子育てコラム #19 家事をさせよう! 子供たちに! by yamamoto

2019年12月18日

子育てコラム 第19回です。

ちまたでは、一体、いくら子育てにお金がかかるのかーについての議論があって。少子化の要因のひとつが、子供を育てる「コスト」なんだとか。そんなこといったら我が家は四人の男児で家計は破産なのか?といえばそんなことはまったくない。

小さいお子さんがいらしゃっる家庭は、「子供にはお金がかかる」と最初から決めつけないで、気楽に子育てすればよいのです。

子育て支援については、この数年で大きな変化がありました。

  • 高等教育の無償化
  • 大学進学のための給付型奨学金の充実

などです。我が家も高校無償化で家計は大変助かっています。

もちろん、必要な投資や必要な経費は削る必要はありません。見直せるものについては見直せるものがたくさんあります。

お金の解決ではなく工夫で解決できることがほとんどです。そして、ひとりだけで頑張らないでほしい。助け合って生きることで支え合う仕組みを作っていけばよいのです。

まず、わたしが心配しているのは働きすぎのお母さんやお父さんたちです。

まずは精神的な余裕もって、みんなと繋がる時間をつくってほしいのです。

お父さん、お母さん、週に1−2日は定時退社を

定時に帰ることができる仕事をしてほしいです。

難しいでしょうか。

いつも定時でなくとも、年に3分の1程度は定時で帰ることができるだけで随分と精神的な余裕がでてきます

週に1日から2日は定時で帰ると決めてほしいのです。

あるいは、家で仕事の一部をしてもらいたいのです。

そうすることで、親に心理的・精神的な余裕、心の余裕ができるため、子供たちも家庭で落ち着くことができます。お父さんやお母さんがピリピリしていたり疲れていたりすると子供も空気を読んでしまうからです。

実践 家事を子供に任せる!

我が家では、自分のことを自分でできる子供に育てるため、家事を家族で分担しています。月火曜日が次男の当番、水木が三男、金土が四男、日曜日が父親であるわたしの当番です。

当番のやる仕事は、洗濯と洗濯干しと皿洗いと掃除と風呂掃除とゴミ出しです。

男が家事をするのは当然のことですし、家族なんだから助け合うのは当然のことです。家事をやる子供たちの目は真剣ですし、「子供の自分だって家族を支えているんだ。母さんに楽をさせてあげたいんだ」という自負心が芽生えます。

何も家事をしなければ、家事をしている側の苦労は想像できません。つまらないことでも義務は義務。しっかりと家事をさせることで、随分と、お母さんの負担は減ります。

妻はとても喜んでいます。「ありがとう。助かるわ。偉いね」と声をかけると、子供たちは嬉しそうです。

我が家では子供の家事はこの2ヶ月間実践しているにすぎないことです。二ヶ月前、妻が骨折し入院し、家事の負担が父親であるわたしにドドドドときてしまったので、「こりゃ たまらんわい」ということで、子供たちを言いくるめたのです。ところがやってみると非常にうまく回ったので、妻も、「子供の家事はこれからも続けた方がよいね」ということになりました。

クリスマスプレゼントもなし 小遣いもゼロ

「ほしいものがあったら、大人になってから自分の稼いだお金で買いなさい」が我が家のキメ台詞です。

誰々くんも持っている、クラスで持っていないのは僕だけだよーとか、言ってきますが、お前はこのうちに生まれたんだから仕方ないねといって決して買い求めません。

うちでは子供たちは誕生日プレゼントもほしがらなくなります。生まれてきてくれてありがとう。だからといって、毎年、何かを子供に与えるというのは違和感があるので、プレゼントはなし。お小遣いもゼロです。

慣れればどうってことはありません。誕生日には、ケーキを囲んでみんなで祝います。そして、記念写真をとります。それだけでも子供たちはうれしいのです。「あ、今日はケーキが食べられる!」と非常に喜びます。「うちって、家族6人いるから年に6回も誕生日ケーキが食べれて幸せな家だね」と子供は思っています。

