[東京2020 一か八かファンド]に込めた想い by yamamoto
東京2020 一か八かファンドの公表
1963年に生まれた私ですが、2020年はこれまで生きてきた中でもっとも悲しい年となりました。感染症を恐るのは人の自然な感情でしょう。ですが、それにしても、ひどい。金は天下の回りもの。互いを気遣いながら生きる。この原則が蔑ろにされてしまいました。この3ヶ月間、苦境に喘ぐ旅館、屋形船、レストラン、お世話になったお店にお礼も兼ねて、あるときは、家族全員で、また、あるときは私一人で、あるときは友達と、僅かながらの気持ちで、応援してきました。ガラガラの店内。他人にうつさないために家に閉じこもる人ばかりの社会になりました。私は大学院で確率論を専攻した学生です。宝くじの一等をとる確率がどの程度の低さかはわかります。感染症にかかる確率も交通事故に遭って脊髄損傷してしまう確率もさほど変わらない。いや、交通事故に遭って重篤化する確率よりも低い確率しか今回の感染症の確率はない。確率論を専攻したものの務めとして、0.01%以下の確率で生じるものを基準にして生きることを拒絶したのです。うちの家族はマスクはしない。三密を毎日行います。0.01%の確率で生じることを基準に世界中の市民の人権が侵害されている。感染者数という単一の指標のみで国家が運営されている。どう考えても理不尽です。異常という言葉では片付けられない。これは国家の重罪であり、国民の払った犠牲は天文学的な金額になりました。シャッターの降りた商店街の前をゆっくりと歩き、すれ違う方々が紛れもなくマスクをしていることに嘆き、この理不尽さに涙がとめどもなく流れ落ちます。ひどい。これは人間の社会ではない。
マスクをして外出し、それ以外は家に閉じこもる人々に問いたい。あなた方は人間なのでしょうか。家賃の払えなくなった自営業者のことは他人事でしょうか。社員を雇い固定給を払う一方で収入のない人災に遭遇している方々のことをどうお感じなのでしょうか。ひどい。酷すぎる。人間ではない。「他人ため」と称しながら自らの安全のために行動をする人々。もはや人間ではありません。
生きてきて、これほどがっかりしたことはありません。私は失望した。私に希望があったとすれば、それは自分だけが二度と充電の必要のない電荷で満タンになったリチウムイオン二次電池のようになることではなかった。電池が切れそうになっても、他者をいたわる、そんな人間像を夢見ていたのだ。私はナイーブだったのかもしれない。人は素晴らしい。互いによいところを持ち寄ることができる。互いに教え合うことができる。そう考えて生きてきた。だが、目の前で起こっていることは、互いに恐怖に慄き、互いに恐怖を伝播する愚かな生物の狼狽する集団であった。なんと情けないことでしょうか。外を出歩き、店舗の入り口に貼られた臨時休業の張り紙を見る度に涙が止めなく流れた。これは人間の社会ではありません。
社会の最後の砦 リスクマネーの供給者
オックスフォード大学のワクチン開発チームが有望な成果を示しています。それに呼応してインドの事業家が1兆円近い設備投資を決断。ワクチンの出来を確かめる前に量産を始めるのです。治験を確認してからでは意味がないとして。ビルゲイツも同様の動きを見せてくれました。こうした事業家にリスクマネーを供給し、見返りを求めないのが投資家の仕事です。ロックダウンによって、売上がなくなってしまった多くの事業家。見返りを求めずに、リスクマネーを供給するのが投資家。私たち投資家の社会的な意義は、社員への固定給を提供することです。事業はあくまでも社会のため。社会のために人々は働く。私たちが、株価が上がるから、株価が下がるから、という判断をしていてはいけない局面になったのです。とにかく供給するのです。私たちのリスクマネーを。今こそ、我々のお金が社会で生きるのですから。
東京2020 一か八かファンドのこと
ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)における投資助言者・投資判断者として、私は顧客に対してポートフォリオレベルで助言を行っている現役の日本株式の運用者です。今回の情勢を鑑みるにつけて、1年4ヶ月の限定的な短期ポートフォリオをDFRの顧客と共に作成しました。4月15日の定例の運用会議で決定した二つのポートフォリオです。会員向けには4月16日に公表したものです。組み入れの判断は、今回の理不尽な自粛で大打撃を受けた企業。株価が半値以下になってしまいました。それらの企業経営者と社員を応援するためのファンドです。ポートフォリオは二つ。東京2020 一か八かファンド1と2です。
会員向けのメッセージのこと
