6235 オプトラン 中国が評価する日本 by yamamoto

2018年12月27日

訪問メモ

IPOのロードショーは個人投資家には解放されていないようで、この会社のHPにおいても、IRらしき資料はまだ掲載されていない。極端な情報不足の中、目論見書(前期有価証券報告書)があるだけである。訪問取材をして、HPには掲載されていない情報を載せる目的でこのメモを書く。

訪問メモの類は、1Qがうんちゃら、決算がうんちゃらという類が多いが、そういうメモではなく、

1)どんな会社なのか、2)何を販売しているのか、という基本的な事柄を書くことにする。

決算については、そのうちに、出てくるから、そのときは、各自がIRに取材するなり、決算説明会資料などからフォローしてもらいたい。

おんぼろ本社に感動して

東京から一時間半。埼玉県川越市。最寄りの駅は東武東上線の若葉駅だ。若葉駅から、さらに、タクシーで10分程度でオプトランの本社に到着した。2018年1月19日の午後だった。

都心の一等地のピカピカの高層ビルに入る企業が多い中、 同社は東証一部の企業では珍しく、オンボロ?な本社であった。

この清潔ではあるがプレハブつくりの質素な管理棟を見て好感を持つ。最初、入り口がわからず、どこが受付なのかと迷うと、看板で「受付」とあり、屋外の鉄製の階段を登ると、待合室には座る椅子もない。仕方なく、「時間より先に着いたので会議室で休ませてほしい」とお願いした。

本質的ではないところにお金はつかなわいという、この会社の精神が現れているような気がした。

プレハブ本社である。 いまどき、こんな質素な本社を見ることはあまりない。 耐震性は問題ないという。 なので、これを見たときは正直、感動してしまった。

1990年代、ホンハイの台湾本社を訪問したとき、やはり、掘建小屋の本社で、 鉄パイプのボロボロの椅子と表面が凸凹の木の机で取材したが、そのときと、同じような感動であった。

IPO 2017/12/20上場 東証1部

オプトランは2017年12月20日東証1部に直接上場。

17年12月期の売上は300億円を超え、前期比倍増。 営業利益率も2割と高い。

飛躍

この大幅な増収はアップルからの大量の受注によってもたらされた。 成長ドライバーとなったのは、iphone 8とiphone Xの仕様変更である。 共にこれまでのアルミからガラスへと筐体が変わったのだ。 ガラス筐体はアルミよりも電波が通しやすい。 光学成膜装置が必要になるのは、 ガラス筐体への防汚膜、表面に滑り止め膜などの成膜が必要になったこと、 さらに、生体認証となったことで、赤外線で顔の凹凸を測るための多層膜が必要となったこと、 加飾やアップルのロゴなども薄膜で行ったこと等、 これら、難易度の高い成膜プロセスが必要となったためだ。

ガラスへの成膜が難しいのは、それが特に多層になる場合である。 生体認証用途は50層もの多層膜を形成するそうだ。 ひとつひとつの膜厚の誤差が一定以内でなければならない。 化合物を中心とする光学フィルター第1層から第50層までどんな順番で並べるのか、 極端な話ではあるが、50の階乗の組み合わせた方がある。 どれが最適なのか。 ひとつの膜の特性をとっても、最適な化合物がなにか、などは試行錯誤の末に得られるものであろう。 膜は内部応力で「たわむ(膜厚むら)」ため、多層にするときには、そのたわみまでを計算にいれるそうだ。

膜は一層一層違う化合物、誘電体である。

パラメータが100以上ある。 たとえば膜厚むらは0.3%以内でなければ性能がでない。 設計値に対しては0.1%以内の誤差で成膜するとオプトランの公表資料にはある。

NSCシリーズがiphone 8とiphone X向けに採用されたのだろう。それが大量の受注となったと筆者は考えている。

0.3-1.5億円程度の幅のある装置価格は、それぞれの成膜の難易度に差があるためである。フットプリントは3−5mと比較的小さな装置である。

(液晶などと比べて、という意味である)

さらなる飛躍へ

アップルの注文にかかりきりになっているため、アップル以外のスマホメーカからの受注が受けられない状況が続いている。もちろん、他のスマホメーカも生体認証や絶縁体筐体は採用するのだから、オプトランは、受注しようと思えばいくらでも受注できる状況にあるという。成長力は今後、どの程度かという問いかけには2割は低い、3割成長ができるのではないかと自信を示した。というのも、アップル以外のスマホへの拡大に限らず、高級車からフロントガラスへの成膜や多数のCMOSセンサーやそのレンズ向け成膜が約束されている。TSMCまでもがCMOSセンサをレンズと一体形成しようという新プロセスを導入する。VRなども新規の分野である。

