePerの売上はどんどん増えているのでしょうか。どんどん縮小するマーケットでどんどん成長するのはなぜでしょうか。

油以外のもの、とくにサービスを売っていくしかない、という現場のニーズに合う商品を提供したからKeePerは伸び続けているのではないでしょうか。

急速に縮小する市場で大きく伸びている企業があります。

同様に、多くがボケていく中で、どんなに高齢であっても、技や能力を向上させる人がいます。

投資とは例外を見出す仕事です。わたしたちアナリストが会社を訪問するのは、こうした例外的な企業を発掘するためです。例外的な企業には例外的な人が存在します。同社の場合は谷社長です。

創業者 谷さんのこと ー 大発明は化学研究所の設立から生じた ー

谷さんは1952年に愛知県で生まれました。4歳のとき、ポリオに感染して、左の足に麻痺が残りました。

谷さんのお父さんは、足が悪い谷さんには、「体を使う仕事ではなくて頭を使う仕事を目指すべき」と言っていました。谷さんは、「足が悪いから勉強するんじゃない」と反発します。夜間大学に進学したとき、体を使うガソリンスタンドで働き始めます。どこか心の中に父親への反発があったのかもしれません。

夜学が終わってから、24時間営業のガソリンスタンドに向かい朝まで働きます。谷さんは苦学生だったのです。

深夜働くのはそれだけ時給が高かったからです。

谷さんは、それから、雨の日が好きになったのです。雨の日はスタンドにくる車が少ないので楽でした。

雨の次の晴れに日は忙しいのです。時給は同じなのですから、雨が降るとほっとするのです。

昔はガソリンを満タンにすると洗車するのは当たり前という時代でした。洗車を待つ車ばかりになるととんでもなく忙しいのです。

谷さんはそれが刷り込まれてしまい、雨が降ったら困る洗車業なのに、いまでも朝、雨が降っているとほっとするそうです。

後ろ向きな姿勢だと思われる方もいるかと思いますが、谷青年の働きぶりがスタンド経営者の目にとまり、19才で店舗を任せてもらえるようになります。

そして、そのまま就職します。

その後、32歳に谷さんは自分のガソリンスタンドを持ち、独立するのです。

洗車するとお客さんが喜ぶ。お客さんの喜ぶのがやりがいへと変わっていったのです。

転機は2店舗目の出店でした。スタンドは規制が多く、出店はなかなか認められないのです。

谷さんは、認可がもらえる前に出店してしまいます。ガソリンは出せませんから、洗車のサービスを行うことになります。これが人生の転機となります。

当時の珍しいカーコーティングサービスを始めますが、価格が8万円と高いためになかなか軌道に乗りませんでした。

価格が高い理由のひとつ、そして、施工時間が長くなる理由でもあるのが、ポッリシャーを使った塗装を研磨する工程です。谷さんは、ポリッシングを省くという独自の発送で商品を開発しようとします。

1993年に谷さんは、オリジナルのコーティング材料を開発します。洗車スクールなども開校します。

1994年には化学研究所を設立します。研究員は一人だけです。しかしその方は天才でした。次々と商品を開発。特許もとりました。

1998年からドイツのケミカルメーカーのSONIX社との共同開発の業務提携を結びます。

数年間かけて、ようやくサンプルができました。2004-2005年のころでしょうか。

当時、主流だったのは、ポリシラザシ系のガラスコーティング材料でしたが、すぐにがちがちに固まってしまう欠点がありました。サンプルは柔軟性を持ち、徐々に硬化していくのです。アルコキシオリゴマー系のガラスコーティングでした。柔軟かつ強靭という性質はこれまでになかったものでした。

柔軟なことがなぜ有利かといえば、塗装表面凹凸があっても厚く塗りそれが剥がれないからです。また、暑い皮膜で光の乱反射は抑えられるため、ツヤツヤになるのです。

これまでのポリシラザシ系はキシレン等の有機溶媒で融解しておかなければなりませんでした。有機溶媒は車の塗料に悪さをするのです。塗装を傷つける恐れがあります。このサンプルのおかげで、ガラスコーティングを有機溶剤なしで使うことが可能になったのです。製品の製造ノウハウについてだけは、KeePerのトップシークレットであり、特許にも書かれていません。主任研究員と谷さんの2人だけの秘密です。どちらかが死んだときに、次世代の研究員か経営者のどちらかに開示を行うように取り決めているそうです。(谷さんは次世代の経営者も指名しています)

2006年にダイヤモンドキーバーの販売を開始。この発明の恩恵を受けたのでした。

谷社長は「全部を教える」というスタンスでコーティングの技術はすべて公開しています。経理情報もすべて開示。隠し事をしない社風です。

  • ないものを実現していく熱意
  • ドイツのパートナーとの共同開発
  • コーティング技術のノウハウの開示

によりkeePerの事業は飛躍的に伸びたのです。

KeePerのコーティング材料は、市販製品ではないのですから、PRO SHOPやLABOが使うことを前提に材料設計ができます。一般に売るのではなく、コーティングサービスのための材料開発ですから、売るために値段を下げたりといったことはしなくてよいのです。PRO SHOPの一号が2007年に誕生し、瞬く間に普及したのも、ライセンスや加盟料が無料だからなのです。

谷さんと面談させていただき、いろいろな話を聞きましたが、詳しくは、以下の書籍を参考にしてください。

参考文献:

クルマを「キレイにする美学」 KeePer 日本人特有の国民性が生んだ高性能かーコーティング 著者 鶴蒔靖夫 IN通信社発行 どうぞお買い上げください

よい本です。レポートは、本書を参考にした引用もさせていただきました。

 

あとがき

車の保有台数は日本ではまだまだ右肩上がりなんです。知りませんでしたか?

若者の車離れは、社会の多様化ですね。もはや大鵬や巨人軍だけに熱中する時代が遠い時代です。多くの細分化された趣味が幾十にも立ち並ぶ多様化時代です。車離れは、子供のサッカー離れや野球離れと同じことなのです。

成熟する市場はないのです。努力すればその分が報われるのはいつの時代でも真理です。

前向きに生きてください。

同社の保有リスクは事業のリスクです。若い会社ですが、LABO新規出店とPRO SHOPとの関係をよい関係のまま維持できなくなったとき、ビジネスモデルが脆弱になります。

また、コーティングが同社のいうように、女性に全く広がらない場合などは、事業が停滞するでしょう。

事業動向次第では、優待の廃止や縮小も将来あるかもしれません。

ただし、現場主義の若い社員たちの勢いというものは何者にも変え難いでしょう。多くの日本企業が平均年齢が40才を超える中で20才代の同社は年収も高いのです。付加価値の高い仕事を創出してきた同社ですから、これからも、アイデアを次々と出していくでしょう。まるでSUPER GTレースのように、一喜一憂しながら、最終レースまでヒヤヒヤ、ワクワクしながら。同社のレーサーたちも若いのです。若者が気持ちよく働く会社、それがKeePer技研なのです。

投資判断ご自身のリスクでお願いします。本レポートは企業紹介が目的であり、投資の勧誘が目的ではありません。

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