大草原の小さな家と江戸川区の古い家 by yamamoto

2020年7月3日

4人の男児の子育てに思うこと

子供を勉強机に座らせるにはどうしたらよいのか。子供が勉強を好きになるにはどうしたらよいのか。今の世代の子育ては親の方が一生懸命。親がたくさんのお金を育児に使って大切に育て上げているように思います。東京では私立のよい教育事情があるので中学校から一貫校へ進学するのが人気です。うちは4人の男の子を育てておりますが、全く逆の考えで子育てをしています。出来るだけお金はかけない。子供に一切のアドバイスはしない。何も言わない。ですから4人とも公立です。最初は江戸川区立清新第一保育園。次に江戸川区立清新第一小学校。次に江戸川区立清新第一中学校に行きました。最終的には国立大学へ上の子二人は進学。下の子供二人は都立高2年と中学3年になりました。気がついたら大きくなっていました。子供部屋もなく、みんな雑魚寝のような我が家です。

父親としては、家計の面倒をみる。お金を家庭にいれることだけしかやっておりません。母親が基本的に家事を行いますが、うちは共働きということもあり、家事は子供たちが手伝います。私の理想は、「大草原の小さな家の家族」(Little House on the Prairie)です。原作はローラ・インガルス・ワイルダー1867年2月7日1957年2月10日)村民のために正しい行いをする。曲がったことはしない。ハードワークを惜しまない。そんな一家の大黒柱チャールズ・インガルスは私の理想でした。そして母親は賢くて知的。子供たちは優等生でもありおてんばでもある。一人の抱える問題をみんなで解決する。いつも一生懸命。自分のために一生懸命でもあるし、他人のためにも一生懸命でもある。高校生の頃でしたが、NHKの放送を楽しみにしていました。自分もいつか家庭を持ったら、「大草原の小さな家」のような家庭を築きたいと心に決めておりました。

お金をかけない子育て 口も出さない子育て

私たちの基本は、放任でした。メシさえ食わしていればよいという考えでした。塾もどうしても行きたいと本人が懇願しない限り行かせません。クラブも習い事も懇願しない限りはやらせませんでした。子供は自分の人生を自分で切り開くしかない。大人が子供の人生に夢を託してはいけない。そう思っておりました。

夢を見つけた子供たち 長男のこと

ところが、運のよいことに、長男は小児科医になりたい、あるいは、地域を支える医者になりたいと志を立て、北海道大学の医学部に進学。5年生になりました。いつも勉強をしている姿を弟たちに見せてくれたのです。末っ子が、「お兄ちゃん、勉強してばかりだね。テストがあるの?」と兄に聞く。すると兄はにっこり笑って、弟に「テストはないよ。勉強すると気持ちが落ち着くんだ。今日も頑張った。明日も頑張ろうと思って眠りたいからね」という。長男の本当の夢は、火星に友人探査で宇宙飛行士です。「俺が生きている間に、必ず応募があるから、絶対に受かるように頑張りたいんだ」と長男はいうのです。そんな長男を見て弟たちは育ったのです。

先日、ラインで長男からメッセージが届きました。(原文そのまま)

お父さん
いつも家族のために働いてくれてありがとう。心から尊敬しているし、かっこいいと思ってるよ。お父さんの大胆なところとか、人目を気にしないところが好きです。これからも好きなことをたくさんやって、元気でいてね。
困ったことがあったら、なんでも一人で背負い込まずに相談してください。出来るだけ力になりたい。最後に改めて、今まで家族のために頑張ってくれてありがとう。(長男より)

人間にはこういう人もいるんだと絶滅危惧種をみる目で末っ子は兄を見ていました。

普段から、家族のことを考えてくれる長男がいることで私たち夫婦が喧嘩をした時に、長男が間に入ってくれたことがありました。大人として恥ずかしいことですが、今日は恥を忍んで。夫婦喧嘩は犬も食わない。でも私たちにも本当に些細なことをきっかけにした喧嘩があります。そのとき、子供たちが両親に「まあまあ、色々あると思うけど、お互いに言いたいことを言い合おうよ」と言ってくれるのです。妻が何か夫婦間に問題があるときに、長男と次男に相談しているらしいのです。こういうラインを突然送ってくるには裏があるからでしょう。妻は息子たちとコミュニケーションが毎日のようにあるらしく、私とは子供との会話量では雲泥の差があるのです。

次男のこと

次男は、浪人をしたことで人間が磨かれた口です。浪人させてよかったと思っているのです。そんな次男も今、夢は法曹会です。司法試験の予備試験を来月8月に受けます。一浪して東京大学文三に入学しました。今2年生になりましたが、やはり、最近、次男からこんなメールをもらいました。

