7196 Casa 新型コロナウイルスの影響を最小限に抑え、万全を期す

株式会社Casa 東証1部 証券コード:7196

 

・自主管理家主向け注力により新型コロナウイルスの影響は最小限にとどまる

・今後の影響拡大懸念にも資金を確保して万全を期す

・影響が不透明な中で積極的な開示を評価

・民法改正をチャンスととらえ積極投資

・不動産賃貸市場の付加価値創出のサービスを続々リリース

 

 新型コロナウイルス感染の一層の拡大を抑えるため、政府から2020年4月7日に緊急事態宣言が発出された。
さらに5月4日、緊急事態宣言の対象を全都道府県として5月31日まで延長することが表明された。
併せて飲食店や小売業などの業種で営業自粛が要請された結果、事業の継続が困難となり廃業する事業者が増えることが懸念されており、
同社の業績に影響を及ぼす懸念が広がりつつある。自粛を要請された事業を行う個人事業主や、非正規雇用者が家賃の支払いが
できなくなる可能性があるためである。
そのような中で同社は4月30日に事業説明会動画を同社WEBサイトに掲載し、動画の冒頭で現在の影響と対応状況について説明を行った。
現時点では影響は限定的であること、また、今後の影響拡大に備えて、万全を期して取り組んでいることを説明している。

事業説明会の動画はこちらをクリック(ウィンドウが立ち上がります)

 

<新型コロナウイルスの影響について>

〇現時点では影響は限定的

賃貸市場全体の動きを見ると、2月から3月は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、
多くの企業が活動を大幅に縮小しており、人事異動も先送りされている模様。
その結果、入居の申し込みが減少傾向が確認され、さらに4月には全国で緊急事態宣言が発出された。

同社調べによれば、賃貸市場全体の4月の申し込み状況は前年比で大幅に落ち込み、
地域によっては80%減少などもある模様だが、全体としては前年比55%程度(-45%程度)となっているとのこと。
そのような中で同社の入居申し込み状況は3月は前年比+9%と前年を上回り、4月においても-10%程度にとどまっている。

前年の秋口から中堅の不動産管理会社の開拓に注力し、地場の不動産会社を積極的に営業した成果により代理店社数が増えたことにより
市場全体の動きに対して影響が限定的となった。

賃料の支払いについて相談を増えたものの、滞納率は緊急事態宣言が発出される前と比較しても大きな変化はない。

契約する顧客属性を見ると、個人事業主及び非正規雇用が占める割合は合わせても9%程度であり、
その点は今後懸念される同社の業績への影響が限定的と予想する要因であろう。

〇コミットメントラインと当座貸越契約の締結により資金を確保

4月21日 コミットメントライン契約及び当座貸越契約の締結のリリースを行った。
リリースはこちら
借入先:三井住友銀行、みずほ銀行
設定金額は
コミットメントライン:10億円
当座貸越契約:30億円
とした。
同社は賃借人の属性、家賃支払い状況等に係る約238万件(2020年1月31日現在)の審査データベースを保有している。
保有データを活用した独自の与信管理体制を強みとして、かつ、契約者に対する細かなフォローを継続して行うことで滞納発生率及び
貸倒率をコントロールしてきた。今後もこれまで同様に適切な対応によるコントロールを進める方針。

前期末時点で28億円の現金及び預金があり、十分な手元資金があると認識しているが、
新型コロナウイルスの感染拡大と長期化に備えて、財務基盤を強化することを目的とするもの。

〇影響が不透明な中で積極的な開示を評価

 3月初めから中旬にかけて、新型コロナウイルスの影響が不透明な中で株式市場全体にリスク回避の動きが広がり、
株価は急速に下落していた。同社の株価も同様に大幅下落となった。
多くの企業が今後の業績への影響が不透明として開示には消極的であったが、
同社は以下のようなリリースを続けて出した。

3月16日 代表メッセージ(新型コロナウイルスについて)
 発信時点では事業への影響については言及しなかったものの、何が起こってもこれまでと変わらず前向きに対応することを示した。
以下、内容の一部を抜粋
「こんなときだからこそ、前向きに気持ちを高め、社員、その家族の安全、健康を第一に、先頭に立ってこの事態に対処していく所存です。
ご契約者で被害を受けられている方には、行政、自治体と連携を取り、支援制度の案内、また弊社が提携しておりますフードバンクの
食糧支援等を行い、一刻も早く元の生活に戻れるようサポートさせていただきます。
 このような状況だからこそお客様、株主、社会に”三方よし”の精神で、世の中が少しでも早く活気を戻せるよう、我々が今できることに
精一杯励み、難局を乗り越えてまいります。
みなさまのご期待にこたえられるよう社員一丸となって頑張りますので、今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます」