少し長くなりますが、東京2020一か八かファンドへかけた想いを綴ります。会員向けに4月16日に送ったメッセージをそのまま掲載します。GWの連休明けに公表すると宣言しておりました。お約束通りご公表いたします。
=東京2020 一か八かファンドI&Ⅱのモデルポートフォリオを発表!=
会員限定の定例会議「みんなの運用会議(web会議)」を4月15日に開催いたしました。会議にて東京2020 一か八かファンドの銘柄の選定を行いました。4月16日に会員ページ「ホワイトボード」にて発表しております。
ファイルはこちらです。
東京2020一か八かファンドⅠは100万円を2021年五輪閉会式までの1年4ヶ月まで保有して2倍にすることを狙ったものです。ファンドⅡは200万円を600万円に3倍にすることを狙ったものです。
「一か八か」の名前の通りハイリスクのモデルポートフォリオです。
今回のCOVID-19の感染拡大によってGreat Lockdownが生じてしまいました。Great Lockdownの直撃弾を被った銘柄でポートフォリオを組みました。
2倍、3倍になる前に、ファンドⅠとファンドⅡいくつかの銘柄は上場廃止になってしまうかもしれません。微力ながら、私たちの総力を結集し、そうならないように頑張ります。世の中は評論するものではなく、私たちが目指す世の中を能動的に作り上げていくものです。苦境にある企業を助けるため、私たちの叡智を結集しましょう。21世紀は他者を応援する世紀です。
-DFR500/2000/8000と一か八かファンドの違い
DFR500/2000/8000の本来の投資ポートフォリオは、長期の配当成長の見通しによる銘柄選択を徹底しています。収益性、財務内容、成長性、割安性、経営者などの総合評価によって銘柄を選別後、内需外需のバランスを維持しています。また、インカムゲインを重視した長期保有のポートフォリオです。こちらがDFRサービスの主眼です。こちらは10年で10倍の長期投資をリスク20%で目指すものです。
一方で、今回のファンドⅠ&Ⅱは、短期投資型です。
会員の皆様の投資アイデアをベースにしていること、必ずしも、利益率が高くないもの、財務が悪いもの、割安感のないものもバルクで組み入れ、内需重視の銘柄群です。今回のLockdownで大きな損失が出る恐れがある企業ですので、株価が半値以下になっています。このポートフォリオは長期の配当の成長率を期待して長期で保有する目的ではなく、1年4ヶ月という短期の保有でキャピタルゲインを狙うものです。リスクは60%以上と高く、ポートフォリオ名もそれゆえ「一か八かファンド」としました。
自信はあります。
-リスクは3倍から6倍-
- DFR500 リスク20% & リターン23%(連続複利)
- 一か八かファンドⅠ リスク69% & リターン69%(連続複利)
- 一か八かファンド2 リスク110% & リターン110% (連続複利)
-一か八かファンドの勝算について-
一か八かファンドが勝つであろう理由を述べます。投資家の皆様のほとんどはこう考えているはずです。
- コロナの影響が業績にプラスになるようなものを保有したい。家で飲んだり、ゲームをしたり、スーパーで買い物したりするような銘柄ならば安心ではないか
- ワクチンもなく 治療薬もなく 病気もかかったら大変そうで他人に感染を広げるのは怖い。ワクチンが開発できない場合もありそう。治療薬も開発できないのではないか。開発には数年間かかるのではないか
- これから経済が悪化するのでキャッシュリッチでディフェンシブなポートフォリオが無難ではないか
お気持ちはわかります。残念ながら、このような多数派は儲かりません。なぜならば、レッドオーションに自ら身を置いているからです。思考が平凡すぎるからです。
現実を直視してください。
1)理論株価
理論株価は10年先の平準的な企業業績を反映するものです。目先の1-2年の業績の貢献はわずかです。みんなが平凡な「安心」を求めているときに、理論的で非凡な「恐怖」を選びとってください。
2) ワクチン開発
ワクチン/治療薬の開発は必ず定刻通りに終わります。多数派の考え方は明確に間違いです。
考え方が違います。私たち人類は12ヶ月という限られた時間の中で、最善を尽くすことを求められている。もっとも安全なものを症状ごとに粛々と確立していくのみ。まず、時間ありき。その中でもっとも効果が高いものでより安全なものを選ぶのみ。
自然免疫を高めるBCGでもよい。アビガンなどの既存薬でもよい。症状ごとの組み合わせを治験で確かめる。多数派の不安は開発できるかどうか。そうではなく、時間が先にあって、その中で最善なものを選ぶ「選び方」の問題です。
3) 経済の悪化
