株式市場の役割と投資家の役割 猿から人間へ
朝三暮四を笑えない 私たちの本能 (本能の逆をやると投資は失敗しない)
私たち、つまり、私を含めた多くの人々は、日常生活を豊かに暮らしたいのです。それで、せっかくお金があっても、それを税金などで取られてしまうと困るわけですね。消費税だってどんどん上がると生活が大変になってしまう。それで、「今、お金をとるな、後からとるならいいぞ」と思考する。これは人間の本能と言ってもよい行動(あるいは行動経済学的に実証されている典型的な行動)です。つまり、私たちは、朝三暮四タイプと断言できるのです。
このように自分を否定することで大勢の方々を否定することになりかねない。よって、私は論壇では人気がありません。
自己否定は相手を否定することでもあるのです。「オメーさんは朝三暮四タイプだ!」と言われて皆様が気分を害するわけですね。
人気が出るためには、逆のことをしなければならないのです。でも人気なんてなんの役にも立たない。どのぐらい役に立たないかと言えば、たくさん異業種交流会で名刺をもらうその名刺の数ぐらい役に立たない。あるいは世の中の有力者と知り合いが多数いる。「俺は有力者と知り合いですよ。紹介しましょうか?」という方に会うといつも胡散臭さを感じてしまいます。有力な方々と知り合いになっても、私には全く有力者たちは役に立たないのです。人気があっても、不愉快なことが増えるだけで、株式投資力や数学力を積み上げるために、全く無用の長物です。
私だって皆様にこう言いたいのです。
「今のままでいいんだよ」
「念仏を唱えるだけで誰でも幸せになれるのですよ」と。
でも私は神様を信じないし、もし、天国と地獄があるなら、地獄の方が断然、課題解決があって楽しそうだと思う人間です。楽して、遊んで暮らせることに全く楽しさを感じない人間ですから。
一番嫌いなのが南国の白浜です。全く持って不愉快な場所です。暑い中ボケーとしてチャプチャプ遊んでアホじゃねーの。困った人々がいるということがわかっていて、自分がビーチでパチャパチャしている姿を想像するだけで、腹立たしい。私は自分で自分を殴ります。怒鳴ります。「おい、山本!ビーチでパチャパチャみっともない!そんな時間があれば投資を勉強しろ!ビーチでオメーなんか無価値だよ。そんなことなら死ね!!」と思ってしまうのですから。(これが人気がない理由ですな)
そういうことで、株式市場で勝つためには、殻を破らないと勝てない。殻とは何かと言うと狭い朝三暮四型の思考です。パーセプションを広げることです。
行動経済学的にも、経済学的にも、消費税を上げて、それを社会保障費に回すというのは、全く正しい。人は、あればあるだけ浪費するわけです。私たちは皆、朝三暮四タイプですから。それを、我慢させて、オメーの年金、オメーで規律を持って運用もできないから、国がやっているんだよと政府はちゃんと言わない。それで、年金で株を買っていることがリスクだとかいう野党がいて、あのね、ピケティがr>gと言っているでしょ。不等式の左側(rとは株式市場のリターン, gとは年収の年率増加率と思えば間違いにはならない)にエクスポージャーがないと、老後困るんだよと言ってやればいいのです。でも、それを言わない。普通に自己責任で国民に老後を任せたら、資産を増やせない方々が多数いる。その中で、強制力を持って、消費税や所得から社会保障を積み立て社会の不安を軽減している。これほど、低所得者に取って、ありがたいものはない。GPIFが株のウエイト高めて、大成功しているのに、私たち国民は、「お!!GPIF。素晴らしい。よくやった!!」の感謝の「カ」の字もない。多くの投資力がない国民にとっては、強制的に社会保障や消費税を徴収しなければ、もっと困ることになるでしょ?自己責任では悲惨な老後になる。人間は目先の利益のことばかりしか考えることができず、お上の立場や全体を見る目が養われていない。そう政府ははっきり言うべき。(言えるわけない。本当のことを言うと更迭されてしまうので)
リスクを長期で正しく取ったら大きなリターンになる理由は、上場株の中には、確立されたビジネスモデルが存在するから。その確立されたモデルが破壊力があるから。例えば、アマゾンの破壊力。これは確立されたものだけがもつものです。
