◆かぶざんまい!! 14皿目『企業分析のやり方その3 現状認識と将来展望』 by相川伸夫

◆執筆理念

・極力難しい言葉を使わない(使う時は注釈する)ように意識し、伝える、伝わることを重視!
・堅苦しい感じとかを全く抜きにして、ぶっちゃけトークで書く!
・資産が増える、心が豊かになる等の読み手に価値がある文章を書く!
このような理念のもとにアツい想いを書かせて頂きたく思います(^^)/

14皿目『企業分析のやり方その3 現状認識将来展望

投機においては企業分析なんて要りません。決算書の中身を見る努力も正直そんなに重要ではないでしょう(投機手法にもよりますが…)
しかし、こと投資において、企業分析をしていないのは普段着のまま準備無く山登りに行くような愚かな行為です!
投機投資ついての定義、【ビジネスモデルの理解】が曖昧だと、この後の企業分析の主旨が正しく伝わらないかもしれません。
【企業の実力】に対する分析の先に存在するのが今回の記事になります!
 
この企業分析シリーズの前記事を読んでいない方は先にそちらを参照ください。
ー11皿目『企業分析のやり方その0 投機投資の違い』ー
12皿目『企業分析のやり方その1 ビジネスモデルを理解する』ー
ー13皿目『企業分析のやり方その2 企業の実力を分析する』ー
 
そういうことで今日の議題はこちら!

Q、あなたの投資企業が好調なのはたまたま?それとも実力?

この企業分析シリーズはこれで一旦完結します♪
好評頂けているようで大変嬉しい限りです<m(__)m>
さて、11皿目の投機と投資の違いにおいて下記のように述べました
企業のポテンシャルで見た時には足元の業績が悪くても、中期~長期(2年~7年)では問題なく成長することが出来る企業はたくさんあります。
そもそも企業の8割以上(体感)はマクロの影響を受けて決算が増益や減益になるものです(消費行動=商売なのだから当然の原理)
株価は企業の本質的な価値を必ずしも表してはいません。
ここでの『本質的な価値』についての議論の重要なポイントは時間軸(何年後か?)の設定にあるのです。
『数年後の業績で考えたら今の株価はとびきり安い!!』
企業分析をして描いた『絵』が数年後に実現できるかを楽しみに待つのが【投資】です
【そもそも企業の8割以上(体感)はマクロの影響を受けて決算が増益や減益になるものです(消費行動=商売なのだから当然の原理)】
※大事なことなので2回言いました。
 
上場企業は3700社あります。このうち皆さんは何社知っていますか?
古今東西『上場企業』とか投資家でやってみたら面白そうですよねw
 
上場企業の中でマクロの影響を無視して成長が出来るなんていう化け物は圧倒的に少数です。
ほとんどの企業は程度こそ差があるものの市況影響を受けます。
【市況影響の例】
  • 景況感(好景気・不景気。個人・企業の財布のヒモの緩さ)
  • 為替影響(円安・円高で輸出・輸入の企業への影響&訪日外国人の人数に影響する)
  • 住宅着工件数(マンションや戸建ての動向によって建設や不動産セクターに影響大)
  • 土地価格の上昇・下落(不動産ビジネスにおいて重要!安く買って高く売る時に地価も上げれば2倍美味しい)
  • 設備投資金額(製造装置を作っている企業はここの影響が大きい。とはいえこのデータは遅効性データ)
  • 様々な原材料価格(製造業にとっての原価、幅広い業種でここが上がると間接的に影響がある)
  • 原油価格(電気を作るのも油だし、車が走るのも油、まだまだ人類は原油価格の影響を受ける)
  • 物流費や人件費(ヤマトを始めとした運送費上昇でBtoCのEC事業会社の多くが下方修正、飲食店などでは働き方改革含めた人件費上昇でダメージ)
  • …等々
書き始めたらキリが無いほどに企業活動には様々な数字が絡み合っています。
めっちゃ高成長しているグロース株!!だと思ったら市況影響を大きく受けていただけでしたーーー!
ってことは凄く沢山の事例が有ります。2017年に個人投資家に大人気になって株価が3倍以上になった銘柄が2018~2019年に-50%以上の銘柄は大体そうだったって思ってまず間違いないと思います。
 
