6099 エラン コロナ禍で入院セットが普及期へ by Ono

6099 エラン コロナ禍で入院セットが普及期へ by Ono

 

2021年9月26日 同社のオンライン説明会を開催します。

申し込みは以下のリンクからお願いします。

多数の参加をお待ちしております。

https://ws.formzu.net/fgen/S79453016/

*前回レポート

 

ポイント

・増収増益で通期見通しに対して高い進捗率

・コロナ禍で入院セットの必要性が高まり普及期へ

・競合の新規参入もチャンスに

・質向上・付加価値向上を目指す

・正常化後は営業活動や新規事業開発によるコストが増加する可能性

 

<事業内容>

全国の病院の患者や介護施設の利用者に対して、入院セット「CSセット」(衣類・タオルのレンタル、歯ブラシ等の日常生活用品を組み合わせたレンタル入院セット)を提供する。1日当たり300円台~の複数プランを用意し手ぶらで入院・入所、退院・退所が可能)である。利用者だけでなく、看護・介護スタッフの業務改善を図るサービス。コロナ禍における感染リスクの高まりから、患者自身が入院セットを外部からの持ち込むことによる感染リスクを抑制するうえでも施設において導入のニーズが高まっている。

CSセットに損害事故補償をつけた「CSセットLC入院保証」、入院費用保証サービスをつけた「CSセットR」も提供を開始し、順調に導入施設を増やしている。

<業績>

2021年12月期第2四半期累計の業績は売上高15,218百万円(前年同期比+25.1%)、営業利益1,403百万円と増収増益、新規契約施設数の増加、既存施設の利用者数の増加したことが寄与した。また、コロナ禍において病院や施設への訪問など営業活動が抑制されたため営業コストが抑制されたことも増益に寄与した。

<コロナ禍において必要性が高まり普及期へ>

〇普及期で施設数、利用率の改善に寄与

感染対策になることが認知されており、利用率が上がっている。
導入済みの施設においては、患者自身の持ち込みによる、感染リスクを無くすためにも入院セットを積極的に利用したいというニーズは強い。

〇解約は限定的

解約は第1四半期に40施設、第2四半期は1施設。第1四半期は解約数が多いが、ショートステイ(短期入所生活介護)26施設の同時解約であり、
病院に換算すると2施設分程度の規模にとどまる。

〇理解が進めばより一層普及が進むことが期待される

依然としてホワイトスペース(未導入の施設)が5割程度あるとのこと
未導入の理由は、次のようなもの

・患者に対して金銭的に継続的な負担を与えることに対する負担

・入院セットを正しく認識していない(質の悪いものや歯ブラシセットなど日用品セット)

これらに対して、各施設に丁寧に説明して正しい認識を持ってもらうことで導入を促す。
一度利用してもらえば、利用者にとっても施設にとってもメリットを感じてもらうことができ、
継続利用につながると同社は考えている

<通期見通し>

2021年12月期通期見通しは売上高31,000百万円(前期比+19.0%)、営業利益2,500百万円(同+20.9%)と増収増益の見通し。通期見通しに対する第2四半期累計業績の進捗率は売上高49.1%、営業利益56.1%となっている。同社の業績は新規導入で利用数が積みあがるために売上及び利益が下期偏重となる傾向にある。前年同期の通期に対する進捗率は売上高が46.7%、営業利益が47.6%であり、今期は前期よりも進捗率が高い。

コロナ禍の影響が落ち着けば営業活動が増え、一部進捗を見送っていた新規事業開発を再開することでコスト増となる可能性があるが、
利用増による収益性の改善要因もあり、通期見通しの達成確度は高いと考えてよいだろう。

<成長シナリオ>

同社が長期的に成長すると考えるうえで注目する点は次の3つ

①未導入の施設が多く開拓余地は大きい

②付加価値向上につながる新規事業開発を継続する

③新規参入企業へ付帯サービスを提供する

 

①未導入の施設が多く開拓余地は大きい

同社の開拓率は病院(50床以上)が15.3%老健と介護医療院(50床以上)が6.8%
他社導入もない未導入の施設は5割程度あるとのこと。
新規参入する競合が増えているが、依然として開拓余地は大きい。

 

開拓においては全国で地域密着で質の高いサービスを提供。
2021年11月1日に千葉支店を開設。
人口の多い、東京都23区及び千葉県内でサービスを提供するとともに導入施設の開拓を進める。

 

②付加価値向上につながる新規事業開発を継続する

2018年12月期に提供を開始したCSセットR、CSセットLCは順調に導入施設数を増やしている。

その後も、キクミミ、クラシコオリジナル患者着などCSセット提供を核として新しいサービスを開発し、
CSセットの付加価値を高め、かつビジネスチャンスの拡大を続けている。

 

③新規参入企業へ付帯サービスを提供する

同社は子会社エランサービスで入院セット運営会社に”コールセンターによる問い合わせサービス”や”利用料の請求手続きサービス”など付帯サービスを提供する。
例えば、ホテル向けを中心に行ってきたリネン会社が、ホテルの稼働が低迷する中で病院向けの入院セットを試そうという動きもある。
小規模で参入した場合、付帯サービスを自社で行うのはノウハウがないだけでなくコスト的にも難しい。
同社のサービスを利用することで入院セットのサービスの質を高めることが可能になる。

同社にとっては利用会社が増えれば、効率性が高まる。
トップシェア企業として、普及を拡大させるだけでなく、他社提供のサービスだとしても入院セット利用による満足度を高めるためのサービスとして提供する。

<バリュエーション>

時価総額 772億円
株価 1,274円
会社予想EPS 27.72円
会社予想PER 46.0倍
BPS 102.05円
PBR 12.48倍

 

成長株投資, 銘柄研究所

Posted by ono