余談ですが、文部大臣が英語民間試験の導入を延期。身の丈にあって頑張れと言ったら、命取りになりました。狭い議論でしたな。田舎でTOEFLやっていない。当たり前じゃん。受けるやついないんだから。田舎が不利で、経済格差を容認だとさ。こっちは都会に住んで、ラッシュアワーで人間否定されているというのに。物価も高く、ランチも行列。ヒートアイランドで夏に死ぬ人もいる。仕事があるからいるだけで、好きで都会に住んでんじゃねーよ。バーカ!!と言い返して欲しかったが、狭い議論の中では正論ではありません。ですから、完膚なきまでに叩きのめされ世論にボコられてましたね。文部大臣。4技能は大切な出発点だったのに、残念ですね。大臣。
証券市場の成長率の高さとその仕組み
損したり、得したり、を繰り返しても富というものは増えて行きません。世の中のスモールビジネスのほとんどが赤字です。これは、スモールビジネスというものの本質です。これが朝三暮四。つまり、なんでもかんでも経費にしてしまう。生活費も経費にするから、スモールビジネスは、赤字でも、社長は(中古)ベンツに乗る。購入額即、減価償却費半分になるから。むしろ、税金払いたくないから経費としてのベンツに乗る。
こういうスモールビジネスの方々を100万人集めても、国家は成り立ちません。彼らの節税を助ける税理士たちと節税が目的の社長との集団が世の中を変えることはできないし、皆を幸福にすることはできません。彼らは全体の中で各仕事をしっかり請け負っている。自分の役割を果たせばそれでいいじゃありませんか。
(スモールビジネスを否定しておりません。スモールビジネスそれぞれの仕事が世の中のためになっているわけです。それぞれの仕事はとても社会に意義があることなのです。ただし、税金という観点からは節税が目的となっているスモールビジネスがあるということです)
それじゃあ、誰が国民を幸福にしてくれるのですか??と言えば、端的に、時価総額上位の300社程度ですな。その中で、国家代表なんだなという自覚をしっかりと持つ企業です。とにかく、国が困っているんや。外貨を獲得せえよ、と国民は願うわけです。通信企業であっても、銀行であっても、外国にも同様の仕組みを作ってしっかりやれと。もう、彼らはトライアンドエラーの時代を終えて、外貨獲得のフェイズに入っている。次はインドやアフリカ、絶対にミスるなよ。それだけの経験しているのだから。リーダーとして無様なことだけにはなるなと。高いMAするなよ。自前でちゃんと人を育てて、顧客を全世界に広げてくれ。それが時価総額の大きさのもつ意味です。小型株とはフェーズが違う。時価総額の分だけ国家を背負っているんだ。経営者はその気概をもち、国民のために、海外で必ずビジネスを拡大し成功させる責務がある。絶対に失敗は許されないのだぞ。それが大型株の経営者の存在意義です。経営者はわかっているのかな。すごろくの上がりだと思っているなら、残念です。最近の経営者は二言目には投資家、投資家というけど、フォーカスは国民。経営者は国民のために頑張ってくれ。それが投資家のためでもあるのですから。そして、成長株の投資家は10年後とか20年後の上位100社になるキャンディデイトを探すのです。これが皆を幸福にできるESGも兼ね備えた次世代型企業です。トップは少し気が狂っていないとダメですね。夢とかではなく、確実にハードワークする経営者が必要だというわけ。ハードワーカーを探す。これが本当の投資というものです。
政府の捉える雫理論(しずく理論)。企業が業績を拡大すると恩恵が投資家に行き渡るものです。これを政府は嘘をついて、恩恵が国民に行き渡ると主張しているので、全く人気のない議論になってしまった。それで金融庁は投資熱を上げたいのか冷やしたいのか、全くわからない議論ばかりをして、投資顧問認可をなかなか取れないように厳しくして、投資のプロの育成を損ねてしまっている。政府はしずくが国民に行き渡るなどという真っ赤な嘘をつかないで、しずくは投資家にならないと得られないといえば、しずく欲しさに投資を始めるから本当のことをいうべきです。政府は人気取りのため、このような真っ赤な嘘をつく。しずくは存在する。だが、そのしずくは投資家まで。リスクを追わない一般市民は蚊帳の外。それは仕方ないのないことで株持っていないお前が悪い。そういうべきです。政府はこういうべきです。リスクを負えない人まで恩恵を受けるようなユートピアは存在しないのです。なぜなら、フリーランチはないから。働かざるもの食うべからず。リスクを負わないことをフリーランチと思わず、しずくを俺にも回せとは、おかしい議論なのです。リスクを取れ。そうすれば得られるのですから。今時、大学生でもバイトで100万円ぐらい平気で貯めるのだから、一端の社会人なら年間50万円ぐらいは作って投資してください。65才まで年間50万円投資を続けるだけで問題は解決します。