13皿目の『企業の実力を分析する』で書いたようにぶっちゃけ営業利益率が低い企業は時間を掛けて分析しても市況の変化、つまり前提条件が少し狂うだけで赤転してしまうので、投資企業としては選びにくいです。
同時に『現時点は利益率が低いけど、これから高利益率に化ける!!』という企業は達成難易度の高さに応じた高いリターンを投資家にもたらすでしょう。
ここら辺はそれぞれお好みで臨めば良いと思います。
また、市況影響には数字的なものだけではなく、法律の変化や制度変更を含みます
⇒働き方改革
⇒キャッシュレス
⇒行政ルールの変更、法律の施行
などなど、の市況環境の変化も踏まえて企業分析をすると思わぬケガをせずに済むかもしれません
シクリカル影響で高成長している株をグロース株と勘違いするのは定量分析(前期比2倍の増益!とか)を鵜呑みにし過ぎで定性分析の甘さが一番の原因だと考えられます。

市況影響のどれが最も大きく影響する?

↑で沢山書きましたが投資する企業が飲食店経営の企業であれば今だと『働き方改革』が一番のポイントになってくるでしょうね!
飲食店のコストにおいては人件費のウエイトは上位を占めるものです。サービスの価値を決めるのも人だし、お店が儲かるかもその人件費に掛かってくるのです。
 
今どき残業100H×ワンオペ×やっすい時給でバイトを深夜に働かせるようなことやるとすぐに『ブラック認定』される世の中になりました(笑)
ブラックでやっていた企業では必然的にバイトや正社員の人数を増やさないといけません。
 
それによってバイトや正社員を採用するための求人広告費用が増え、新人研修時間が増える。でも売上はそれに対応して増えることは考えにくい。
むしろ新人が増えることで一時的にサービスの質が落ちる事もあるし、離職率も飲食業は高いのでこの一連の作業は今後も変わらず続きます。
 
会社の期初予想や中経に
『弊社は従来ワンオペで店舗を回してきており、その体制により他社よりも人件費を大きく抑えて利益率も10%でしたが、「ブラック!ブラック」と言われたのでそれを解消するために今後は人員配備を厚くします。この施策により人件費が激増し利益率が5%になりますが、株主様にはその分負担して頂きたく思いますのでよろしくお願いします』
…なんて絶対書いてないからねw
万が一にも正直に書いてあったとしてもそんなこと書いちゃう時点でアカンの確定だからねw
 
別に企業が不誠実な事をしていると言いたい訳では無くて、企業の運営においてどこかに強いストレスが絶えず発生していれば、どこかでそれは爆発してしまいますよって事が言いたいんです。
これはPLとかBSだけ見ても中々気付くことが出来ません。
利益率が良くっても、何かしら無理をして成り立っているならそこには大きなリスクがあります
高齢者に対して解約しにくい商品売っていたりとか、利益がめちゃ出てたくさん税金払わないといけない人が買うと損失扱いになって税金が減る節税商品とか。
投機でこういうのに入るならそこまで影響は受けないとは思います。
しかし、投資で入る場合はあらゆるリスクを『一般常識』で考える事が大事です!!
特別な知識や素質はこういう判断には要らないんです。
森を切り拓いて太陽光パネルを並べると利回り8%くらいになるんです!
実際の売電価格で計算すると利回り1%くらいなんだけど、この足りない部分は時限的に国が補助してくれる素晴らしい制度があるんですよ~
その足りない分の7%のコストは日本国民全員が払う電気料金にしれーっと加算されてるから問題ありません。
「今後もこの制度は一生続くからこのビジネスは儲かりますよ!!」
ってなる訳ないやんwww
上の文章は「FIT制度」の説明です。当然ながら制度改定入りました。
 
儲かる瞬間はどこにでもあります(当事者でも株式でも)そこでBetするのは問題無いと思います。
しかし、常にそこに潜むリスクを考える事を辞めてはいけません。制度や知財や戦略を駆使しても100%絶対はありません。
ましてやそれが簡単でしかも儲かるのが他者から見ても明らかならばプレーヤーの増加や利権への反発が起こるように上手く出来ているのが資本主義です。
そのリスクに対しての備えや対策をしている企業かを分析することが重要なのです!
 
 
ある企業の業績が好調だとして、一体なぜ好調なのでしょうか?
今の市況環境はその企業にとってニュートラルな状態なのか、好都合なのか?果たして不都合なのか?
 