習い事も塾も原則禁止

原則、工夫して、独学で突き進むことで道が開かれます。面白いことは子供はお金がなくても、自分で工夫して遊びます。塾も本人がどうしても行きたいという場合に限り行かせます。習い事はどうしてもやりたいという場合に限りひとつだけ許可しています。

元来、子供は習い事が好きではありません。好きでないものにお金を投入すると投資効率はマイナスです。多くの家庭が、「金をドブに捨てている」とわたしは思っています。

塾にどうしても行きたいという場合は、

  • 市販の問題集を自分で選ばせて自学自習が可能かどうかを自分で判断させる
  • それでも塾で勉強したいという気持ちがあるならば、ひとつの教科だけを受けさせる
  • 模試や実力テストの類はお金の無駄なので受けさせない

スマートフォンって子供に必要?? 

子供のうちから頭を使わないで検索するような頭脳回路になってしまってはせっかくの才能が台無しです。わからないときは、ずっと一年でも二年でも考え抜け!です。検索してすぐわかるような問題やネットでサーフィンしてわかるようなことに意味がありますか? 

Line等の連絡事項が当たり前になりつつあるため、スマホがないと話にならないとなるかもしれませんが、親のLineをつかったりwifiを使ったタブレットを兄弟で共有することでなんとかなりませんか。

長期的な課題にとりくむ

我が家では長男がフェルマーの定理を3ヶ月考えて何もわかりませんでしたが、それが大きな学力の伸びを産んだのです。(彼は証明したつもりなっていたが、高校の数学教師がかなりの時間を費やしてくれて、証明が不十分であることを先生と二人で確かめました。先生も勉強になった、ありがとう。生徒も先生、ありがとう、です)

そう。難題にチャレンジして、頭が痛くなるまで何ヶ月も同じ問題を考えろ!というのが基本。

(このやり方は非常に有効です。株の学校でも3ヶ月間、ひとつの銘柄だけをとことん考えることで飛躍的に思考力が上がることがわかっている)

次男は、「人は最終的には死んでしまうのに、生きる意味があるのか」という問題と真剣に格闘しています。人生なんて全くの無駄ではないかと思った時期もありました。「それは間違っている」と決めつけないで、なぜそう思っているのかを、何時間でも話を聞くと、彼らなりの思考の成果物が見えてきます。

この問題は1年やそこらでは結論が出ません。そのとき、家事の負担が軽減し、時間的余裕があり、話が大好きなお母さんの出番です。

お母さんは息子たちにとって、とても、よい話し相手になります。女性は結論を押し付けないし、共感できるため、哲学的な話題はむしろ、母親と息子たちでやってくれ、という立場です。父親は実学的なところをメインに関わります。

保育園から大学まで公立

私立は至れり尽くせりかもしれませんが、綺麗な制服や豪華な校舎にそれほどの意味はないでしょう。昨今は、都立高校が格安で課外講座を用意してくれます。高校の先生が休み返上で講座を開いてくれます。

ひとつの教科で最良の参考書を選び、「ボロボロになるまで一冊の参考書を使い切ること」で学力は身につきます。

次男は都立日比谷高校に行きましたが、数学の参考書はサクシードをつかっていました。本当にそれが表紙がとれてボロボロになったとき、センター試験で数学が満点をとれるようになったのです。

ひとつの良書をなんども読むことです。とくに古典はなんども読んでも味がありますね。

学校の図書館はいいですね。おおいに図書館を利用させます。中一の四男も学校の図書館にはまっています。何を読んでいるかといえばギネスブック。たしかに面白そうですね。

公立にこだわる理由ですが、保育園が大きいですね。保育園は基本的に「教えない」ところです。遊ばせ、関わらせる空間です。そして、保育園の同級生が地域で共に大きくなるため、中学生になるころは、とても強い結びつきになります。親友の多くは保育園でできるのです。