証券市場に上場するためには、赤字になるようなビジネスではそもそも上場できない仕組みとなっています。普通にやれば絶対に黒字だと言えるビジネスが上場している。ところが、3000も4000も上場して、月日が経てば、世の中のニーズに合わない企業も多数出てきて、上場企業も優勝劣敗が明確になっていく。
負け組を全て含めた指数がTOPIXで、負け組を定期的に排除する指数が日経平均なので、日経平均は概ねTOPIXを上回るパフォーマンスを上げるが、仕組み的に、負け組を排除するとは言っていないので、国民にはその違いが理解されていない。
上場企業のうちの、ほんの1割程度が、上手くやり、ビジネスモデルを時代に合わせて確立する。そうなると、自然と外需型になっていく。
ユニクロも良品計画も元々は内需企業だが、製品や商品やサービスに自信を持つと、海外展開が成功するようになる。これが、国家にとって、外貨を稼ぐことになり、輸出が増えて、国が富む。そして、投資家への還元も増えるので、投資家も潤う。
トマスピケティが主張したr>gの不等式は、こうした確立されたビジネスモデル企業のもつ破壊力がベースにあるのです。
スモールビジネスとグローバル上場企業との違いは、明確であって、存在意義が違いますね。グローバル上場企業は、試行錯誤を繰り返した末に、獲得した知恵、「勝ちパターン」を有している。その知恵をもたらすのは卓越した経営者であるが、投資家も一役買っています。それは、株式市場の株価というシグナルです。経営者は自らの政策をIRを通して発表する。英語でも発表するのが筋です。世界中の投資家が訪問取材をする中で、様々な経営へのヒントを彼らは示唆する。議論を通して、方針を微調整できる。これは非上場企業にはできない芸当です。一方、開示をしすぎるとライバルに動向がわかってしまうので、IRは誰からも取材を受けないのが筋です。いくらお金持ちでも、情報をtwitterなどで拡散されると企業は困る。個人の資格で取材はできません。IRフェアぐらいで満足して、あとは株主総会で質問してください。それが建前です。それじゃいけないから、リンクスリサーチは有力投資家と組んでIRミーティングを個人投資家相手に開催しています。私たちがフィルターとなって、企業の情報を守っているから企業も安心するのです。動画で拡散は許していません。
投資家と企業が深い議論に入れば、どうしても企業の個々の事情を話すことになります。が、全てオフレコです。オフレコの話が漏れると投資家に損害が及ぶ。ライバルを利するから。かくして、私のように、金融庁に運用者として登録をしているものであれば、このような企業との契約が守ることができる。私はコンプライアンスの網にかかるから、企業も私を信頼する。ところが、個人投資家にはコンプライアンスがない。企業は情報の全てを個人投資家には開示しません。当たり前のことです。情報が欲しくて自らの投資成果だけを考えているだけならば、企業はこの人と議論する価値はないと判断します。企業に対して、議論ができる方々と企業サイドが認めるぐらいにならないとオフレコ情報はもらえません。オフレコ情報で投資が成功するわけではないのですが投資家の提言を受け入れてくれる対話できる企業であると投資家の中での評価が上がって行くのです。
証券市場の存在意義は、世界中の叡智を結集できるシステムにあります。シグナルが株価。株価が経営者の指針になり得ます。マーケットでついた価格は、スモールビジネスの場合、短期的な投資家であるトレーダーの思惑で動かせるものになりますが、確立されたビジネスモデルを持つ、破壊型の外貨獲得企業では、活動もグローバル、時価総額も大きいので、世界の総意が株価に反映されるのです。そうなれば、シグナルを頼りに経営ができる。投資家との対話も経営のヒントになるのです。
したがって、株式市場の社会的な役割というのは、衰退産業から成長産業への転換を補助することにあり、外貨を稼ぐ勝ち組企業を創出することが第一の意義です。その企業の活動が永続的に上手くいくように投資家がESGを通して企業を評価する。株価を通して経営との意見交換ができる、これが第二の意義です。オーナー企業であっても、上場すれば、市場の意見は無視できません。時価総額が大きくなれば、需給を刺激して、短期的に株価を上げる施策は取れなくなります。より抜本的な施策が必要となり、グローバルで勝つ、これが究極の目標に設定されるようになります。勝てる人材、勝てる組織、勝ちパターンを学び、ビジネスモデルへと昇華していきます。そうした企業が10年の単位では例外なく20倍、30倍の株価を実現していくのです。これが本来の投資なんだが、それを今、機関投資家が実現できないでいる。あまりにも短期志向で運用報告を1ヶ月単位でやっている以上、できない。それで私のような人気のないものが、こっそりとDFRで助言を始めて、10年10倍を目指すと目標を掲げたが、誰も信じない。信じてもらわなくて結構。絶対に達成するから。