本決算は2月13日。14日に説明会を開催する予定だ。

オプトラン設立の経緯 日本に憧れて

孫大雄(創業者 現会長)は1948年生まれ。 上海郊外の田舎に生まれた。 文化大革命下の中国で農村に8年間も「追放」された。

文革が終わり、大学教育が中国で再開される。 1978年蘇州大学に入学。機械工学を学ぶ。 卒業後は国営製薬会社で製造機械のエンジニアとなった。

日本に憧れ、1987年に来日する。

80年代の日本は輝いていた。 Japan as Number 1と呼ばれ、 特に、日本式経営が世界で注目されていた。

埼玉大学の大学院で真空成膜の技術を収めた。 光学薄膜装置の独占企業である神奈川の株式会社シンクロンで研究開発部に配属された。

かつての装置メーカは、機械をつくるだけであった。 光学成膜装置をキャノンやニコンに納品すればおしまいというビジネスモデルだった。 この分野では、株式会社シンクロン(横浜市)がナンバーワン。 独占供給していた。 いま、シンクロンは横浜みなとみらいに本社をかまえている。 オプトラン創業者の孫会長はこのシンクロンで開発課長であったそうだ。

1996年からプロジェクトチームリーダーとしてDWDMフィルター製造装置の開発に没頭。 多重伝送 光通信のブームの折、DWDM光学薄膜装置の開発に日本で初めて成功するのだ。 1mm ^2 のガラスに200層を成膜したものであった。 光ファイバーの分波テクノロジーであった。 だが、せっかくの大成果もシンクロンは製品化を却下。孫会長のアイデアは採用されなかった。

それが契機となり、起業を決意したのだ。 光多重通信については、欧米、特にドイツなどが先行していたが、 孫会長は、迷わずに日本を起業の地に選んだ。起業の1999年といえば、すでに日本製造業は競争力に翳りが出ていたし、 円高もあり、中国へ進出するばかりであったのだが、なぜ日本を選んだのか。日本の技術力を信じたからだ。 真空ポンプ、電源、すばらしい技術をもった小さな企業群が多数存在していた。  光学成膜装置は高精度の加工部品や制御部品を2000点も組み合わせる。 大田区の中小企業の技術集積を前提にするのは自然だった。

研究者だからこそ見える本質

孫会長は、見えていた。

成膜装置製造と成膜の製造とは別もの。 光学成膜装置はつくったらおしまいでは、ダメだということを。 成膜データが重要。 その積み重ね。膨大なデータの蓄積があってこその成膜プロセスなのだと。

顧客が求めるように膜が機能しているか??をオプトランは自問するという。 機械のハードの性能だけを求めてはいけない。 どんな膜をどんな目的のためにつくるのか。

顧客の求めるものはなにか。 顧客の仕様通りの機械をつくるだけでは成長はない。 そこで、セールスエンジニアという技術がわかる営業、 営業ができるエンジニアを顧客に常駐させるという究極の直販体制を構築する。 社員の半数がセールスエンジニアであり、顧客の製造現場に張り付いている。

一般的に、こういう会社は伸びる。 KEYENCEを彷彿させる。 この仕事においては、商品は確かに装置だが、売っているものは、装置ではなく、膜なのだ。顧客の求める光学特性をどう提供できるからは、試行錯誤の末の提案であり、提案をし続けるというスピリットにある。営業トークで売れるような機械ではないのだ。 光学特性という機能を実現するための、成膜ノウハウのソフトが重要なのだ。

エンジニアによる直販体制で、顧客の声を開発に生かす。

自らのseedsで開発をすることはない。あくまでneedsからのアプローチだ。

実った努力 Appleから受注

2017年。設立18年で光学薄膜装置シェア30%で初の首位となった。 この急成長はアップルに認可されたためといっても過言ではない。

現在、光学成膜の分野では技術的に最高レベルにあるという。 たとえば表面の生体認証機能膜、 iphon Xの後ろのバックガラスの成膜は難しいのだそうだ。 バックガラス表面が難しいのは大面積に均一にしかも数層必要だからだ。 すべりどめをほどこす。さらに、ロゴも金属で成膜している。

2011年からアップルとのやりとりはあった。しかし、指定はされなかった。 当時アップルはすべてを競合のシンクロン社から買っていたからだ。

2014年でお試しで当時のスマホ防汚膜向けのスパッタ装置を アップルがオプトランに初めて注文を出した。 オプトランは急な発注に対応した。 外注をつかって要求通りに収めたのだ。 それでも2015年も業社指定はなかった。