経済の悪化はすでに起こっており、Lockdownですから当たり前のことです。当たり前のことはリスクでもなんでもない。空室も増え、失業も増えます。相場に1mmの影響もない。当たり前のことでしょう。だからこそ、人材関係や不動産関連の株価は数分の1まで落ちたわけです。株価が何分の1になっているのに、今期や来期の業績を心配している。おおよそ、その心配は馬鹿げたことです。
-サラリーマン運用者-
今回、ある著名ファンドがキャッシュコントロールを使って、下落を回避したと話題になっています。生き方としては、あまりにも格好が悪いことでした。下落を回避しても下値で買わなければならず、二回連続で相場の方向性に賭けるギャンブルをしなければなりません。勝率の低い賭け事を繰り返す性癖と見なされ機関投資家の世界ではキャッシュコントロールへの評価は最悪なものです。(二回連続の相場の方向性を当てる確率が4分の1のため)
まず、一般論として、安心や確信を求めるならば、投資家業は成り立ちません。投資家はリスクマネー供給者であり、社会防衛の最後の砦です。
Lockdownによって打撃を受け、もっとも困っている方々のために、投資家は存在します。
リスクマネーとは社会の課題を解決するために存在する。今、困っていないキャッシュリッチ企業を追いかけ回してしまうのはあまりにも情けないではないか。それよりも、今、困っている人々と一緒にどうしたらよいのか、知恵を出し合うべきです。そう思って今回の企画を立ち上げたのです。
多数派は考え方が滑稽です。
今回の騒ぎは、COVID-19が怖い病気だから騒ぎになっているわけではないのです。R0が高いから問題になっている。医療体制を維持が社会的な課題です。ここが相場の急所でフォーカスが当たるところです。それ以外のところは問題視されていない。死者数を抑えるため、医療体制を守るための自粛です。
Lockdownの何百兆円という経済損失と医療体制の整備にかかる何兆円というコストアップとを天秤にはそもそもかけることができませんでしょう?
だからこそ、至極当然、経済活動は再開されるわけです。医療資源の供給能力を底上げし、その範囲で経済が次々に再開されるのです。医療資源が100で、今、余力がないので、R0を下げる努力をしている。資源を100から500に上げる。その範囲で経済は次々に再開される。500を1000にしなければならない時は、そうする。数ヶ月という猶予があればできることです。
抗体検査が行われ、実に報告者の数十倍の方々が実際には感染していたことがわかりつつある。COVID-19の致死率の推定を二桁も下げるだろうと言われている。
ワクチンもあった。治療薬もあった。既存のものでも十分であった、ということが次々と報告されている。医療体制は整備されつつあり、関心はどれだけ不況になるかではなく、どれだけのV字になるかとなっているのです。
IMFの想定では、アジアの成長率は2020年が1%成長。2021年が10%近い成長。
10倍返しです。今回の騒ぎは10年後の平準的な企業の業績に影響をほとんど与えなかったのです。だからこそ、リーマンショックのように不景気がどの程度続くのかに恐れることもなく、たったの数週間という超短期間に相場は正常化しつつあるのかもしれません。
この「東京2020 一か八かファンド」は連休後に一般公開して、株価の面から、「被弾」した企業を応援します。
投資とは応援です。100万円、200万円の「少額」ポートフォリオであって、目一杯投資をするものではありません。余裕資金の20%以内が目安です。
この中から、数銘柄を選ぶだけでもよいのです。それぞれが「Lockdown被災者」を自らが応援できる範囲でご支援ください。
みんなの運用会議とは、DFR会員による月二回のweb会議のことです。そこでファンドⅠ&Ⅱの銘柄選定を行いました。
会員の皆様の全面的なご協力をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
まとめ:
- 東京2020一か八かファンドは余裕資金の20%以内でご活用ください
- Ⅰ(100万円)は2倍(200万円)。Ⅱ(200万円)は3倍(600万円)を目指します
- それぞれの資産規模に応じてください。数銘柄だけを選んでも構いません。優先順位は特になく、どれも終息後のGreat Unlockで大きく株価は上がると思われます。
- 二番底、三番底が相場ですから当然のことですが想定されます。途中で悲惨なことになる恐れもあります。Ⅰの方が多少は安全。Ⅱはより危険です。
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