スモールビジネスは、税金対策の企業がほとんどなので、株式会社が云々の議論には入れません。上場企業の1%は世界に破壊的創造を促すことができる。その1%を生み出すために、証券市場の全体が存在しているのです。
そのことがわからないと、なぜ、ユニクロがこれだけの評価になっているかは、わからないままで私たちは死んでしまいます。彼らに期待されているのは外貨の獲得です。そして、株主への配分です。その配分の恩恵を受けるのは、GPIFをはじめとする機関投資家であり、その恩恵は国民の老後への支払いに回されるのです。日銀も政府もはっきりとその道筋がわかって政策を動かしています。世の中にはそれが見えないで、こんなに国債の残高が多くて大丈夫かと心配する人々が多数です。
国債の残高を心配し、年金を心配する人々とは、朝三暮四の世界に生きる人々です。
国家財政には全く心配はないのです。いいですか。国家は権力なのですよ。軍事力もあり、その軍事力は海外と暴力的な一部の国民への威嚇のためにあるのです。つまり、国家の保身のために権力は存在する。日夜政府や日銀は頑張っている。権力全開の国家と権力に屈するしかない家計とをアナロジーで比べ見るべきものではないのに。家計に例えると、破産ですとコメントを発する人が多数いる。これは権力というものがわかっていない人の発想です。あるいは、行政側からも政策立案や景気刺激策ができる。国会議員に後追いの立法が多いので困っているのです。事故が起こった。事故を罰しようという後追いの法律はいらない。温度もちょうどよくて四季を楽しめる国、日本に住みたい海外の方々は大勢いるので、来日客が数年で何千万人になった。それは日銀と政府の手柄です。すごいぞ、日銀。すごいぞ政府とは誰も言わない。勝手にインバウンドが増えたと勘違いですな。円安を誘導したのですから。それはあからさまには言えない日米間の約束です。
例えば、永久債でも日本は出すことができます。国債も多くの外人が0%でも買っているのは、安全資産であるハードカレンシーの日本円には破綻の心配が全くないからです。逆説的ですが、スモールビジネス、自分の利益のために、経費を積む人々が1000万人以上もいるからです。国家はいずれ、そこから取ります。一方で、資産家からは、資産税の導入もします。必ずそうなる。移民も受け入れます。必ずそうなる。相続税対策を厳しくすることもできる。絶対にそうなる。それが株式投資というものです。そうなると考え、そうなるようにしていく。いかに、朝三暮四を脱するかを考えることです。毎日、懸命に努力して、目標を達成する。それが「脱!朝三暮四」です。
民間には3000兆円にも上る金融資産があり、日本全国の土地の価値も同様に存在しているが、国家から民間への貸付金であると見れば問題はよくわかる。死ねば相続税で国に戻るようになっている。国家には寿命がなく、個人には寿命があるから個人の分は国家のものになる。大きな時間軸で見れば、個人資産など国家からの貸付金にすぎない。それが嫌だから、無理にお金を浪費するのでは本末転倒。法人にしてもそれが税金対策であるなら、国家はいずれその対策するから、結局、長い時間軸で見れば民間の富と国家の富は同じものです。それが違うと思っている?? 違うといえば違うのですが、生きている間はね。
朝三暮四の人々が、あるだけ好きなようにお金を使ってしまうので。生活が苦しい。時給が1000円で低いからではなく、時給1000円の仕事しか選べないからです。毎日、懸命に正しい長期的な努力して、すぐに言い訳などしなければよい。そうすれば、時給1000円で働くということは絶対にありえない。プロの経営者になれば、その100倍です。英語だけしっかりやって外資系で働くだけで普通の事務でも時給は3倍にはなります。各企業の営むビジネスには大きな付加価値の格差があるのに、新卒の賃金はほぼ同じです。これが格差の正体です。金融リテラシーがないのではない。リスクを取りたくない。保証された人生が欲しい。朝4つで夕に3つが欲しい。朝3では損だ。その狭いパーセプションが人生を台無しにしているのです。投資というものは、人間の本能の逆をやるものですから。少数派のためにあるゲームですから。本能の通り、生きていて負けるのは道理です。機会平等は当たり前ですが、機会の平等よりも日々の努力量による個人の突破力の方が重要です。いくらチャンスがあっても、朝三暮四の人々にはチャンスを受け止めることができません。朝三暮四の集団から抜け出して、俺は一つもいらない。朝も夕方も一つもいらない。自分の分は自分で探すという人だけがチャンスを掴むのですから。
