取材メモ: サイバーリンクス

レジホン

父親の無線会社を継いだ、松下傘下の会社。官公庁の通信制御なんかをやってた。ベン
チャー事業としてCSKと協業して「レジホン」事業を始めた。Posデータ事業である。データを中小の小売店に提供する。「日本で一つの商品データベースがあれば良い」そう思って始めた。大企業で使ってるようなシステムを中小の小売店が使えるようになればいいなと。

レジの横の電話。でレジホン。レジホンを入れると売上データが蓄積されて単品売上分析ができるようになる。ただ、コンピューターでデータ分析をする、というのは時代が受け入れるにはまだ早かった。小売店が導入しても業績に繋がらないことが多かった。サービスの値段も高かったのでだんだん契約者が減ってきた。

なんとかしようということでCSKに村上社長が交渉に行った。そうして自前でやれるように事業を譲ってもらった。全国の事業者を統合してそれらの技術者を集めていった。全国を集めたらある程度利益が出るようになった。

クラウドシステム

大体の企業は大きくなるほど独自の基幹システムを持って、独自で運用している。管理、運用、更新、全部自前。だれでも効率が悪いと思うだろう。セールスフォースみたいなクラウドシステムであれば、そんないろいろな手間がなくなる。

村上社長が、今で言うクラウド型システムを作って、同じシステムを違う会社同士でシェアしたら良いのでは、と思ったのが2002年。企業は個別のシステムを作って使わないで、共同のシステムを使ったら良い。レジホンの発想である。

当時は官公庁からの仕事が定期的にあって、ドコモショップ(無線会社の延長で始めた)も儲かってたため、クラウドシステム(当時はそんな言葉はなかったが)の開発を始めた。官公庁の仕事や携帯ショップで儲けが出ているのに、そんなものにカネを使うなんて、としばらく社内からは批判があった。

営業も大変だった。顧客に話をしに行っても、データを外部に出して管理してもらうことに抵抗があった。が、徐々に説得して行った。エンジニアは自前の開発者を少しずつ用意していたので彼らを使った。

エンジニアはCSKとレジホン事業をやっていた時代には、自社には運用系しかいなかった。これではCSKとの提携が途切れたらソフトの開発もできなくなる。ということで自前でエンジニアを育てることにしたのだという。

そうして作られたシステム。現在サイバーリンクスのシェアクラウドで運用しているスーパーの販売管理システムである@rmsはいまでは約320社ほどが導入している。

今の所、業績は横ばい。それはのれんの償却とR&Dのせい。次期@rms開発が終わって償却が消えれば利益がでるようになる。

次期@arms

2003年から始めた次期@rmsの開発。これは現行のものを一から作り変えているので時間がかかっている。ただこの開発には大変意味がある。現行のものではタブレットやスマートフォン等のマルチデバイス対応ができないし、Webベースではないためだ。JavaベースでGenexusというコードの自動生成ツールを使って作っている。

スーパーのシステムは難しい。SAPでも導入失敗したケースがある。大きなスーパーにシステムを売るには彼らのマルチ業態に対応する必要がある。傘下のディスカウントストア、子会社管理、監査、自社物流管理などできないといけない。

導入状況

最近新たに2社への導入が決まった。現在行っている鉄道系のチェーンストアへの導入は順調らしい。

現行の@rmsは次期@rmsに2020年ぐらいから徐々に変えていく。大企業と中小の小売店だと画面要求が違うので色々詰めないといけない。次期から現行に変えるところで開発が必要になってくるかもしれない。

小売企業は営業とか、販売とか競合に優位に立てることにはカネを使うが、ITなど効率化投資になかなかカネを使いたがらないらしい。

  • EDIPlatform
    卸の通信手段を一つにまとめるもの
  • C2Platform
    スーパーの購買担当者は月に何度も仕入先と商談をする。特売のために違った金額や数量で都度商品を仕入れたりしなくてはいけないため。その商談がネットワーク上でできるようにする。ただこれは加工食品限定。青果は市場を通しているし相場があるのでそれはやらない。

買収について

相手先である南大阪電子計算センターは財務も良い企業。サイバーが掲げるNo1戦略のために買収する。No1戦略というのは「競合がいないところで商売をやる」ということ、@rmsもくみかえればコンビニやドラッグストアで使えるようになるが、そっちに行くと富士通などがいるのでやらない。

サイバーは和歌山の官公庁系の受注では情報系(セキュリティクラウド)、住民(防災ナビ)でNo1であるが、基幹系が弱い。これを何とかするための買収。

この分野では和歌山では紀陽情報がシェア1番、南大阪電子計算センターは2番。

防災系のアプリも作っている。アプリの和歌山防災ナビは自社で作ったアプリ。これが結構評判が良い。このアプリをベースにして官公庁からいろいろなアプリの制作を受注していきたい。防災アプリは他県にも拡大したいと思ってる。

買収手段と金額の推測

南大阪電子計算センターの17年9月期の売上高は27億2200万円、営業利益は1億8900万円、純資産は19億1700万円。営業利益2億円としてこれをベースに考える。詳細は決定していないが株式譲渡及び株式交換で行う、とリリースにあるが、柔軟に借り入れも行うと推定した。

営業利益の8倍払うケース

EBITDAの8倍とか6倍ぐらい払うのがよくあるパターン、と聞いたことがあるので8倍から検証する。EBITDAを使いたいところだが、代わりに営業利益を使う。

この場合16億円必要になる。サイバーコアと社長の持ち株分をすべて合わせて16億円。が、これをすべて提供するのは現実的ではない。全額第三者割当増資を行うとすると時価総額の30%程度必要になる。当然割り当てた分は売り手に渡るが、現在の社長の所有分はサイバーコア社と合わせると31%。これではガバナンス上好ましくない。加えて、サイバーリンクスの営業利益は約6億。金額を考えると巨額買収である。

ここまで払うのはほぼ無いと考える。

営業利益の5倍払うケース

ざっと10億円必要になる。

サイバー社の株式を売り手に渡すとしても、持ち分が創業社長より多くなるはずはないだろう。

従業員持株会と同じ程度の持ち分とすると6%の株式を提供することになる。これで大体3億円。あと7億円足りない。増資しても7億円は時価総額51億円の7%程度。しかしその株式が相手に渡ると、売り手の持ち分は13%程度。リーダーが交代するような話は聞いていないためこの金額も現実的ではない。

サイバー社は社債を発行したことがないし、借り入れをするとしても今ある長期借入金は2億5千万円ほど。いくら上場企業とはいえ、いきなり借入額が4倍になるのは好ましくない。

このぐらいの額を払うことはややありえるかもしれない。

営業利益の3倍払うケース

この場合6億必要になる。

従業員持株会と同じぐらいの持ち分まで株を持ってもらって約3億。残りの分は借り入れとする。3億借りると借入金の額は倍の5億。自己資本比率は60%ぐらいになるだろうか。1株1068円とすると3億円を株式で新規調達する場合株式が5%増えることになる。

営業利益の2倍払うケース

2倍程度の4億払うとしよう。これが一番現実的だ。3億円分株式を譲渡して、借り入れ
を1億。

ということで買収金額は4億円前後とみる。

(ここに書いた数字は全てあくまで筆者による推測である。当然のことながら会社に確認などは取っていない。実際の買収金額がこの数字になる保証はどこにもない。)

おことわり

これは取材を行ったあとで書いたメモです。聞いたまま書いたので、間違いがあるかもしれません。記憶違いや聞き違いがあるかもしれません。投資などの参考にするには十分注意して、自己責任で行ってください。

フィスコ社の詳細なレポートがあります。そちらも参考にしてください。

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