投資家と企業の相互理解のために必要なこととは

投資家と企業の相互理解のために必要なこととは

多くの投資家にわかりやすいようにと考えながら
レポートを書かせていただいていますが、
取材させていただいて初めてわかることが多い。

短期投資であれば、足元の業績数字のことが中心になると思うが
長期投資であれば、製品・サービスだけでなく、
経営陣がどんな方でどのような経営判断をされる方かも投資において重要なポイントである

製造業の企業の方は
BtoBのビジネスで、企業向けの製品・サービスだから
分かりにくい
と、半ばあきらめている企業も多いように感じている。

そこで、ぜひ企業と投資家の相互理解を促すために企業に3つのお願いをしたい

1.社長が直接伝えること
2.極めて分かりやすい、興味をもつきっかけとなるような情報を発信すること
3.IRの専任の方をつけていただくこと

まず一つ目

1.社長が直接伝えること

企業はステークホルダーに
自社の考えを製品やサービスを通して想いを伝える。

残念ながら
製品やサービスを使わない人にとってはその思いを受け取ることができない。

では、どうするか。
私たちは個人投資家向け説明会を開催しているが
そこで感じるのは
経営者が直接伝えるのが企業を理解してもらううえで最も効果的だということ。

投資家に企業のことを知っているか聞くと
小売企業は比較的わかりやすく
”XXXを売っている企業”
という答えが返ってくる。

売っているものがわかっても、
それがどう儲かるかがわからなければ投資家は納得できない。
安心して長期で投資できない。

その製品・サービスに対する納得感が乏しいままに投資してしまう投資家が多い。
するとどうだろう
株価が下がると、そもそも自分の考えに自信がない投資家にとって
市場の大半の投資家のほうが正しいと感じてしまい、売る判断をしてしまう。

長期で投資するうえで納得感が非常に重要である。

さらに納得感を高めるのは
社長の製品・サービスに対する想い。
どんな考えでどんな思いで製品・サービスを提供しているか。

”この社長なら任せてもいい”
という数字には表れない”感情”の部分が投資家を長期投資に導くのです。

2.極めて分かりやすい、興味をもつきっかけとなるような情報発信

投資家のすそ野を広げるためにも
まずはより分かりやすい、興味をもつきっかけとなるような情報発信にも注力していただきたい

多くの企業で足りないと考える情報が2つあると考えています。
①”極めて”わかりやすい情報
②非財務情報=自社が社会に提供している価値は何か

①”極めてわかりやすい情報

=”興味を持つきっかけとなるような情報

例えば
”5分でわかるXXXX(企業、または製品やサービス)”
動画での紹介でもいいだろう。
5分で何がわかるのか、と思われるかもしれないが

例えば、日進工具
自社の製品がどのように利用されているか
どこに強みがあるかを動画で紹介しています

NS TOOL 日進工具の強み
https://www.youtube.com/watch?v=hKR39DPY3Eg

日進工具(株) 会社紹介~超硬小径エンドミルのリーディングカンパニー~
https://www.youtube.com/watch?v=JCb4pcBUUMg
前取締役会長 故後藤勇氏が社長インタビューに答えている貴重な動画。
企業の歴史を知ることは長期で投資をするうえで重要である。

②非財務情報=自社が社会に提供している価値は何か

財務情報は、決算短信、有価証券報告書で十分だろう。

社会においてどのように必要とされているか
自社が社会にどのように価値提供しているか

できればわかりやすく。

情報発信の方法は多様にあり、コストも下がっています。
”BtoBだからわかりにくい”
と諦めずに、ぜひ自社の強みを紹介する情報発信をお願いしたい。

3.IRの専任の方をつけていただくこと

 多くの企業ではIR部門、IR活動をコストと捉えているように感じます。

とても忙しい中で取材対応いただき大変感謝しています。

忙しい理由の一つは、専任の方ではないということにあるようです。
総務の方や経理の方、経営企画の方など他の業務と兼任でされている。

投資家が自社を理解してもらえるためにまだまだやれることがあります。
自社の製品・サービスを理解してもらえるように

適切な価格形成を促すために
相互に理解し合うために努力することが大切なのは
業界の視点、企業の視点だけではなく
内部の視点だけでなく
資本市場の視点を取り入れるためにもぜひ資本市場に一歩も二歩も近づいていただきたい。

10のディスカッションで、9がくだらないものかもしれない。
しかし1の新たな視点が得られるだけでも
価値があるのではないでしょうか。

そのためにもIRが兼任では投資家から聞かれることに答えるだけになってしまい
資本市場から情報を得ることもできないでしょう。

投資家のレンズを通してみるとどう見えているか
歪んで映っているならば、より分かりやすく伝えて
歪を調整するように主体的に情報発信ができる。

是非とも、多くの企業の方にお願いしたい。
これから伝えていきたいと思う。

コラム

Posted by ono