6294 オカダアイヨン 決算フォロー by Ono

2018年12月27日

 相場のボラティリティが高まり、短期的にバリュエーションの高い企業や、
決算発表を受けて株価が下落する企業も増えてきました。

私たちがWEBサイトで発表している企業についても同様です。
決算を受けて株価が大幅上昇した企業や反対に大幅調整を強いられている企業も。

今回は中でも大きく売られた企業についてフォローレポートを書かせていただきます。

6294 オカダアイヨン
これは前回の”みんなの運用会議”で私から発表させていただいた企業です。

以前のレポートはこちらです。
https://double-growth.com/6294okada_aiyon/

まとめ
・一時的な要因が重なった
・来期を見るとプラス要因もある
・国内事業が成長をけん引できる状況に変化なし

2月15日の終値が1,512円
時価総額110億円

発表された決算を整理します。

2月9日に発表になった第3四半期決算は
(単位:百万円)
売上高 10,715(前年同期比+16.6%)
営業利益 945(同+21.7%)

業績の修正を発表しています。
売上高 14,000→15,300(前期比+16.7%)
営業利益 据え置き 1,250(同+12.9%)
最終利益 810→630
営業利益を据え置いたのは、買収した南星グループののれん償却、アドバイザリー費用などを
織り込んでのもの

予想に対する進捗率は
売上高 70%
営業利益 75%

〇一時的な要因が重なった

株価下落の要因は2点あったと思われます。
その2点とも一時的な要因です。
確認しましょう。
①想定外であったこと
 特損の計上
 得意先の民事再生適用により特損2億円を計上
 これにより通期予想が増益から最終減益になりました。
 取引先が減ったわけですが、現状納期に間に合わないくらい受注を受けている状況にあり、
 売り上げが落ちるということではありません。売り上げへの影響はほぼないと考えてよいでしょう。
 来期は特損がなくなります。

 *売上への影響はほぼないとは書きましたが、
 倒産というのはとても残念なことであります。
 かかわった方のことを考えると、”影響がない”などと喜んでかけることではありません。
 同社にとってもお得意様であったわけで、
 IRの方に確認をしたときも、少し神妙な感じでお答えいただきました。

②海外の鈍化(に見えたこと)
 海外事業は
 売上高 2,102(前年同期比+28.8%)
 営業利益 353(同+71.5%)
 と高い成長を達成している。
 しかし、3Q単独では営業利益率が10.8%と2Qまでの営業利益率19.1%から
 半分近くに落ち込んだように見える。
 2Qまでの営業利益が前期比倍増ペースであったため、
 ネガティブにとらえられたのでしょう。

 海外事業は例年秋ごろまでは活況ですが第3四半期からは鈍化する傾向にあります。
 しかし、今期は第3四半期にも仕事は続いています。
 3Q単独比較で
 売上高+15% 
 セグメント利益+11%
 と好調。
 欧州に出張所をだすなど先行投資の状況ですが、
 現在、投資ステージですが好調で少しずつ成果が出てきています。

〇プラス要因もある

 プラス要因は”のれんの縮小”と”来期の数字がイメージできたこと”
 今期、南星グループを買収しました。
 当初
 買収金額8億円
 純資産3.3億円
 のれん4億円を5年で償却する計画であったが、実際ののれんの計上は約2億円でした。
 不動産評価益、保険の含み益などがあったため、
 約2億円を圧縮することができました。
 今後のれんを5年間で償却するうえで年間4千万円程度の費用圧縮ができたことになります。

 また、第3四半期は3か月分の連結で売上高7億円でした。来期は通期寄与となるため
 大幅増収となります。

〇好調な状況に変化なし

全体を見て好調な事業環境に変化はありません。
 国内についても見ておきましょう。
・順調な国内事業
(単位:百万円)
売上高 8,114(前年同期比+4.4%)
営業利益 642(同+12.5%)
活況な都市開発を背景に案件が豊富にあり営業利益率が高まった。
セグメント売上高営業利益率は
2Qまでの7.7%から
3Q単独では8.4%と高い水準を達成している。
前述の通り、納期に間に合わないような高水準の受注状況です。

〇財務内容から見えてくるもの

おまけで財務内容について一言だけコメントすると、
買掛金:2,454→3,563
増加しています。
受注に対して部材が不足しており、積極的に仕入れていることを表しています。

南星グループはほぼ在庫を持たず、スリムな状況で買収しており、
財務の拡大は主に自社の好調な状況によるものです。

以上、引き続き長期的なスタンスで応援したい企業であります。

2018年12月27日銘柄研究所

Posted by ono