いじめがあっても、保育園で一緒であれば、必ず、子供たちはいじめに立ち向かうようになります。同じ気質の私立に活かせると、純粋培養になるリスクがあります。社会の荒波を同級生たちとどう乗り切るかで、リーダーシップが備わります。環境が悪ければ悪いほど、子供は伸びます。心と体で体当たりして、殴り合いのけんかをすることもアリでしょう。公の精神や強者に立ち向かう気概は、地域と公立学校で養われます。親と学校もいつも仲良くなんてする必要はありません。教師に怒鳴り込んでモンスターペアレントになるぐらいでちょうどよいのです。感じなことは、心でぶつかること、真剣に怒ることです。子供をボコボゴにされたら、親は怒り狂います。当然です。ぶつかって、お互いに大変な経験をすることで、地域社会は成長し、そこで生きる人も成長するのです。

子供部屋を持たせない

我が家では個室を与えません。プライバシーなど、大人になってから自分のお金でつくればよいからです。子供が部屋で落ち着いて何かをやることに反対です。兄弟や親とぶつかりあって、スペースや施設や道具を譲り合ってコミュニケーション力をあげるのが目的です。

次男はこれが残念でならなかったようです。彼は都立高校に通っていましたが、同級生で自分の部屋がない友達には一人も出会わなかった。出会った友達が次男に「お前、かわいそうだな」といわれたそうです。

確かに思春期は難しいものです。我が家では、勝手に子供たちがカラーボックスをつかって、勝手に自分のスペースを個室化しています。必要となれば、自分で作るようになるので、問題なし、としています。

奨学金とバイトで自活させる 仕送りは最小限で

今時の大学は、奨学金が充実しています。長男も奨学金を得ています。さらに学費は今年度は免除にしてもらっています。それはわたしがサラリーマンをやめて自営業になったためです。わたしが2017-2018年に6ヶ月程度の失業保険をもらっていた(生まれて初めてもらった)のです。そのため、大学の学費はかからなかったのす。長男は北海道大学の医学部ですが、家庭教師で時給のよいバイトをしているため、仕送りもいらないといっています。バイトと奨学金で月に15万円になるそうです。十分やっていけます。今回のお正月は弟たちのお年玉まで長男が用意してくれました。

大学はお金がかかるといいますが、我が家の負担はいまのところゼロです。また、末っ子の四男の学費は長男が「俺が出そうか?」と申し出てくれています。次男も大学受験ですが、奨学金を申請して、バイトをしながら自活をしてほしいと考えています。親が学費を出すのは日本の慣習なのかもしれませんが、おかしいと思います。大学に行くのは本人ですから、本人の負担でなんとかしてほしいと常々言っております。

わたしたちが学生のころ、塾に行く習慣はありませんでした。問題集を買って自分でやって勝手に受験していました。バイトをすれば自分一人ぐらいなんとかなります。わたしも保育園から大学院までずっと公立でしたし、学生時代は住み込みのバイトで家賃をゼロにして仕送りもありませんでした。それがつらいかといえば、家庭教師などの時給が高いバイトをすればそれほどの時間はとられません。学業とバイトは十分に両立ができます。わたしの場合は学生時代は鍋田学習塾に住み込みで食事も家賃も全部、鍋田塾長が面倒をみてくれました。そういう一生モノの出会いがあるのです。