4月8日 新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響について
 3月10日に決算発表を行い、2021年1月期の計画を発表済みだが、新型コロナウイルスの影響を考慮しておらず、
改めて、現在の状況、今後の影響が生じる可能性について詳しく説明するためのリリースを行った。
 家賃債務保証事業への影響
  ・新規契約申し込み件数(初回保証料)に与える影響
  ・求償債権に与える影響
  ・貸倒引当金に与える影響
 財務状況への影響
 緊急事態宣言への対応
 など、前述の事業説明会につながる内容であり、わかりやすく説明されている。

筆者は株主及び投資家に向けたメッセージを高く評価する。
 長期で信頼して投資をしたとしても、多くの株主や投資家は株価が大きく下落すれば、少なからず不安になってしまうものだ。
一方で影響が不透明で説明できない部分が大きければ多くの企業はリリースを控える。
そのような状況にあって、同社の積極的な開示の姿勢は株主や投資家に安心感を与えるものとなる。

不安が拡大しているときに求められるのは、企業と株主の信頼関係。
長期的に企業価値を高めるために必要なのは信頼関係を構築すること、つまり、エージェンシーコストを下げることである。
その点で同社の今回の一連の開示は高く評価されるべきであり、長期的な企業価値向上につながると行動である筆者は考える。

〇民法改正をチャンスととらえ積極投資

 民法改正により連帯保証人制度が変更になる。
 改正の内容で注目するポイントは以下の2つ

 ・個人根保証契約の極度額ルールの変更
  連帯保証人の責任限度額を定めることが義務付けられた
  内容:改正前は契約時点では保証する金額がどの程度になるかわからず、場合によっては予想外の責任を負うことになる可能性があった。
  今回の改正により、契約締結時に責任限度額を定めなければならず、定めていない連帯保証条項は無効とされることになった。

 ・契約時の情報提供義務のルール変更
  連帯保証人へに契約者の財産状況等の情報を提供することが義務付けられた
  内容:情報提供をしなかったことにより、連帯保証人が契約者の財務状況を誤解して連帯保証人になることを承諾した場合に
  後日、連帯保証契約を取り消すことができる。その結果、債務が発生した際には貸主にも影響が及ぶ可能性がある。

 以上のことから、
 ・個人的な親類関係の連帯保証人を利用しにくくなる。
 ・連帯保証人を探すことが困難な、身寄りのない高齢者や外国籍の入居希望者が増加する。
 といったことから、保証会社を利用する割合が増えることが予想される。

連帯保証人市場の状況
 不動産賃貸市場において連帯保証人を利用する割合は全体の6割となっている。
 また、管理会社と自主管理家主でわけてみると
 管理会社において連帯保証人の利用は40%であるのに対して
 自主管理家主の物件での連帯保証人の利用は85%となっている。

賃貸経営の安定と効率化に寄与

  今後、民法改正によって、保証会社を利用する割合が増えることが予想されるなかで
 特に同社が注力している自主管理家主の物件におけるニーズが今後一層高まると考えられる。
 同社が連帯保証人サービスを提供することで家主の賃貸経営が安定する。
 また、CasaWEBでオンラインで手続きを完結できる仕組みを提供し、
 現在、紙・FAX・郵送によって行われている手続きが簡略化するとともに、
 記録の保持の点でも付加価値を提供する。

・一元管理
→ 経営の安定に寄与

・オンラインで手続きを完結
→ 手続きの簡略化による効率経営に寄与

 

*詳細はこちら

〇不動産賃貸市場の付加価値創出のサービスを続々リリース

 4月20日 新サービス”養育費保証”を開始についてリリース 
  離婚時に子供を養育する親権者に対して養育費を支払うことを取り決めた場合でも、
 取り決め通りに支払われず、子供を養育する母親の家庭が貧困に陥ることが社会問題となっている。
 2020年4月から改正民事執行法が施行され、支払うことを決められた父親の給与や預金の差し押さえが容易になったことを受けて
 契約者に対して”養育費保証”サービスを提供する。
 住居費用は生活に不可欠な費用である。
 同社はこれまでも、行政や自治体との連携による支援制度を活用した契約者のサポートを行ってきたが、
 養育費保証についても、法改正のタイミングでシングルマザー・ひとり親の契約者をサポートする。