俺はお父さんにすごく感謝してるよ。
俺は今まで特に勉強にお金がかかってきちゃったのに、そんな時に率先して負担してくれるお父さんは、本当にカッコいいと思うし、めちゃくちゃありがたいです。
いつもお仕事ありがとう!(次男より)

国立大学で学費の負担が少なくなって、しかも自宅通学なので、助かっているのですが、伊藤塾に行きたいという相談を受けて、本気であることを知って行かせることにしたのです。それで感謝というわけですが、次男は次男なりに家族の面倒を見てくれる。末っ子の勉強なども見てくれております。伊藤塾は塾長が熱い。法は弱者のためにあるという信念なのです。そんな塾長の正義感が次男の琴線に触れたのです。このラインは長男からのラインの1日後に送られてきたものです。長男と次男が裏でつるんでいるのでしょう。

三男と四男のこと

三男がはじめて夢を語ったのはつい数週間前です。「俺、パイロットになりたい」と。家族はびっくりしましたが、みんなで応援することにしました。都立小松川高の2年でバレーボール一筋で毎日筋トレの日々ですが、そんな三男が、母親に、「お母さん、これからは洗濯と洗濯干は俺が毎日やるから」と言ってくれたのです。これには家族はびっくり。でもありがたい申し出なので、受けることにしたのです。毎日弁当を作ってくれる母親。その大変さがわかる年齢になったのでしょうか。私の一生の思い出に残る今年の出来事の一つです。私が死ぬ瞬間に、このことは思い出すだろうなと思うのです。親として、ああ、もうこの子は大丈夫だ、と思える瞬間があるものです。三男の場合は、これが2回目でした。1回目は4年前、長男が札幌に行ってしまったとき、飛行場で兄との思い出に泣きじゃくる三男(当時小学6年)を見て、この子は人の気持ちがわかるかっこいい男になるだろうと確信したのです。今でもあの時の三男の涙は私を奮い立たせます。親になるとこんなに素晴らしいプレゼントがあるものなのです。この三男の発言は次男のラインから1日後でした。兄弟たちはつるんでいるのではないかと思います。

末っ子は中学3年ですが、都立高校を目指して頑張っている受験生になりました。兄たちから可愛がられてスクスクと育ちました。学校での出来事をよく話してくれます。この子が志を持って自分の命を使い切ってくれることを切に願っております。

口は出さない 見守る。ただ、側にいるだけ

長男がたまに帰省するとき、長男から、私はよくクギを刺されます。お父さん、一生懸命さというのは人に押し付けるものではないよ、だから子供は自分がやりたいことがあれば自分でやるから、あまり心配しないで。弟たちに全部任せて。ということで、私は、自分の読書や勉強や仕事に全ての時間を捧げることができるのです。

子供たちにあれこれということはありません。夕食のときは、親は子供の話を聞く側です。私はいつもこういうのです。

「そうか。頑張っているな」と。

当然のことながら、私は子供を殴ったことや叩いたことは一度もありません。大草原の小さな家のような大自然は江戸川区にはないのが残念ですが、江戸川区の汚い小さな我が家は今日もワイワイガヤガヤとしてそれぞれが勝手な時間を過ごしております。私はアドバイスをするよりも、しっかりと側にいてあげることの方が強いメッセージになると思うのです。自分の父親はいつも仕事をしているな。どうしてあんなに勉強するのだろうか。自分の父親の本が近くの本屋に並んでいる。父さんは何も言わないけど、一体、どんな仕事をしているのだろうか。そう思ってくれているのかもしれません。ならば、何もアドバイスをすることはないのです。背中を見せるだけで十分に強すぎるメッセージになってしまうでしょう。あまり強いものは毒にもなります。楽しく生きることです。ただし志は高く。

もう10年もしたら、みんな家を出て行ってしまうでしょう。そのとき、この輝かしいダイヤモンドのような日々を私は懐かしく思い出すのでしょう。

私は家族を持って、人間として少し鍛えられたと思います。子供ができて彼らが大きくなって、心が大きくなったと思います。このことが仕事にも大変、プラスに働いていると思うのです。家族のみんなには感謝しております。私から家族全員にありがとうと言いたい気持ちです。人間は感情の動物です。喧嘩もあり衝突もある。それでいい。家族への感謝の言葉は幸せになるための魔法のようなものなのかもしれませんね。

2020年7月3日子育て・教育, 教育・一般教養

Posted by 山本 潤