7095 マクビープラネット ブルーオーシャンはレッドオーシャンの中にある  by ono

2020年12月4日

7095 マクビープラネット MACBEEPLANET

関連IR動画

https://www.value-story.com/company/7095

<ポイント>

広告費の効果的活用=消費者に価値を還元
LTVの最大化にフォーカスして成果報酬型でマーケティングを支援
レッドオーシャンにブルーオーシャンを見出す

 同社はLTV(Life Time Value)にフォーカスしたWebマーケティングの支援を
成果報酬型で提供している。
サブスクリプション・サービスの拡大、広告手段の多様化により
Webマーケティングの難易度が高まっている。
効果が得られず広告費負担が増加することは一般消費者にとっても極めて身近な問題である。
広告費は当初は企業が負担するが、負担が過大となれば、
・価格転嫁により商品・サービスの価格が上昇
・価格転嫁が難しい場合は、質を低下させる
というように最終的にはサービスを受ける消費者が負担することになる。

 広告効果が改善されれば、新規顧客の開拓に投入されてリソースが、
既存ユーザーの満足度を高めるための施策に投入される。
 本来企業が注力すべきなのは、商品やサービスの質の向上であり、
その結果得られる顧客満足度の向上である。同社の成長の恩恵を受けるのは
直接のクライアント企業だけでなく、商品・サービスの提供を受ける消費者である。

<沿革>

 2013年10月、社長の小嶋氏は現在の同社の取締役である松本氏が設立した
 ”まくびーインターナショナル” に入社した。オフラインの広告事業に携わり、
事業責任者として活躍していたが、広告が必ずしも顧客の売上に
つながっていないことに問題意識をもち、成果報酬モデルを構築した。
2015年8月に事業を分離独立する形で同社を設立した。
小嶋氏が実績を上げてきた美容業界と松本氏が過去に金融業界にいたことから
知見のある金融業界向けに成功報酬型サービスを構築した。

<Macbee Planet が実現したいこと>

https://macbee-planet.com/business/overall/


LTV(Life Time Value):ユーザー(消費者)が生涯を通じて
企業にもたらす利益のことを指し、一人のユーザー獲得にかけることが
できる費用を算出するための指標
ROI(Return On Investment):投資に対して利益を上げることができたかという指標

本来、
事前に LTV = ユーザーが申し込みをしてから解約をするまでに得られる収益がいくらになるか
を知ることはできない。
得られる収益がわからなければ投資すべき金額を決めることができない。
同社は申し込みをする前の段階からLTVを予測することで、
適正な広告投資の判断をサポートし、広告効果の最適化、最大化を実現する。

<事業内容>

 同社が行う事業はアナリティクスコンサルティング事業(以下、AC事業)、
マーケティングテクノロジー事業(以下、MT事業)の二つ。成果報酬でサービスを提供する。

〇AC事業:データ解析プラットフォーム”ハニカム”を提供

 同社の主力事業。主に美容業界と金融業界のクライアントにLTVの高いユーザー
を獲得するためのコンサルティングを行う事業で、
データ解析プラットフォームである”ハニカム”を提供する。
 ”ハニカム”はクライアントが出稿している複数のWeb広告を一元管理する。
出稿している複数のASP(Affiliate Service Provider)やメディアの中から、
顧客化する可能性の高い、質の高い顧客を獲得できるメディアを選別する。

〇MT事業:顧客転換率向上と解約防止の機能を持つ”Robee”を提供

 広告によりLP(ランディングページ:顧客が契約や申し込みをする為のページ)に
訪問してきたユーザーの顧客転換率の向上と、
既存顧客の解約率低減を実現するサービスをWeb接客ツール”Robee”(Robee)に
よって提供する。
・転換率向上
”Robee Web接客”はサイトへの流入経路やWEBサイトでの行動パターンの分析、
広告効果の自動分析など個別ユーザーの行動特性を把握する機能に加えて、
Web接客ツールとして新規ユーザーの転換率向上する。
・解約防止
クライアントのサイトの解約ページに
”Robee 解約防止チャットボット”(AIを活用した自動会話プログラム)
を組み込み、解約防止、解約理由の収集を行う。