*厚生労働省による2016年度「全国ひとり親世帯等調査」の結果報告によれば、
「養育費を受けている」割合は24.3%にとどまり、
今まで一度も「養育費を受けたことがない」母子家庭が56.0%と半数以上を占めている。

報告書はこちら
p56 表17-(3)-1 母子世帯の母の養育費受給状況

 

以下、同社の基本的な情報のアップデートである。

【会社概要】

2008年10月、東京都新宿区に不動産賃貸物件の家賃債務保証事業を目的に設立したレントゴー保証株式会社が前身となっている。

【事業概要】

不動産賃貸物件の家賃債務保証事業

Casa(以下、同社)は、賃貸住宅の賃貸契約において賃借人に対して家賃債務の連帯保証サービスを提供する。賃借人(入居者)とは保証委託契約、賃貸人(家主)とは賃貸保証契約を締結する。不動産管理会社が管理する物件は約20,000店舗からなる不動産管理会社を代理店として全国12カ所の事業拠点で展開している。

【特徴(強み)】

 蓄積してきたノウハウと安定した事業基盤があり、主に次のようなものがあげられる。
① 管理戸数10,000戸以上の大手管理会社向け売り上げが約60%を占めている。
② 支払いが滞ってしまった賃借人の問題解決に手間を惜しまず積極的に課題解決の手助けをし、延滞債権の回収を進める。
③ 不動産管理会社を利用しない管理戸数1,000戸未満の自主管理家主向けサービスを強化する。
(詳細後述)

【株価指標】

時価総額 123億円
株価 1,114円 (2020年5月1日 終値)

BPS 647.70 (2020年1月期 実績)
PBR 1.72倍
ROE 14.4%
PER(会社予想) 11.2倍
配当利回り2.7%

【業績推移】

 

【家賃債務保証事業】

 家賃債務保証ビジネスとは、代理店契約をしている不動産管理会社を通して賃貸人(家主)と賃貸保証契約を結び、賃貸人(入居者)と保証委託契約を結ぶ。賃借人が家賃を滞納した場合に賃貸人または賃借人と管理委託契約を結ぶ不動産会社に代位弁済を実行し、賃借人に対して滞納した家賃の督促、回収を行う。約22,000店舗からなる不動産管理会社を代理店として全国12カ所の拠点(東京、札幌、仙台、千葉、横浜、さいたま、静岡、名古屋、大阪、岡山、高松、福岡)で事業展開している。

 

【ビジネスモデル】

・約半分がストック売り上げ

・売上は案分計上 費用は一括計上

 売上は賃借人と保証委託契約を締結した際に受領する初回保証料と、入居後一年ごとに受領する年間保証料から構成される。2019年1月期における構成比率は初回保証料が53%、年間保証料が47%程度となっている。年間保証料が毎年のストックとして積みあがり売上計上されるストック型ビジネスとなっている。
 賃借人から保証料を受領し、その一部を業務委託している不動産管理会社に支払手数料として還元している。初回保証料と年間保証料については、受領時から1年にわたって案分して売り上げ計上される。賃借人からは契約時に初回保証料を賃料の50%程度、年間保証料は年1万円受け取っている。一方、不動産管理会社に支払われる手数料は支払い時に一括して費用計上される。
賃料延滞により代位弁済した場合、早期に回収が図られるが、代位弁済実行額のうち決算期末における未回収分である求償債権に対して貸倒引当金を計上している。

年間保証料がストック売り上げとして計上される

具体的には以下のようなものである。

① 大手管理会社のネットワーク

 管理戸数10,000戸以上の全国展開している大手管理会社を代理店とする売り上げが約60%を占めており、同社の収益の柱となっている。年長年の経験と蓄積されたノウハウを生かし、家賃債務保証事業に真摯に取り組む姿勢が強固な信頼関係の構築に寄与している。

 

② 手間を惜しまず借主の課題解決の手助け

求償債権の割合(保証債務に占める求償債権の割合)が安定推移している。
同社は8%程度を適正水準として考えており、現状は想定内で求償債権の回収が行われているとの認識である。
求償債権の回収が安定して推移する背景には
 ”手間を惜しまず賃借人に寄り添って問題解決に取り組む”
ことが仕組みとして定着していることにあるだろう。

