一旦は終息したCOVID-19 by yamamoto

相場的には収束したCOVID-19

世界中の経済が感染予防のためストップした。投資家は先行きを不安視し、絶望しています。しかし、一旦、相場的はCOVID-19を織り込んでしまった。経済の停滞も失業の上昇も織り込んでしまった。

想定以上に手強い敵ではあったが、その理由は、感染者のほとんどが軽症者と無症状者であることであった。

通常、ウイルスは重病者の方がその量が多い。そしてWHOも当初は感染者の98%の者は発熱する。無症状ということはないと考えていた。ところが各種調査によって、感染から発症まで多くの日数を費やすことや、発症までの間のウイルスの増殖が上気道で起こり、それが大きな発声を伴うと飛沫感染することがわかった。ウイルスにとって都合の良い3蜜の条件が揃うと感染力が増すことがわかった。当初マスクは症状のない者は必要ないと思われていたが、そうではなかった。マスクを着用することが飛沫量を抑えるため、必須のことであることがわかり、ディスタンスも取らなければならないことがわかった。こうした厄介な病気であるため、たとえ無症状であっても、発症する前段階と考え自宅待機をしなければ感染は完全には予防できない。ところが自宅待機をすれば経済は大きな影響を受ける。感染はずっと続く。そうなると出口が見えない。人類は負けたかに思えた。

BCG予防接種が免疫力を高めた

https://www.cell.com/cell/pdf/S0092-8674(17)31511-8.pdf

CELLという権威ある雑誌に2018年上記の論文が掲載された。BCGが自然免疫力を高めるという結果だ。BCGは結核の予防接種であった。1921年に導入され40億回も接種された安全なワクチンだ。このBCGが免疫力を向上されるという結果を受けて、欧州では改良ワクチンの臨床実験が始まっていた。そして、3月28日は、このBCGに夜免疫力の効果について統計的な有意を持って示した論文が掲載された。

https://www.dropbox.com/s/2776vwvkmh06aw6/BCG_COVID_19_2020.03.24.20042937.full.pdf?dl=0

確かに、BCG予防接種を長期に渡って義務付けている国とそうではない国とでは人口比の致死率には20倍の差が見受けられた。

このことは致死率を1/20に下げる効果のあるワクチンを日本ではすでに全国民に接種しているということであり、1947年に導入され、1951年に義務化されたということからは、69才以下の国民の致死率が大きく下がるかもしれないという期待を持たせる論文であった。確かに、70以上の高齢者はワクチンを打っていない。日本における死者の9割は70以上の高齢者であった。ワクチンは最低でも18ヶ月かかると思っていたが、もうあったのである。ちなみに日本は結核のまん延国である。年間二万二千人が罹患する。二千人を超える方々が結核で亡くなる。空気で感染し、3密で特に無症状の若者が感染源である。BCGを改良したワクチンや治療薬が開発されているが、現状で、結核菌が耐薬品性をもち、特効薬はない。

  結核 COVID-19
ワクチン BCG (完全には防げない)

BCG (完全には防げない)

特効薬

なし

複数の薬を一定期間服用

なし

アビガンなど複数の薬で

処方性を確立中

死者と感染源

日本で年間2000人を超える

3密で無症状の

若者でから空気感染

死者は年間100人を超える

3密で若者から主に飛沫感染

アビガンへの期待

白木公康先生らが開発したアビガンが量産に入る。治験の結果は概ね良好だそうだ。

これでさらに致死率が下がるだろう。特効薬はなかったと思われていたCOVID-19であったが、実は「あった」のだ。

医療体制の確保

日本はイタリアや米国などと比べると幸運であった。病床数も概ね確保した。医療崩壊はなんとか防ぐことができそうである。国民の行動変容が求められる。手を頻繁に洗える環境とマスクの着用とよく眠ることで自然免疫がウイルスに勝るであろう。

空前絶後の景気対策

安倍政権の100兆円を超える景気対策が発表された。空前絶後。空売り屋は丸焦げだろう。

非常事態宣言で都市部の経済が減速

仕事は通常通り。学校も多くの地域で再開された。紆余曲折はあるが、相場的にはCOVID-19の狂想曲第1章は終わったと思う。世界のCOVID-19の患者数はピークアウトした。4月3日に10万人が二日連続で大幅に減少し、4月5日は7万人台である。日本においても三連休の気の緩みから東京都が連日100名を超えてしまったが、ようやく非常事態宣言を決断したことで、相場はあく抜けした。6ヶ月の猶予を持って自治体が期間を定めると本日の引け前にニュースが伝わると日経先物は買われた。株式市場は、人類敗北のシナリオを放棄しつつあると思われる。

今後の展開

狂想曲第1章は終わった。第2章はどうなるのか。まだわからない。ただし、景気敏感株を中心に株価は暴落した後だけに、徐々にVIX指数が低下し、経済活動がおっかなびっくり再開されるに連れて、景気も上向くであろう。SAR-CoV-2ウイルス主役の狂想曲は第1章で終演するかもしれない。経済を落とさない努力もまた、自殺者を増やさないために重要であろう。相場的には終息したが、次は実体経済をどう立て直すか。どう病気のまん延を防ぐのか。二律背反することを同時に解決するのは人類の得意技です。細分化と弁証法。これにより人類は未来を切り開いてきた。今回も勝てるはずである。

Together We Can All Win! 

わたしたち家族と友人は先週の金曜日、屋形船を借り切った。屋形船より撮影した写真が以下。お台場の東京2020の五輪マーク。来年開催されます。スカイツリーからはメッセージが流れました。

 Together We Can All Win! と。私の意見は少数派です。ご自身でリスクはご判断ください。この

コラムは私の自分自身への備忘録として書いています。

その他

Posted by 山本 潤