生産性の向上について by yanoya

生産性向上について by yanoya

生産性の向上はまったなし!

初投稿させていただく矢野(通称やのや)と申します。

いろいろなテーマをみなさんと一緒に考えるきっかけづくりから社会貢献できればという思いからブログに参加しました。

これまでアナリストとして企業分析を通じて、日本株運用に一貫して携わってきましたが、大局を見失わないという意味でもたまにはマクロを整理して、総需要を予測したり、日経平均予測をしたりします。

今回は生産性向上というテーマについて、考えてみましょう!

9月8日に安倍首相が「生産性革命」という言葉を使って、人材の質の向上とともに、技術革新による生産性向上を今後の成長戦略にまとめると表明しましたね。これまでの第三の矢と言われた成長戦略は曖昧で、仕切り直しが必要でしょうが・・・

なぜ生産性の向上に躍起になっててるのか考えてみましょう。

日本は高齢化とか少子化とか言われていて、長期投資として日本株を考えたときに、行きは暗いなとか言われますね。

矢野は、生産性を上げていければ、GDPは成長していけると考えています。

まず、国内総生産GDPについて簡単に説明します。

GDPは1人当たりGDP*総人口ですが、総人口が多ければGDPも自然と上がり、人口が少なくなればGDPが下がっていくことになります。

中国は総人口が13億人と言われており、1人当たりGDPが低くても総人口で全体のGDPは押し上げられます。

日本のGDPは、アメリカ、中国に次いで第三位の地位にあります。総人口が1億人を超える先進国はアメリカと日本だけです。ちなみにGDP4位のドイツは8200万人です。

ここでマクロ経済の教科書どおりにGDPを分解すると、GDP=消費+投資+政府支出+純輸出となります。

消費とは家計消費のことで、投資とは企業の設備投資や在庫投資、建物購入という企業の生産活動のための必要な消費を指します。政府支出は、公共工事や公務員などの給与です。

ここまで消費の面から見ていますが、裏を返せば誰かの生産に対する対価と同じ意味になるので、1人あたりGDPは1人当たりの生産性と考えられますね。

純輸出とは、経済活動は国内だけではなく、外需企業中心に積極的に海外に販売をしたり、輸入をしたりしているので、海外からの外貨もカウントしないと生産性は測れません。

輸出から輸入を引いた金額を純輸出といいます。

日本のGDPのうち、消費は全体の6割を占めていると言われ、アメリカでは7割を占めているので、小売販売の動向は非常に注目されますね。

単純に消費をするだけでも立派な経済活動ですが、その支払いのためになんらかの生産によって対価を得なければ、消費を続けることはできません。

総人口が減少して、さらに少子高齢化により年金暮らしの高齢者が増えることで消費までも落ち込む事態はなんとしても避けなければいけません。

人口の減少は避けられないので、労働人口を増加させることで生産性を上げていく必要が出てくるわけです。その政策として、ここ最近、女性就業率の改善や定年の延長による高齢者の活用が叫ばれているわけです。

日本人の1人当たりGDPは技術大国だからとても高いような感じがしますが、実はとても低いのです。

2016年の日本は世界22位で1人当たり名目GDPは2016年38900ドル、ドイツは41900ドル、アメリカは57400ドルと差をつけられているのが実態です。

ちなみにドイツの労働時間は1371時間日本は1729時間と日本人の労働時間の8割の時間で効率的に働いています。

両国とも工業大国、最先端技術大国として似ているのに、どうしてこんなに開きがあるのでしょうか。

いわゆる日本的な終身雇用制度をベースとした縦社会から起こる職種と能力のミスマッチや中間管理職的な非効率な業務が多い、残業代をアテにした不要な長時間労働、ITの活用など様々要因はあり、問題は個々の会社によって様々あるので、政府の政策による問題解決は単純ではないでしょう。

1人当たりGDPを改善させるために、まずは生産活動自体を行っていない人を労働に従事してもらうことのほうが手っ取り早いのです。

女性の就業率については、62%と先進国の中で最も低いのです。

IMFによると、日本の女性の就業率がG7並みになれば、GDPを4%押し上げ、アメリカや北欧並みの70%強となれば、GDPを8%押し上げると試算されています。

子育て環境に関しては、年間の出生数が100万人を下回ったほど少子化が進む中でも待機児童が多く、保育園不足は喫緊の課題です。

最近は政府も待機児童対策に積極的な政策として、ようやく女性の労働力活用に向けて動き始めています。

ただ、問題の本質は保育園問題ではない気がします。

実態は働かないでも、税制メリットもあって専業主婦をやっていけるので、パート・アルバイトの給料に納得できず働きたいと思わない人が多いのではないでしょうか。そもそも労働の意識がないということです。

アルバイトでもフルタイムと仕事内容が変わらないのであれば、正社員としての地位や待遇や賃金が変わらない仕組みづくりをしていく必要があるでしょう。

また、大企業の総合職の女性比率は6%と驚くほど低く、アメリカの40%と大きく開きがあるそうです。管理職への登用もなかなか進まず、キャリア形成がしにくいのです。本当の意味で男女平等の機会を与える企業風土にして、やりがいを作る取り組みが必要でしょう。

また配偶者控除という悪しき税制があります。パート収入103万円までであれば、夫の所得から配偶者控除を受けられるというものです。この年収以内で働くという動機付けになっています。

何年も前から廃止論が話題になっていましたが、遅々として進みませんでしたが、ようやく2018年に改正されるようです。控除できるパート年収を150万円までに引き上げ、もう少しパートを促す方針にしました。また給与収入1120万円までは満額の控除になりますが、1120万円を超えると控除額はゼロになるそうです。

そもそも全て廃止すべきだったと思いますが、一歩前進というとこでしょうか。

みんなで問題意識を共有して、少子高齢化に負けないで日本経済をより豊かにしていきたいものですね!

yanoya

成長株を長期で自己保有

成長株投資の哲学  

Posted by 山本 潤