さらに一生懸命に勉強すれば給付型の奨学金が得られます。

大学に行くのなら本気で行け。なんとかく大学に行くなら働けというのが基本的な我が家のスタンスです。

子供にお金をかけてよいことなどひとつもない

とわたしは考えています。

お金をかければなんとかなるというのは幻想です。

お金をかけないからなんとかなるのです。

大学生になったら家を出る

次男も大学を受かったら速攻で家を出て行ってもらいます。18をすぎたら大人です。親と同居すべきではありません。

子離れは親としては寂しい気持ちは当然あります。それよりも、よい仲間と意義あることのみを成してくれることを祈っています。

お金を出さずに工夫で解決するから 生命力がある子に育つ

子育てはお金がかかるよ、大変だよ、といっているお母さん、お父さんが多いことは知っています。今回の我が家の有り様はある意味、常軌を逸脱しているのかもしれません。

かわいい子には旅をさせよ、といいます。苦労をさせましょう。それが子供のためになるのですから。

子育てにお金をかけようと思えばかけられます。しかし、かけないと決めればかかりません。さあ、たくさん、子供をつくってください。我が家の子供たちに聞くと、たくさん兄弟がいて本当に楽しかったので、自分も結婚したらたくさん子供がほしいといってくれます。ワイワイガヤガヤと楽しく助けあいましょう。子供たちもベビーシッターぐらいはできる年頃となりました。困った時はお互い様です。無理しないで仲間と助け合いましょう!!

タダで勉強教えてくれる塾もあります。

そして、相談にのってくれる子育て経験者もたくさんいます。

人とは違うことをさせ、少数派になりましょう。大多数が塾にいくならいかせないで。大多数が個室を与えるなら与えないで、大多数がスマホを持たせるなら持たせないで、大多数が習い事をさせるならさせないで。

Be wild!  生命力を培おう!

p.s. 中1の四男が塾に行きたいと言い始めました。塾は三科目を受講するのがスタンダードといってきますが、とりあえず、英語だけを受けることにしたそうです。理由は「数学は自分でできるから」。英語に課題があると本人が考えての一科目だけ受講することにしたのです。塾はなるべく多くの科目をとるように親に言ってくるでしょうが、最初はひとつだけにするのがよいとわたしは思います。ひとつをとりあえずモノにしろと。

p.s. 多くの家庭が勉強をさせようとして不要なルールを設けています。たとえば、ゲームの時間です。我が家は無制限です。男の子にとってゲームは最も大事な人生の目標のひとつです。徹夜で熱中するのもアリです。何時間もひとつのことを集中してやることで、物事はモノになるのです。ゲームはよい訓練になります。課金なしでどこまでいけるのか、挑戦させてください。

p.s. 年間の資金管理ができるのはお年玉です。これは親戚が祖父母がいるため、我が家の都合で省くことができません。お年玉は我が家の場合は、PS4などのゲーム機の購入に当てられます。兄弟で出し合って一台を買う方式にすれば、お互いに譲り合って使うようになります。

p.s. 子育ては、親の人間性を大きく育てる営みです。子育てによって、育つのは子供ではなく、親の方です。思い通りにいかない。だから面白いわけですね。一般論ですが、子供が勉強が好きなわけないじゃないですか。「勉強しろ」は禁句。これをいえば、終わります。ダメです。

むしろ、勉強が好きになるのは大人になってからです。子供のときに、勉強しろといわれないで育てば大きくなってから勉強が面白くなります。つまらない受験勉強を強いるのはよくないでしょう。

p.s. 受験は子供にとっての戦いです。勝つか、負けるかの戦いです。男の子は勝負にこだわるので、放っておいて大丈夫です。受験間近になれば勝手に勉強を始めます。

p.s. 彼女がいた方が、子供の人生は豊かになります。子供が選んだ相手ならば、間違いはない、と言ってあげます。彼女にかかりきりになって、勉強がおそろかになることがあるでしょう。しかし、それ以上に、異性との付き合いは子供の人間性を豊かにしてくれます。勉強がおろそかになるぐらい、人を愛するというのは素晴らしいことです。人生はいつだってやり直すことができます。受験に真剣に取り組まなくとも、よい出会いがあれば、それはそれでよい、と思っています。

2019年12月18日子育て・教育

Posted by 山本 潤