〇成果報酬について

 前述の通り、同社は成果報酬でサービスを提供する。
プロモーションを始める段階で現在のWeb広告で獲得している顧客の
平均LTVを確認し、そこを基準にして改善割合に対して報酬単価を確定する
また、クライアントとの間で、商品購入時、契約成立時などの成果発生地点を設定する。
成果発生時まで到達すれば成果として収益が発生する。

<特徴・強み>

同社の強みは次の3つ
①LTV予測力
②コンサルティング力
③LTV向上力

①LTV予測力

 マーケティングデータと購買データを紐づけ、LTV予測モデルを構築


 同社が保有するマーケティングデータと企業が保有する購買データを
毎月紐づけることで、そのブランド独自のLTV予測モデルを一から作り上げる。

 広告を出そうとする企業にとっては顧客から得られる収益がわからなければ
適切な投資=広告費を投入できない。サブスクリプションサービスの場合、
一度の売上で得られる収益と違い、継続的な収益となり、ユーザーによって
継続期間が違うためLTVは異なる。顧客から得られる収益は予測が難しくなる。
その課題に対して同社は、独自で作り上げたLTV予測モデルにより測定する。

 

②コンサルティング力

 LTVが高いユーザーの集客コンサルティングサービスを成果報酬型で提供。

このメディアから顧客化できれば、質の高いユーザー(継続的に利用するユーザー)を
顧客化できる。というデータを保有している。
顧客は複数のメディアに広告を出稿しており、同社が提供する”ハニカム”に登録する。
よりLTVの高いメディアに出稿を増やすことを顧客にアドバイス。

 どのメディアから流入する顧客の顧客化率が高い、継続率が高いなど、
LTVの高い顧客を獲得するノウハウがある。ユーザーの流入経路、
属性かなど訪問してきたユーザーの特性を理解し、LTVの高いユーザーを
選別することができる。LTVが高いユーザーに積極的に広告をするように
コンサルティングを行う。一方でLTVが低いユーザーも把握できることから、
LTVが低いユーザーへの広告をしないようにコンサルティングをすることで
全体の広告のROIを高める

*コンサルティングによる改善の具体例 顧客化率 18% → 26%
小嶋社長が過去に直接担当していた脱毛サロン
 同社が対応する前はWEB上でカウンセリング申し込みを受け、
契約まで進む確率が18%程度であった。
 Web広告からLPに来たユーザーの契約までのユーザーの行動は
 ・来店しないユーザー
 ・体験したユーザー
 ・体験だけしてクーリングオフ
 など様々な行動がある。
収集したデータを基に適切なコンサルティングを行った結果、
契約まで進む確率が26%まで改善した。美容、金融など継続的に広告費を
投入している業種において、1%改善するだけでも売上への貢献は大きい。

③LTV向上力

 さらに顧客転換率を向上させ、また顧客解約率を下げることにより、LTVを向上。 

・顧客転換率を上げる

 ランディングページやHPに来た顧客の属性や悩みをRobeeが解析、
予測することでそのユーザーにあったWEB接客を自動で行うことで
申し込みをする前の段階から商品のメリットを理解してもらうことで
顧客転換率を高める。

・顧客解約率を下げる

 契約開始の初期に離脱する可能性傾向がある商品には、
初期に発生する課題を解決するアドバイスをし、継続率を高める。
クライアント企業のWebサイトに作られた解約ページにAIを
実装したチャットボットを導入する。
解約をしようとしたユーザーがどういった理由で解約をしようとしたのか、
どんな不満があるのか、Robeeが会話形式で引き出すことで、
ユーザーにとってメリットがある情報、知らない情報を提供することで解約を抑制する。

