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2018年12月28日

12月17日に以下5件の重要な開示がなされたので、リリースを読んでの私のコメントとなります。

〇東証1部指定

2018年12月25日をもって東証一部に指定されることとなった。

 

〇株式分割の発表

2019年3月31日に普通株式1株につき、2株の割合をもって分割する。

 

〇株式会社ロペライオソリューションの買収

株式会社ロペライオソリューションは、主に中古輸入車に対してのワランティを提供する事業を行っており、同社とは違う販路を持っており、買収によりシナジーを発揮できると判断した。
直近の2018年7月期の業績は売上9億93百万円、営業利益178万円。
業績に与える影響は軽微である。

 

〇譲渡制限付き株式報酬としての新株発行

発行株式数 103,600株、発行価格4,120円、発行総額4億28百万円。
ただし、発行価格に関しては、発行価格を決定する日として2018年12月26日から28日のいずれかの日の終値が4,120円を上回った場合、条件決定日の直前取引日の終値とする。
今回の譲渡制限付き新株は、従業員204人に対して割当。
社員に経営参画意識を高める目的でストックオプションを発行した。

 

〇行使価格修正条項付き新株予約権の発行について

割当予定先を野村証券とした第三者割当による行使価格修正条項付き新株予約権の発行を発表した。
いわゆる行使価格が変動するMoving Strikeワラントとなる。
この手法を選択した理由としては、公募増資により一度に発行した場合と比べ、一度に資金調達ができる一方で希薄化の影響を一度に受けてしまうが、今回は行使価格修正条項付き新株予約券とし、影響を和らげる狙いがあったようだ。

行使価格は、2019年1月17日以降の行使請求通知が行われた前日終値の91.5%に修正される。ただし、修正後の終値が下限行使価格を下回る場合は、下限行使価格が修正後の価格とされる。下限行使価格は、2,884円である。新株発行による潜在株式数は70万株で、発行済み株式総数が606万株であり、希薄化は11.55%となる。
今回の新株発行による資金調達の額は28億86百万円(ただし、この金額は発行決議日の直前の東証終値を行使価格で全ての新株予約権が行使されたと仮定したものである。実際の資金調達の額は株価の変動に応じて増減する)
行使可能期間は2019年1月17日から2022年12月14日。
同社による行使指定や行使停止条件付きとなっている。また条件付きで割当予定先から同社に対し本新株予約権の取得請求もできるものとなっている。(詳細は会社のリリース参照)

今回調達予定の28億86百万円の資金使途であるが、既存事業の拡大に向けた投資に10億円、国内外の事業領域の拡大や将来のM&Aに向けて18億86百万円としている。
具体的には、営業拠点数や自動車整備工場の拡充や営業人員の増員を予定している。
また、自社ブランド自動車整備工場「FIX MAN」の国内外での投資やオートリースの開始に向けたシステム投資に充てる予定だ。

今回の行使価格修正条項付き新株予約権の発表により、本日(12/18)の株価はストップ安となった。希薄化自体は11.55%であるので、それ以上の下落率となっている。
全体相場も弱い中で、実質の内容以上にネガティブに見られた可能性もある。
MSワラントは、一般の公募増資よりも価格が引受先に有利に働きやすい傾向にあるため、既存株主からすると、資金調達の額が固定されない一方で希薄化の率は変わらないので、ネガティブに捉えられたのかもしれない。
今回の調達資金で希薄化した既存株主の利益を着実な業績でしっかりと成果を示すことが求められる。

2018年12月28日銘柄研究所

Posted by 矢野