 *求償債権とは:賃借人が滞納した賃料を賃借人に変わって賃貸人(大家さんまたは代理人となっている不動産管理会社)に支払ったうち、期末時点の未回収分。

 まず、支払いができない賃借人について一人一人、原因を確認する。”うっかり忘れてしまった”という人は連絡すればよいが、何らかの”支払いができない問題”が発生していることも多いという。解決方法として、生活保護の申請ができるのであれば生活保護の対応方法を伝える、といったことを一人一人対応する。
 主に行っているのは
 (1)公的支援制度の案内
 (2)NPO団体と連携した食糧支援の実施
 など
 具体的には
 (1) 公的支援制度の案内
社員は各種福祉制度等についての知識を習得し、情報を提供する。
 不払いとなった賃借人の課題解決の手助けのため、次のような制度について情報提供し、活用を促す。

 保険制度:健康保険、雇用保険
 年金制度:年金担保融資、障害年金・老齢年金
 貸付制度:緊急小口貸付、総合支援資金
 福祉制度:福祉助成金・貸付、児童手当
 給付制度:住宅確保給付金、教育訓練給付
 自治体の各制度:育成制度
 生活保護制度:生活扶助・住宅扶助
 など。

同社の受付スペースの壁には多くの写真と手紙が貼られている。支援を受けた方々からの感謝の手紙と写真である。社外へのアピールというだけでなく、”ありがとう”の言葉が社員のモチベーションにもつながっている。

 (2) NPO団体と連携した食糧支援の実施
 農林水産省が支援するNPO団体”フードバンク”と提携し、食糧支援を手掛ける。
 顧客である入居者が食に困っていることがあり、その際にセカンドハーベストジャパン(日本で初めて設立されたフードバンク団体)からの食品を活用したことから始まったとのこと。これら賃借人の課題解決のための活動が、顧客である家主のリスク抑制につながるとともに信頼関係を作ることにつながっている。

社員数は派遣含め約400名。そのうち半数程度が回収を担当している。手間のかかる回収に注力していることがわかる。回収において家主と接触することにもなるため営業活動にもなっている。

*”③ 不動産管理会社を利用しない管理戸数1,000戸未満の自主管理家主向けサービスを強化する。”
 については下記の”注力する事業”で詳細な解説をする。

【事業環境】

 不動産賃貸住宅市場は単身、夫婦のみの世帯数増加により拡大している。高齢者の単身世帯、外国人入居者の増加もあり、家族、親類、知人に連帯保証人を見つけることができない賃借人が増えている。家賃債務保証市場は拡大しており、今後もこの傾向は続くと考えられる。また、アンケートによれば賃貸物件の増加が続く中で将来的な空室リスクに対する不安を6割以上の家主が抱えている。
そのような環境下でこれまで同社は大手管理会社と関係を密にし、売り上げを拡大してきた。大手管理会社が管理する物件は1,000万件程度あるがすでにその60%程度は保証会社を利用している。一方自主管理家主が管理する物件は650万戸程度あるが保証会社を利用しているのは10%程度にとどまり、ほとんどが連帯保証人を利用している市場である。同社はそこにターゲットを定めて営業を強化する。

 

【注力する事業】

〇“家主ダイレクト”で自主管理家主市場を開拓する

“家主ダイレクト”が好調。利用オーナー数23千人、新規契約件数28千件と前年通期を超えて順調に拡大している。

 *家主ダイレクトについてはこちら casa”家主ダイレクト”WEBサイトが開きます。

 “家主ダイレクト”はリコーリースと東京海上日動火災保険との連携で開発したサービス。集金代行、家賃保証、保険を提供する。競合が少ない自主管理家主市場で拡大を狙う。
“家主ダイレクト”は集金代行セット型の保証サービスだが、物件での事故があった場合に備えた家主負担費用や孤独死保険を付帯するほか、同社が持つ22,000店舗以上の仲介ネットワークを生かした入居者募集も行う。自主管理家主の賃貸経営のニーズに合わせて、“コスト削減”、“空室対策”といった経営安定化につながる充実したサービスを提供する

大手管理会社と違い、小規模で点在する自主管理家主をターゲットとするとき、同社が契約する賃貸仲介のエイブル、ハウスコム等を通してアクセスできることが強みとなる。今後認知度が高まることで一層の拡大が期待できる。

〇新CasaWEBの提供 

保険料保証サービスを提供するうえで既存のシステムを刷新し、新CasaWEBの提供を開始した。

新CasaWEBは家財保険料の保証サービスや代理店業務の業務効率を大幅に改善するクラウドサービス。システムのデザインや操作性の改善を行い、直感的に利用できるシステムを構築した。これまで契約のために手書きの書類を作成し、保険会社と保証会社それぞれにFAXで送付していたが、一括で手続きを終了できる。他にも多彩な機能を提供しており、当初は既存の手続きの変更に難色を示していた中小の代理店においても業務効率化を実感することにより利用の定着につながっている。