定量分析と定性分析はどちらか片方だけではいけません。
理由を考えることが大事です!
背景を想像することが大事です!
それが未来を想像することに繋がります!
投資家とはリスクを冒して企業に資金を投下してリターン(業績の分け前)を頂く職業です。
同じ投資家でも、知識と経験と見識を積んだ賢い投資家にぜひともなりたいですよね♪

経営者の重要性

企業のTOPである代表取締役社長(CEO)というのは非常に大きな意味を持ちます。
従業員数が少ないほど代表の価値は高まります。
さらに端的に言ってしまえば、時価総額が小さい企業ほど社長が全てです。
大げさに聞こえたかもしれませんが、事実そうなんです。
企業成長というのは売上を増やすことです。去年より今年、今年より来年と増やすのです。
売上を増やすために最初に増やすのはコストなのです
  • 店舗数を増やす(地代家賃+人件費+出店費)
  • 生産数を増やす(設備投資費用+原材料購入+設備を置く土地)
  • 契約数を増やす(営業人件費+販売促進費や代理店費用などのキックバック)
  • 販売価格を上げる(付加価値を付けられるブランディング費用+新商品開発費+広告費)
頑張ったら売上が増えるのはサラリーマンなんです。
残業したり、バイトとかして頑張れば売上(給与)が増えます。
企業経営は頑張っても(コストを掛けても)結果が出るとは限りません。
しかし、ここで大事なのは頑張ることが出来ない(コストを掛けれない)経営者に企業成長は引き起こせないことです。
コストを上げるとコケた時に非常にピンチになります!
非上場企業の多くはなるべく税金を払わない程度の利益に抑えるような『ほどほど経営』をしていることがほとんどでしょう。
ですが、【上場した以上はガンガン稼いで従業員に給与、株主に配当を還元して国には税金を払う】
事が社会的責任であり、使命であると私は思います。
その上で創業者も個人的な資産を築いて豊かになって欲しい。
経営者が野心的であり、ビジョンを持って『リスク(コスト)』を掛けられなければ高成長はまず期待できないでしょう。
企業(経営者)がリスクを取ることで失敗してしまうこともあるでしょう。
ここで、投資家がすべきことは失敗した企業に野次を飛ばすことではありません。
※そもそも勇気を出して挑戦して失敗した人に野次飛ばすなんてダメですわ!!そんな事我が子がしてたらお説教もんです!!「ドンマイ!次は上手くいくよ!」って声掛けるもんですよ。
まあ、とはいえ投資家がすべきはあくまで『投資判断』です。
 
失敗してもそれで終わりではありません。物語は続きます。
企業も失敗で一つ経験を積んで成長するわけです。
企業が失敗すれば株価は売られるでしょう。
  • 株価が安くなった=企業価値が安くなった=市場の期待ハードルも下がったと言えます。
さあ投資家として判断を下しましょう!【買いか売りか】の判断を!
 
株式投資ってのは金稼ぎです。
相場は非情であり、キレイごとでは稼げません。
とはいえ、証券コード4桁で買ったり売ったりするそこには【人】がいるんですよ。
上場企業ってのには何かしら世の中を変えたいって【想い】があるんですよ。
おんなじ金稼ぎするなら投機でただ利ザヤを稼ぐんじゃなくて、しっかり地に足付けて前向いて懸命に頑張ってる企業に投資して稼ぎたいって思うんです。
 
投機には投機の楽しさがある。投資には投資の楽しさがある。
 
私にはFXや先物とかで金を稼ぐより、色んなことを考えさせてくれて、その思考そのものが人生まで豊かにしてくれる【株式投資】ってのをもっと広まってもらいたいと切に思います。
人は人でしか磨けないもんだと思います。
最近は一般企業の業務でも数字ばっかりに目が行くようになっていて、プロセスや数字の背景に関しての定性分析、もっと簡単な言葉で行くなら気遣いや配慮なんかもそうしたものに含まれるんですよ。
そうした数字では無いものがおざなりになっているような気がしていて、、、
【人は宝】なんです。
 
経営者でそういう事が分かっていて、でも定量分析もきちんとやれる方がいます。
そうした方はホントに素晴らしいです。
社長に会った後にーそれだけで買っても大丈夫なんじゃないか?ーとさえ思う時もあります(笑)
それくらい経営者ってのは重要です!!!
企業IRや株主総会はそうした社長に会う絶好の機会です!!
投資をしているなら社長に会える機会があれば遠征でもして会いに行く価値はあると断言します♪
 

ー企業分析の一連の流れはマスターしましたか?何も見ずに暗唱出来たらマスター出来てます-

成すべきことをきちんと積み重ねていきさえすれば、運用能力は必ず上達します!!

【かぶざんまい!!】では自信と勇気と気付きと学びと安心とリテラシーとその他色々お届けしていきますのでよろしくお願いします♪

Q、あなたの投資企業が好調なのはたまたま?それとも実力?