変わらないことに目を向ける

2020年6月26日

今、市場のテーマは

with コロナ

after コロナ

今後社会が大きく変化する。

その変化の中で成長する企業に投資する。

というのが流行りの様だ。

 

みんなが注目している企業、株価が上昇している企業にのる。

バリュエーションなど関係ない。

3月の暴落で失敗したことなど忘れたかのように。

いや、今度こそは失敗しない、と取り返すために。

しかし、東京の感染者数が増えると突然、

”第2波が来るかもしれない”

と一部の人が投げ売り、急落。

翌日は、やっぱり日銀が買うし、大丈夫だ。

と急上昇。

上に行ったり、下に行ったり。

特に出来高の少ない中小型株は変動が激しい。

上に行ったり、下に行ったりが激しい長期投資は心臓に悪い。

株価は毎日変化する。

しかし、企業価値は簡単に変化しない。

それは、その企業が提供する価値が顧客によって認められたものだから。

顧客の価値観、生活環境が変わらなければ、そこに価値を提供する企業の価値も簡単には変わらない。

SARS
MERS
新型インフルエンザ
鳥インフルエンザ

あれだけ大騒ぎした様々なウイルスや感染症

その結果、私たちの価値観や行動は変わったでしょうか。

例えば

誰ともコミュニケーションをとらず、一生引きこもる。
自分の食べるものは自分で作って調達する。
というような生活に入った方はどれだけいるでしょうか。

私たちは生活を続ける中で、便利なものは使い続け、食べたいものを食べ、行きたいところに行く。

一度変わった価値観は戻しにくい。

 

例えば、新型コロナウイルスの拡大懸念で移動が制限された。

その影響をもろに受けたのがJALやANAの航空業界。

一時期、つぶれるのか、合併するのか。

などと噂され、株価は半値まで下落。

 

私たちは飛行機で移動する便利さを覚えてしまった。

飛行機で旅行して、旅行先には素敵な景色、美味しい食べ物、素敵な人たちがいることを知ってしまった。

今は我慢している状態だが、我慢は続かない。

落ち着けば行きたいと思っている。

そんな気持ち、価値観は変わらない。

 

飛行機による移動が提供する価値は変わらない。

 

そういうと

”出張などの需要は減るだろう”

とか、

”インバウンドが戻らないだろう”

という意見が出てくる。

否定的な理由はいくらでも見つけられる。

目の前に見える材料はいくらでも並べられる。

それが理由で下がっているのだから。

それをみんなが言っているのだから。

しかし、

変わらない価値観、みんなの我慢している気持ち。

は外からは見えない。

目立たないが必ずある。

 

株式投資は

価値と価格の裁定取引に積極的に係わること

今、価値に対して価格が大幅に乖離があるのが

そんな変わらない価値に否定的な業種ではないか。

 

その否定的な意見を並べてみてじっくり考えてほしい。

3年後、5年後もそのネガティブ材料は残っているのか。

もし、残っていないかも、と思えるなら、

それはチャンスだと捉えるべき。

 

みんなが変化するものに注目している時には

変わらないモノに目を向ける

他の投資家と違うことをすることが投資の王道である。

 

人間は一度得た快楽はまた手に入れたい動物なのだ。

2020年6月26日コラム

Posted by ono