7367 セルム 決算・中期経営計画の修正 ショートインタビュー (2022年3月期決算)

2022年5月13日に発表した2022年3月期決算と中期経営計画の修正について ショートインタビューをしました。

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<2022年3月期業績について>

Q.2022年3月期の業績について

大幅増収増益でしたが、その背景を事業別・顧客別で教えてください。

A.

人材開発・組織開発事業
 大手顧客市場:今回、主要KPIの一つでもある「人事部以外の事業部門との取引数」が前年32部門から約3倍以上99部門と3倍以上に成長しました。大手企業の経営から人事部に落ちる施策のみならず、事業部門の課題からもビジネスを作ることができました。多くの部門に入り込めば込むほど、全社のあらゆる事業に精通した弊社のアカウント担当が別の部門とつなぎ合わせて企画を練り上げ、顧客の信頼を勝ち得ることができます。結果、上位150社の1社あたり平均年間売上も過去最高の3140万円まで伸ばすことができ、大企業1社あたりの深堀が確りできた1年だったと振り返ります。(P22、P23)

 

 準大手顧客市場:上記の大手顧客市場が「深堀」がテーマであれば、準大手顧客市場は我々にとって新規に開拓しているマーケットです。昨年の56社から67社へと新規顧客の獲得が進んでおります。このマーケットの特長は、大手企業より限られた経営人材候補者を対象に、サクセッションプラン、個別の役員毎の経営課題、人事部機能そのものの強化を目的とした支援を、全て包括的にセルムでと依頼されるケースも多く、トータルで顧客を支援する方程式が確立できつつある領域です。(P23,25)

ファーストキャリア事業:弊社が経営人材、ミドル、若手とあらゆる層の事業を手掛けており、経営トップから同じコンセプトで若手向けの人材開発もセルムにお願いしたいと言われる領域です。若手向けの人材開発は競合も多いレッドオーシャンになりやすいセグメントですが、昨年度まで控えられていた研修投資が戻ってきており、その際にでもセルムの高いサービス提供力と信頼をベースに取引が進み、ビジネスが好調に推移しました。

 

Q.採用について

第4四半期に人材採用体制強化の投資をしましたが、計画通りに採用が進みましたか?

A.

採用の強化の目線はFY2021というより、FY2022以降の中期経営計画を見据えてのものです。
FY2021はトップラインが期首計画よりも堅調に推移した一方、そのトップラインを支える業務リソースを確保する即効性を加味し、社内のオペレーションそのものを見直し、外部の業務委託のリソースに切り替えるなどして生産性を上げています。ここでいうFY2022以降を見据えた人材採用体制強化の具体を申し上げますと、外部の業務委託を活用した採用の専門チームを立ち上げており、特に第二新卒や中途のフロント人員の採用を加速させております。エージェントリレーションやダイレクトリクルーティング他、獲得チャネルを多様化して強化しております。現在約100人いる連結営業人員をトップライン同様10%純増させる計画です。

<KPIについて>

Q.1社あたり平均年間売上高について

1社あたり平均年間売上高はコロナ感染症拡大前を上回っています。
コロナ禍の影響を考慮して抑制してきた反動コーポレートガバナンス改定のどちらですか?または両方ですか?

A.

両方だと考えております。今後1社あたりの深堀を強化する上ではコーポレートガバナンスで想定されている、次世代経営人材の発掘は、社外取締役からの健全なプレッシャーのもと益々自社らしい候補を見つけていく説明責任が増していくと考えております。特に弊社がこれまで得意としてきた売上1兆円規模の大企業顧客群はもちろんのこと、資本市場を意識して経営ガバナンスを構築している上場企業であれば、どこも共通のペインとなるため、弊社にとって追い風のトレンドと考えています。

Q.経営塾の年間実施社数について

 前期比で増加していますが、コロナ感染症拡大前を下回る水準です。まだ慎重な企業が多いのですか?

A.