政府や日銀の考えは正しいのです。トランプ政権も同じです。国民の投票で選ばれた時点で正しい。上記の事柄が理解できたときに、本当の株式市場の役割が見えてきます。その中で、解決できないものは、国家間の勝ち負けです。民主主義で、言いたいことが言えて、ビザなくても訪問できて、株価が自由に決まる世の中でなければ、海外展開できるグローバルな戦士は育成できません。投資家は、中堅企業からグローバル企業へと変貌する企業を長期的に応援することで、素敵なコーポレートジャーニーを体験することができます。グローバル企業が強くなりすぎて、国家は手に余している感じがありますので、それが投資家のリスクかもしれません。グローバルに顧客を持つと、必ずしも、国家のためには動かず、顧客や投資家の利益のために動くかもしれませんので。
格差。格差が広がるのが問題ではなく、株式資産がない人が貧乏のままであり、株式資産がある人が徐々に金持ちになるという格差です。問題といえば大問題です。サッチャーが金持ちを貧乏にしても貧乏は金持ちにならないとして、そんな世界観が三十年以上続きました。少しその価値観に修正が必要になっていると感じています。バリュエーションが下がっているのはそうした懸念ですかな。
ところが貧乏な方々も、株式資産は強制的に徴収された消費税や所得税から社会保障や年金への負担を強いられているから、実際には、市場の恩恵に預かっているのです。ところがインパクトが小さすぎてそれが実感できない。
私は個人的に日本は豊かになっているんじゃないの?と思っております。連休ばかりで、休みばかり。日本はこんなに休んで休日ばかりの国になって本当に大丈夫なの?と心配しております。典型的な昭和のおじさんです。
でもその心配は杞憂。世の中のエリートは、休日には平日以上に働きますので。集中力が違う。休日は思い切り一人で働ける。砂浜ビーチはハードワーカーには一生不要です。一番、つまらないところ。一番楽しいのはハードワーク。世の中を変えるためのハードワーク。自分を変えるためのハードワーク。これは時給千円で休みなく働くということでは全く違う。仕組みの中のパーツでではなく、仕組みを作るためのハードワークです。それをやるのが投資家と経営者です。経営者や投資家に休みなんてありません。
無料の図書館があり、一人、こもって勉強できる空間が誰にも用意されています。誰でも提案できるSNSもある。勉強会を開催して仲間を作ることも容易い。忙しいですか? それとも自信がない? 公園で思索し散歩でもして新しい一歩を踏み出してください。勉強など、みんなでやるものではなくて、自分でやるものですから、一年360日は一人で勉強して、5日ぐらいは仲間とその成果を持ち寄って集まってみてはどうでしょうか? 余計なお世話!! 私、人気がないものですから、余計なことを申し上げてしまいました。あい、すみません。
筆者について
山本 潤 (やまもと じゅん)
ダイヤモンドフィナンシャルリサーチ投資助言部にて投資判断者を務める。株の学校長期投資ゼミの講師。コロンビア大学大学院修了。哲学・工学・理学の3つの修士号取得。外資系投資顧問のファンドマネジャー歴22年。日本株の成長株投資を得意としている。外資系投資顧問会社クレイ フィンレイ日本法人共同パートナーで日本株及びアジア株の運用などを経て投資教育の会社を設立。現在も年間400社前後の会社訪問と投資判断を行っている。1997-2003年年金運用の時代は1,000億円を運用。その後、2004年から2017年5月までの14年間、日本株ロング・ショート戦略ファンドマネジャー。過去20年超の機関投資家としての運用戦績は年ベースで18勝4敗の勝率8割超。
現在は、DFR(ダイヤモンド フィナンシャル リサーチ)投資助言部において日本株ポートフォリオ22銘柄で投資判断の助言サービスを行っている。2019年10月31日現在、年初来では+24%の成績(TOPIX配当込みを10%程度上回る成績)を提供している。実績のリスク(リターン標準偏差)は年率20.5%で売買回転率は年間55%となった。設定されたリスクは当初20%で売買回転率は当初100%を目指していた。
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