6566 要興業アップデートレポート(2018.3期決算)

2020年2月26日

サマリー

決算は増収増益だった。

しかし、今期の会社予想、特に利益予想が営業、経常利益とも-30%近くの減益予想だったため、株価は大きく下落した。

業績の回復は、顧客への価格転嫁要請がどの程度スムースに進むかにある。

エントリーを検討しているのであれば、1Q決算まで待つのが良い。「顧客への価格転嫁の進捗」と「廃プラの処分費トレンド」がどうなっているかがポイントになる。それはIRに聞けばわかるだろう。

損切も1Q決算まで待つほうが良い。会社予想(予想と言うより目標に見えるが)はポジティブだし、会社の競争優位は揺らいでいないからだ。

(廃プラスチックの動向についてはここに随時追加するか、分量次第では別レポートとして発表するつもりである。)

全体レポートはこちらをご覧ください。

会社発表の利益、売上高予想

売上、利益予想

(百万円単位) 2018.3 2019.3 % 2020.3 % 2021.3 %
売上高 10,811 11,016 1.9 11,615 5.4 12,122 4.4
経常利益 1,113 739 -33.6 873 18.1 1,087 24.5
純利益 739 483 -34.6 574 18.8 723 26

 

中国が廃プラスチック類の輸入を制限し、総輸出量の約85%が日本から輸出できなくなった。

このため2018年3月期は国内に還流した廃プラスチック量が増加し、国内での処理施設における処理費用が増加した。これにより原価が増え、経常利益と純利益が減った。

決算説明会で発表されたのは経常、純利益とも急激に回復する予想。これは、顧客に価格転嫁を要請しそれが徐々に進んでいく、という前提のもの。

セグメント別売上高予想

(百万円単位) 2018.3 2019.3 2020.3 2021.3
収集運搬・処分 7,281 7,726 8,190 8,633
リサイクル 1,445 1,212 1,284 1,347
行政受託 2,083 2,077 2,140 2,140

 

発表されたセグメント別の売上高予想は、リサイクル事業以外は順調。

収集運搬事業は収集現場数が順調に積み上がっている。

行政受託事業でやっているようなことは当社が先駆的に行ってきたことなので、藤井社長 によれば「他社ができないこと」らしい。

 

廃プラスチックは今後どうなるのか?

国内に還流している廃プラスチックについては中長期的には

  • 他国へ輸出される
  • 行政が介入する
  • 処理できないのでゴミとして埋める

などで、ダブつきが消化されると考えられるが、当面はどうなるかは不透明。

2020年2月26日銘柄研究所

Posted by 古瀬雄明