4242 タカギセイコー 取材メモ  by yamamoto

2018年12月27日

タカギセイコー 4242 MC 101億円 @3755 2018/3 S 505億円 OP 24億円 NI e11億円

事業内容

樹脂成形部品の製造販売(約8割強)と樹脂成形用金型の製造販売(約2割弱)を手がける。 金型の売上計上について、過半は、販売24回(2年間)の分割で売上に計上する。 残りは一括で売上計上。

樹脂成形部品については、車載向け、特に四輪が主力。 同社の強みは、高速スタンピング成形という工法である。

特徴ある製品は、決算説明会資料(17年3月中間期)の32ページの左の写真にある通り、 ホンダ向けのバンバービームである。

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とくに、バンバーは衝撃を吸収するために、一定の力まで耐え、一定を越える力でちゃんと壊れるというものが望ましいのだとか。 その点において、熱可塑性樹脂は用途に合うという。ただし、加工は難しいという。 これにより、従来の鉄製のバンバービームの重さが半分となり、今後、燃費や二次電池の重さがネックになるEV向けへの採用が期待される。

タクトタイムにはまだ改良の余地があるという。 ガラス繊維よりも高価なCFRPの用途開発はこれからだという。 熱可塑性樹脂とガラス繊維との複合材の一括成形は難しいかったが同社は世界で初めて成功した。

以下、ホンダのHP等を参照。

「株式会社本田技術研究所 様が「第67回 自動車技術会賞」の「技術開発賞」を受賞されました。

「第67回 自動車技術会賞」2017年5月

●技術開発賞 ・受賞テーマ「熱可塑性ガラス繊維強化樹脂を用いたバンパービームの開発」 (株式会社本田技術研究所)

詳細はHonda WEBにて

-Honda HPより-

環境負荷低減や運動性能向上のための軽量化要求に応えるため、 軽量で生産性が高く、衝撃吸収特性に優れた熱可塑性ガラス繊維強化樹脂を、 効率よく活用する技術を構築した。 本技術では、ガラス連続繊維の破断を利用することで樹脂特有の環境温度に対する性能変化を低減し、 また複数の材料を型内成形する際の材料の振舞を明らかにした。 それらにより、コンプレッション成形時に生じる繊維配向の偏りや繊維の湾曲などの安定化が図られ、 材料の特性を効率よく引き出すことができた。 さらに、世界初のショートプロセスハイブリッド成形技術によるプロセス短縮、 金型削減と、トリムレスによる生産性向上をおこない、 軽量材料活用と生産性の両立を実現した。この技術を量産車のバンパービームに適用し、 部品の一体化を含めて46%の軽量化を達成したことは高く評価される。」

国内は苦戦。海外で儲ける

樹脂成形は、国内では競争が厳しいという。 逆に、日系完成車メーカー向けは中国においては競争がなく、利益がとりやすいという。 たとえば、2017/3は、中国のホンダはヴェセルが好調であった。 

注目のメディカル新規事業

メディカル向けの新規事業に注目する。

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詳細は上記のプレスリリースを参照。

富山県支援のベンチャーへ針なし注射の使い捨て部分の樹脂部品を製造販売する。

設備投資を累計で二桁億円に近い一桁億円をすでに投資。クリーンルームを設置、製造を開始。 今後、数年で、針なし注射部品は歩留まりに問題なければ、20億円を売り上げる計画。

同社の製品の中では利益率は高い方であるという。 注射部品の個数は月産数百万個レベル。 糖尿病など、定期的な注射が必要な患者は膨大な数にのぼるため、楽しみな事業計画である。

このところの業績の回復について

過去、2015/3当時、国内事業環境は厳しく、製品によっては赤字受注だったという。 その期、リストラ。繰り延べ資産取り崩す。 人員整理もした。 2017/3の利益の急改善の理由は、こうした国内事業の固定費ダウンで赤字部門が減ったこと、 そして、中国のホンダ向けが好調であったこと、さらにレノボ向けCFRPが好調であったことが重なったという。

CFRP 将来の成長商品

CFRPは熱硬化樹脂との複合材料が一般的。東レとは20年の付き合い。10年前からレノボへこのタイプを納めている。 P35説明会資料にある通り。  

建機向け薬液タンク (尿素水 選択触媒還元システム対応)

2年程度前より、排ガス規制、ディーゼル向け。同社は回転成形でタンクを供給。 ここは大きく伸びているようだ。

総括 

単なる取材メモではあるが、事業内容について若干の説明をした。 電話取材。

 

投資を推奨するものではありません。

2018年12月27日銘柄研究所

Posted by 山本 潤