2016年になって事態は動く。

バックガラスと生体認証はオプトランが選ばれたのだ。 スマホのカメラレンズは6枚構成で反射防止膜。IRcutも施す。 生体認証モジュールはなんと50層にもなる。 顔の凹凸を図る。IR cutと逆にIRで距離を測るわけだ。 

1999年当時のITバブルはWDMのブームもすごかった。そのとき、世界でもっとも難しい成膜装置を作ったノウハウはオプトランにはある。WDMブームは去ったので、幸運にも、その技術を習得したものは、世界でも指折の技術者しかいなかった。その技術の蓄積が近年の大量受注に繋がったのだ。

光学成膜の引き合いは、スマホに止まらず、タブレットや自動車のカメラやCMOSセンサにも にも採用されている。欧米の高級車やテスラやスバルにも採用された。

面積が大きなものは、たとえば、iPadなどは薄膜面積も格段に増えるから、自動車やタブレット向けは会社も期待しているはずだ。

中国から見た日本

文革を経験し、日本で勉強した中国人のトップ層は当時は多数いた。オプトランの取締役6人のうち5人は中国人であるが、4人は日本国籍を取得した。社内公用語は日本語である。

完全主義の日本と挑戦主義の中国というのがオプトランのとらえた両国の違いだ。

日本企業は完璧主義だが、一方で、新しいことへのチャレンジをためらうきらいがある。日本では若手がベテランには厳しい意見を進言しない。 一方、中国人は、上司もへったくれもない。正論をズバズバ言える。しかし、一方で、80点でよいと満足してしまう。

その両方をうまくとりいれて、日本の完璧主義に、中国の大望主義を加える。 すると続々と有能な中国人技術者が入社してきた。 彼らは超優秀であると同時に超努力家である。 日本語など、あっという間に習得するという。

その代表選手が現在の技術トップの範賓(ファンビン)常務だ。 40歳とまだまだ若い。南京大学の主席。物理学博士だ。 成膜の専門家である。 上海物理科学院で物理学博士取得後、オプトランが一本釣りで採用。 アップルの受注がとれたのも彼のアイデアでとれたともっぱらの評判だ。 範さんも来日4年前当時、日本語はまったくしゃべれなかった。 だが、読み書きすぐに覚える。いま、日本語がぺらぺらに。 日本在住で本社でR&Dを束ねている。機械や電気ではなく、物理の専門家を引き入れるところが成膜ビジネスの本質が見えるオプトランの選択なのだろう。

孫会長を始め、オプトランの経営者層は、中国人で占められているが、日本に対して、もっと自信をもってほしいという。日本人は悲観的すぎると。かつて日本に憧れ、日本を起業の地に選びんでくれた会長の目には、今の日本は歯がゆく写っているのかもしれない。

日本のよいところと中国のよいところを融合させるのは、並大抵の努力ではなかっただろう。18年でこれだけの成長を達成したのだ。シェアが変動しにくい製造装置の業界では異例のことだと思う。

苦労した人にしか身につかないオーラや人間的な魅力があるのかもしれないと、ふと考えた。

確かに、文化大革命はひどかった。8年間、農民として冷遇された経験は、人間という器を大きくしたのかもしれない。

思えば、ソニーやホンダといった戦後日本の躍進も、太平洋戦争での完膚なきまでに叩き潰された経験が、人間を強くし、人々を鼓舞できる真のリーダーを産んだのかもしれない。

戦後生まれのわたしは、戦争を知らない子供達であり、本当の人生の苦難や修羅場を体験していない。だから、逆境を恐れ、怯み、挑戦を諦めてしまう。人は他人に期待する動物である。だが、いまの日本に必要なことは、自分を強く信じることなのかもしれない。

オプトランは、挑戦する気概をわたしたちに教えてくる会社である。

付録

1999年に独立後、すぐにITバブルが到来。

2001年にオプトランはWDM関連で売り上げ37億円を達成する。

起業は大成功したのだ。

その後、紆余曲折はあった。リーマンショックでは、売上の目処が立たないという時期も経験した。

そんな中、以下のシリーズを継続的に投入してきたのだ。

2010 Gener -2350 smartphone

防汚膜成膜と反射防止膜の両者ができる、イオンビームアシスト

2011 RPD (LED)   反応性プラズマ成膜装置  

 LEDを低コストでITO膜 AIN膜できる (イオンプレート) botom反射板の膜つけ。オプトランの独自開発。 いまでは世界標準だ。LEDほぼ独占。

2014 NSC-15  光学膜用スパッタ成膜 

touchpanel, camera module,筐体  メタル・モード・スパッタ装置  と高反応プラズマ源とを組み合わせたもの。アップル向けだ。

顧客は技術がほしいのであって、装置がほしいわけではない。だから、装置は他社よりも高くしている。

2015 連続式光学薄膜形成装置COFCシリーズ OTFCシリーズ

(ion beam assist sputter)