経営塾は「次世代の経営幹部」を対象に発掘する仕組みですが、「現経営陣」が抱えている課題に対する経営メンタリングも同じ経営幹部向けサービスとして好調であり、アフターコロナを見据えた時間軸では現経営陣の需要が強かった年だと考えております。他方、我々の将来の売上に繋がる先行指標の位置づけとしては次世代の経営幹部と多くの接点を作ることも大事なので、ここが90社台に戻ってきていることは、今後の企業の投資姿勢が強まることを示唆しており、我々としても引き続き追っていくKPIの一つです。

Q.経営塾の潜在顧客企業数について

ニーズが強いと思いますが、潜在企業数はどの程度あると考えていますか?

A.

潜在的市場規模の根拠としてガバナンス志向の高い上場企業の代表例として、1/3以上の独立社外取締役を選任している上場企業が日本では2,172社いる中で、弊社のビジネスの価値を実感していただく最優先のマーケットはこの2,172社とそのグループ会社であると考えております。

Q.人事部以外の取引数について

人事部以外の事業部門の取引部門数の伸びが顕著ですが、理由を教えてください。顧客の動向の変化、御社の営業方針や体制の変更などもありますか?

A.

HRBPと呼ばれるいわゆる事業部に戦略人事のポジションを作る顧客企業側の動きが顕著です。これは昨今の人事制度上の基準や企業の全体方針に則る全社横断的な本社人事とは異なり、目まぐるしく日々変わる現場の課題に合わせ、事業/機能責任者や現場社員とのコミュニケーションを通じて、事業戦略を「人と組織」の観点から課題解決をリードするHRBPの役割が大企業の中でも重要視されるようになっています。そんなHRBPのポジションは「事業」と「人・組織」をセットで課題認識する存在であり、研修枠や自社コンテンツありきではないテーラーメイドでソリューションを作り上げるセルムととても相性が良い存在です。大企業の各事業部に散らばるHRBPがセルムをプラットフォームとして使いこなすといった事例が多く出てきておりますので、我々のビジネスの価値を体現していただいている存在が大企業に増えていると考えております。

<2023年3月期計画について>

Q.2023年3月期の計画の内訳について

人材開発・組織開発事業とファーストキャリア事業に分けての開示はありますか?
人材開発・組織開発事業がけん引するという認識でよいでしょうか?

A.

事業別の内訳はございません。中期経営計画の3年スパンで考えた際に両事業とも重要ですが、KPIを公表しております人材開発・組織開発事業が経営インパクト上大きなウェイトを占めるため大きく成長させていきたいと考えています。

<中期経営計画について>

Q.中期経営計画でけん引する事業について

中期経営計画で業績をけん引するのは、”人事部以外の部門向け””準大手顧客向け”ですか?

A.

両方です。顧客の深堀については潜在市場規模でも述べた通り、年間売上高を10倍にするポテンシャルがあると確信していますので、その重要な要素である人事部以外の事業部門との取引を今以上に拡大させていくことは大事です。もう一方、大手企業とは違う規模感のマーケット開拓により、顧客数を増やすことも非常に大事であり、深堀と開拓をFY2021同様両面追っていくフェーズだと考えています。

 

Q.KPIについて

中期経営計画の最終年度でのKPIはそれぞれどの程度になる想定ですか?

A.

準大手市場顧客は毎年10社を継続して獲得することを見込んでいます。それ以外のKPIは先行指標的な意味合いがより強いKPIです。より具体的には魅力的なフロント人員を中途で採用し、その効果をもとにこれらのKPIの成長も実現していく計画ですので、FY2022の前年度比成長率よりも年度毎に加速していくイメージを持っています。

Q.ファーストキャリア事業について

ファーストキャリア事業は中期経営計画の中でどのような位置づけになりますか?

A.

若手向けビジネスパーソン領域はいよいよ売上10億台以上を継続して構築する人材開発・組織開発事業に次ぐ柱の位置づけです。

Q.リスク要因について

中期経営計画を達成する上で考えられる主なリスク要因を短期と長期で教えてください

A.

短期:採用と育成の強化の遅れ。フロント人員を採用していく前提でおります。採用と育成の強化が遅れると後半のトップラインの成長に影響が出る可能性があります。
長期:景気動向。弊社は大企業を中心とした顧客ポートフォリオであり、現時点では大企業の経営人材育成については非常に根強い需要があるものの、それでも大企業のあらゆる投資予算をカットせざるを得ないような状況が出てきた場合はリスク要因となる可能性もあります。

決算インタビュー

Posted by ono