 

〇市場の変化を捉えたサービス充実

 同社は入居者、家主の双方にとって便利なサービスを拡充し、顧客満足度を高め、契約者拡大につなげている。
主なサービスとして次のようなものがある。
・様々な決済手段の導入
 初期導入費用のカード決済を業界に持ち込んだのは同社の宮地社長。導入前は決済手数料が高く、不動産業界では浸透していなかったが、決済手数料を抑えた商品を提供し、導入を促進した。その後、様々な決済手段も取り入れた。
・外国人対応
 現在、日本において人手不足が問題となっており、国の政策として外国人労働者の受け入れを勧めようとしている。年々増加する外国人の入居希望者にとって、問題は保証人と言語である。同社は利用料無料、年中無休、24時間、11か国語で対応可能な通訳サービスを提供する。
・高齢者対応
 日本は高齢化が進み、単身高齢者の入居希望者が増える一方で、家主にとっては入居者の孤独死がリスクであり、契約には二の足を踏む。同社は孤独死保険を開発して提供。家主ダイレクトに自動付帯することで高齢者の入居促進を図る。
・入居者向けWebサービス
 同社の入居者向けサービス“入居者カフェ”では提携した様々な企業の優待サービスを受けることができる。例:ビックカメラの購入時ポイント追加サービス、家具雑貨のKEYUCAの割引サービスなど。

 

 

【業績動向】

〇2020年1月期実績

2020年1月期は売上高9,436百万円(前期比+9.6%)、売上総利益6,165百万円(同+7.0%)、営業利益1,522(同+14.9%)と増収増益を達成した。

契約数は新規契約数99千件(前期比+9.1%)、保有契約数512千件(同+8.2%)。大手管理会社向け売り上げは前年同期比102%と引き続き堅調だが、他社が来年の民法改正に向けて営業を強化してきており、一部顧客で対応が必要となったため、紹介手数料が前年同期比+28.2%と売上原価を押し上げた。

自主管理家主向けでは契約数が前期比160%と高い成長を達成した。

“家主ダイレクト” は管理戸数の少ない中小の代理店にとっては業務効率を改善する商品であり、

・オリジナルガイドブックの作成

・未登録大家向けキャッシュバックキャンペーンの実施

などをきっかけに契約増が加速している。

また、2019年11月から保険料保証を開始。開始から1カ月経過が経過し、保険代理店として利用を表明している会社が102社と順調に進捗している。

・四半期別売上高及び前四半期比の増減率

   

〇2020年1月期 通期会社計画

 2020年1月期の会社計画は、売上高9,454百万円(前期比+9.8%)、売上総利益6,250百万円(同+10.2%)、営業利益1,409百万円(同+6.3%)と増収増益の計画。営業利益率は14.9%。大手管理会社からの契約拡大に加え、自主管理家主向けの営業強化による売り上げ拡大を見込む。成長投資を増額するため、営業増益率は低くなる計画である。契約数は新規契約数130千件を見込む。期初には127千件を計画していたが、足元の好調な新規契約獲得を背景に計画を見直した。

【株主還元】

〇配当

2020年1月期
一株当たり配当金 当初計画26円 → 2円増配し、28円

2021年1月期
一株当たり予想配当30円
配当性向30.2%
*配当性向30%を目安に配当を実施する方針。

【リスク】

 自主管理家主マーケットの開拓が進まない可能性
 自主管理家主マーケットへの営業強化をしているが、大手管理会社向けと違い、小規模家主を個別に開拓するため手間と時間を要する。会社が想定する以上に時間とコストがかかる可能性がある。

 景気悪化による代位弁済が拡大するリスク
 代位弁済の抑制のため、賃借人に関わるデータベースを構築し、独自の分析による与信管理を行っているが、想定以上に経済環境が悪化し、賃借人の家賃支払いに影響を及ぼし、代位弁済が拡大した場合、同社の業績に影響を与える可能性がある。

 成長投資の遅れ
 今後の成長を加速させるため、人への投資及びシステム投資を計画し、推進している。システムエンジニアの人材不足が業界を問わず顕著となっており、同社においても採用が想定通り進まず、投資が遅れる可能性がある。

【財務諸表】

 

成長株投資

Posted by ono