挑戦はまだまだ続く。

用語など
—光学成膜、反射防止膜(AR)の歴史—

レンズの反射防止膜が真空蒸着で作製されるようになったのは 真空拡散ポンプが登場した1930年以降であるといわれている。 それ以降、光学薄膜が大きく発展。 特に第2次大戦において、潜水艦の潜望鏡の複雑な光学系では、 その優劣が戦果に影響される。 反射防止膜が必要不可欠になったのだ。

潜望鏡は最大25個程度のレンズやプリズムで構成されたそうだ。 したがって空気と接して反射する面が50面あることになる。 それぞれが屈折率1.5程度のガラスでできているとすれば、 空気とガラスの屈折率の違いによる反射で1面通るごとに、 光量はわずかに減少。50面通過後には、 わずか光量は入りの10-15%となり暗すぎる。 単層の反射防止膜を各面に成膜すると50面通過後の光量は50%になり、 数倍も明るくなる。

この当時はまだ実用化されていなかった多層反射防止膜を利用したと仮定すれば、 1面の透過率は99.8%で、50面通過後の光量は90%となる。 現在は多層の反射防止膜をプラズマとイオンプレートを併用し作成する。

これほど多層にしなければならないのは、フィルターが帯域によるためであり、 帯域ごとに膜(filter)を用意しなければ可視領域をカバーできないからだ。 単層では500nm-550nmあたりの反射率を抑えるように設計されるが、 4-5層では350-750nmの広い領域をカバーする。

—生体認証と赤外線カットのためのフィルター—

生体認証は距離計測のためIR領域のみを通すため、50層もの膜が必要になる。 光通信では1mm角のガラスに200層にて分波のプリズムが形成される。

一方、IRcutフィルターは一般のカメラレンズにもれなく搭載されている。IR領域は人間には見えない領域であるが、これをカットしないと逆に見栄えの悪い写真となるからだ。

近年はTSMCが新工法でCMOSセンサーを作成しており、 ガラス基板とウェハーとを張り合わせて作成。 つまり光学成膜も後工程で半導体メーカが手がける時代になる。オプトランはTSMCからも受注が旺盛だという。 こうした動きが顕著だという。

一般に、イメージセンサーは、像をとらえればそれでよいので安価。

計測目的センサーはどこまで測るかによるが、イメッジセンサーよりも高価でハイスペックになる。

自動運転などの目的で用いる計測型センサーは、情報伝達帯域のみを通す。ということは、他の帯域を遮断するから、計測目的が増えると光学成膜プロセスは増えることになるだろう。

–防汚膜–

ガラス筐体にほどこされている防汚膜は指紋付着を低減させる。 また付着した汚れを拭き取りやすくする。 表面の傷を低減する。それほどの多層膜を必要としないので付加価値は高いとはいえない。

–バックサイドの滑り止めや加飾–

一方で、スマホユーザーにとって、スマホの見栄えは重要であるため、筐体裏側が均一に光ったり、滑り止めも付着強度が費用であったり、あるいは、ロゴを金属でスパッタするため、筐体の裏面処理は難易度は高いという。これがタブレッドサイズにまで筐体が絶縁体になるとさらに難易度は上がるだろう。

主要部材 —クライオポンプ—

クリーンな真空が得られることと、水に対する排気速度がたいへん大きい(空気の約3倍)ことが特徴。 一般的に、真空に排気された容器内に最後まで大きな分圧を示すのは水なので、 大変理にかなった排気特性を持っている。 10^-9Paの真空を達成できる。 光学薄膜で主役となるポンプである。 オプトランはアルバックから仕入れている。

要素技術–高濃度プラズマ–

真空状態では、気体の放電現象が起きやすい。 薄膜作製プロセスも気体の放電現象で生成するプラズマを利用する。 プラズマの現象は複雑。まだ原理はよくわかっていない。

一般的に気体中には、宇宙線や放射線などの影響で、ほんのわずかに電子が存在している。 この電子は、1価の負の電荷(-1価)を持っているので、陽極に向かって加速される。 この時、気体の分子に衝突すると、持っていたエネルギーを与える。 このエネルギーを与えられた気体の状態が励起状態だ。 また、与えられたエネルギーがある値を越えると、 気体分子の最外殻の電子を1個放出。気体分子が、 -1価の電子を1個失った状態で、+1価の電荷を持つ。 この状態が気体の電離状態。