<消費者の価値観の変化>

 同社のサービスのニーズが高まっている背景にはサブスクリプション型の
サービス拡大が一つの要因となっている。サブスクリプション・サービスとは、
”月額料金等の定額を支払うことにより、契約期間中、商品やサービスの利用が
可能となるもの”。消費者の価値観が変化してきており、
所有しないことに対する欲求が高まり、サブスクリプションサービスの市場が
拡大している。市場規模は2018年度の5,627億円から2023年には8,623億円になるとの予測がある。


 出所:矢野経済研究所「サブスクリプションサービス市場に関する調査を実施(2018年)」
 参考:サブスクリプション・サービスの動向整理 三菱UFJリサーチ&コンサルティング

 サブスクリプション型のサービスが拡大する中でサービスを提供する企業は
一時的な売上よりも継続的な収益を確保すること(LTVの最大化)が優先課題となる。
広告は集客だけでなく、継続購入するユーザー獲得にフォーカスし、
顧客化したユーザーを継続利用するロイヤルカスタマー化するための
広告マーケティングにシフトしなければならない。

LTVの最大化、質の高いユーザーへのマーケティングには課題がある。

①ユーザーによって継続率が異なる為、LTV(Life Time Value 顧客生涯価値)の
計測の難易度が高いこと

②Web広告はメディアが増加し、多様化、複雑化しており、自社にとってLTVが高い、
優良顧客に自社の情報を届けることができない。

その課題に対して同社のサービスは、LTVを予測し、
顧客化率の高いメディアを選別することでROI(投資利益率)の最適化、
最大化を実現する。かつ、LTVが不透明なマーケティングに対して
成果報酬で提供する。クライアントの課題意識にマッチしたサービスを提供している。

<業績(単位:百万円)>

〇2021年4月期 第1四半期実績

売上高 1,712
営業利益 137

〇2021年4月期 通期見通し

売上高 7,300(前期比 +12.9%)
営業利益 400(同 +6.9%)

セグメント別売上高
AC事業 7,050(前期比 +11.0%)
MT事業 250(同 +113.9%)

MT事業に注力し、倍増を目指す

<成長可能性について>

同社は長期的な成長イメージとして3つの項目を上げている
①継続収益モデルのノウハウを活かし、他業種への展開
②データ拡大・AI化により、業界シェア拡大
③新規プロダクト開発による新たな収益の追求

①継続収益モデルのノウハウを活かし、他業種への展開

 美容、金融だけでなく、LTV予測力、コンサルティング力を活かして
近似する業種へ展開する。

②データ拡大とAI化による業界シェアの拡大

 デジタルトランスフォーメーションがさらに加速することで収集できるデータ領域が拡大し、
LTV予測力を高める。

〇既存クライアントの取引額拡大に注力

 広告の運用は複数の企業に(例えば5,6社)に依頼していることが多い。
優良顧客獲得の実績をあげることで、クライアント取引先内での売上を何倍にも
拡大できる可能性がある。前述の顧客化率を高めた事例のように、
Web広告からランディングページまでたどり着いたユーザーは
”サービスを利用したい”、”商品を買いたい”という意識のユーザーであり、
顧客化率を高める余地は大きいと同社は認識しており、
より一層の顧客化率改善によりクライアント内の売上拡大が期待できる。
また、同じ業種ではノウハウがそのまま活用できるため、業界内でのシェア拡大が期待できる。

〇AI化により効率を高める

 現在はハニカムを利用したうえでデータの分析はコンサルタントが行っている部分もあるが、
データの蓄積が進み、分析のAI化が進むことで効率化につながり、
コンサルタントの担当できる案件数を増やすことができる。

③新規プロダクト開発

 RobeeのWeb接客をより自動化する既存プロダクトの強化に加え、
様々な新規プロダクトを開発し、LTVをさらに向上させる。

<バリュエーション>

時価総額 100億円
株価 3,230円
会社予想EPS 88.59円
会社予想PER 36.46倍
無配

 

 

 

2020年12月4日成長株投資, 銘柄研究所

Posted by ono