「かぶたん」サイトの年足チャートの活用 by yamamoto

[かぶたん]というサイトをご存知ですか。

株価チャートで年足が出せる珍しいサイトです。

年足が一番、企業の本質が現れるとわたしは考えております。

たとえば、技研製作所(6289)の20年間のチャートはこんな具合です。

使い方は簡単です。チャートのタブを押して、年足を選べばよいだけ。

技研製作所は20年前250円。それが20年で20倍になりました。100万円が2000万円。年金問題解決。おしまい。

成長株かどうかは、年足の陽線と陰線の数で見分けます。

バリュー株は、陽線と陰線の数が同じです。振動しているだけの株です。ですから、下がったら買い。上がったら売りと忙しい。決算の度に、はらはらどきどき。下方修正が多い。なぜならば、バリュー株だからです。

バリュー株とは、PBRが低い株を言います。PBRが低いということは、すなわち、バランスシートビジネスゆえ、資本コストが高いか収益性が極めて低く配当成長率も極めて低いかのいずれです。

バランスシートビジネスとは、お金をたくさん必要として少しだけの利益を得るストックビジネスのことです。商社のように、モノを運んできて、モノをバランスシートに入れて、そしてそれを顧客に薄利で販売する。100円で仕入れて110円ぐらいで売ると、100円の在庫投資が必要になり、どうしてもPBRは低くなります。なぜでしょうか。100円保有している商品の価値が時価で動きます。また、為替が絡むと為替の変動リスクも負う。さらに、途中で無くしてしまうリスクも負う。するとPBRは低い状態で当たり前です。銀行のようなバランスシートビジネスは100円の調達に対して0.1円ぐらいの利ざやをとります。100円貸して貸し倒れもある。バランスシートを使うから、バランスシートの毀損のリスクがPBRに織り込まれているだけのことです。

それに対して、成長株とはなにか。世の中の切実なニーズを解決するイノベーション企業です。環境問題。はい。解決。人権問題。はい。解決。ESG投資のことですよ。成長株の見分け方は単純に、10年の年足で7年が陽線で3つが陰線であれば、投資対象としては合格です。6年陽線では不合格。当たり前ですが、乱暴にいえば、世の中に必要とされる普及していく商品を有する企業が陽線が7つ以上になります。当然、過去の業績のトラックレコードよし。つまり、グローバル投資家の業績への確信度合いが高い。差別化された商品だから、利益率が高い。営業利益率が高いと、費用がブレても利益への影響は小さい。資本コストは小さい。利ざやが大きいから資本がたまる。100円の商品を売って、粗利が70%であれば、70円がどんどんバランスシートにたまる。バランスシートを使う必要がない。つまり、30円のコストのうち人件費が25円で材料費が5円とすれば、バランスシートには5円がかかるだけ。バランスシートは5円しか使わない。70円が儲かる。5円のバランスシートへの投資で70円が儲かる。

銀行と比べてください。100円の投資で0.1円が儲かる。どちらがリスクがありますか。5円の投資で70円儲かるのと。100円の投資で0.1円儲かるのと。バリュー株。かわいそうですが。わたしの個人的な意見ですが、株式投資とは成長株のことをいうのです。

バリューと成長株。収益性とESGとしても雲泥の差というのです。複利効果を信じるすべての投資家は企業の利益成長を無視できないのです。

ところが、70/5の高い収益と0.1/100の極めて低い収益の企業が、PBR3倍とPBR0.5倍で市場で取引されている。短期では株価は振動にすぎないので、短期投資家にとっては、0.5倍が安い。3倍が高いとなる。

利益率が高いグローバル成長株は為替のリスクはほぼないといっていい。

参入障壁があるから営業利益率が高い。営業利益率が高いということは、為替のリスクも小さい。なぜならば、シェアが高いから、値上げもできる。値上げしないこともできる。これが競争が厳しいと、為替の変動でライバルが値段を変えないと、自分からは値上げができない。為替が10%動いても、見かけ上の外貨債権のリスクは競争力によって全く程度が違うのです。

陽線が7つ以上。10年で。このようにフィルターをかけることで、みなさまが見ていて、気になる企業のほとんどは不合格になるでしょう。投資とは、不合格を出すのが仕事です。面白そうだな、ちょっと買ってみよう。誰々さんが面白いといっていた。ちょっと買ってみよう。そして10%下がってがっかり。10%上がって喜んで。こういうのは投資とはいえません。おままごとです。浜辺でちゃぷちゃぷ。あ!面白い貝がいたよ! ちょっと見て見て。という感じですね。

長期投資家はそういう考えはしなくて、世の中を劇的に変革する社会変革ドライバーとして、商品を評価する。すると、当然、20年なら10倍ぐらいにはなっている。ちゃんと待ってね。20年ぐらいは。

長すぎますか? たったの20年が???

 それは投資家自身の勝手な都合でしょ。

あんたの都合なんか、社会的に無意味です。世の中の都合に合わせるのが投資です。

かぶたん。年足。つかってみてください。短期投資とは違った風景が見えてくるはずです。

気分転換にどうぞ。