電子をe(-1価)、 気体分子をAとして、式で表現すると、

e+A→2e+A+

となる。 この結果、雰囲気中には、電子が増えるので、この現象は次々と起こる。 ある平衡状態まで増殖。

また、電子を放出するには至らず励起状態の気体は、 エネルギーを光として放出し、元の状態(基底状態)に戻る。 この時のエネルギーは気体の種類に依存する値で、発する光の色も気体の種類によって異なる色となる。 このような状態をグロー放電と呼び、真空を利用した薄膜作製プロセスで用いられるプラズマはこの状態。

重要なのは、陰極の近傍で急激に電位勾配がある。ここでは、気体イオンが急激に加速されて陰極に衝突する。 スパッタリングでは、この現象を利用して薄膜作製を行う。

–アルバックの協力–

アルバックはオプトランの株主である。  一時業務協力した。光学蒸着はULVACにないからだ。 ULVACは製造委託にも協力してくれた。 もちろん、真空ポンプの仕入先である。 アップルの2014年の大量発注のとき、半分つくってくれたという恩人でもある。 社外取締役を派遣してくれている。 競合ではないという。

—JSRの戦略— 

戦略商品アートンを普及させたい。 JSRは中国市場が弱い。 中国市場を攻略したい。 ガラスに変わるものを拡販したい。 アートンでも薄膜は作成できる。  ガラス筐体から再び樹脂筐体への置き換えを狙っている。 JSRとは技術交流がある。   

—理研電線—

半製品の製作を担う。

読者へ

アナリストレポートとは何だろう。わたしにはよくわからない。なぜならば、わたしたちアナリストは、実際は、投資対象の会社のことをあまり知らないのだから。

企業の提供する商品についてよく知っているわけではない。作り方も、なにが大変なのかも、営業の現場の課題も、製造現場の問題点もわからない。そして、わたしたちは大きな会社の経営者じゃないから、経営者の悩みも苦労も知らない。

そんなわたしたちが取材をして書いているのがアナリストレポートです。

会社に取材をしても、業績の動向ぐらいしかわからない。

お願いがあります。業界の方がいらしゃいましたら、実際のところ、いろいろと教えてください。

そして、自身の判断において、投資をしてください。わたしたちは、細かいディスクレーマーをつけるつもりはありません。細かい字で「責任はない、訴えても無駄だ」というつもりはないです。「投資は自己責任」は当たり前の常識だから。

アナリストだって、わかっているわけじゃない。何も知らない人たちなんだ、ぐらいに思ってください。それが真実に近いです。この会社が再び、苦境に陥ることもあるだろうけど、そのときは、わたしも損をしているはずです。苦境に陥ったとき、株を売って見放すことが投資家としては正しいし、それが必要かもしれませんが、そうではなくて、なにか自分にもできることはないのかなと自問したいし、そういう生き方をしたい。たとえば、この会社の社員との勉強会などを一緒に開いたりできないだろうか。

不況期や赤字のときは、見かけ上は暇だが、暇なときこそ、たくさん勉強しなければならない。わたしたちにしかできないことを企画して提案する側になりたいと思っています。そして、次の飛躍をともに夢見る、そんな関係を築くことができれば株主として最高なのですが…

わたしたちは、よくわらからないなりに、それでもまだまだ調べる。少しでも真実に近づくために、です。ちょっとだけ深く考えて、こうじゃないかなと自分の意見を述べているだけなんです。たったの半日でレポートを書きますから、思考量としては大した量ではありません。だから、ものすごく不完全なんです。そのことをお詫び申し上げます。

それでも、わたしはこの会社のこと、気になります。ずっとフォローしたい、と心から願っています。一歩一歩理解を深めたいと願っているのです。投資家に、この会社のよさを、不器用なら不器用なりに、直球で伝えたい、と思っているのです。そう思わせる何かをこの会社は持っていると感じたからです。

わたしたちは、ゆっくりと一歩一歩、よいレポートを書いていくつもりです。10年間かけて、ひとつの会社のレポートを完成させる。どんどん増える一方になりますが。。。ご了承ください。

山本 潤

2018年12月27日銘柄研究所

Posted by 山本 潤