成長市場と衰退市場 by Ono
市場の捉え方 成長市場と衰退市場
成長企業への投資
突然ですが問題です!
成長市場とは?
衰退市場とは?
それぞれについて
”需要”
という言葉を使って一言で説明してください。
答え
成長市場とは
→ 需要が強い
衰退市場とは
→ 需要が満たされた
では
成長する市場
衰退する市場
と聞いてどんな市場を思い浮かべますか
よく言われるのは
成長する市場
ロボット、AI、自動運転、5G
衰退する市場
食品(人口減少 高齢化)
コールセンター(自動化)
などと言われます。
しかし、本当にそうでしょうか。
成長市場については
”需要が強い”
というのは理解できますが
衰退市場は少し違う印象を持っています。
衰退市場とは
”需要が満たされた”
と企業が思った瞬間に生まれる市場のこと
と表現するほうがしっくりくるように思います。
同じ市場で競合していながら、
成長している企業もあれば
横ばいで苦しんでいる企業もいる
需要が満たされているとすれば、どちらの企業も横ばい
利益率が低いということになるのではないか
もちろん
需要とは
量だけではありません
質と価格の両面について需要があります
衰退市場=成長市場
というとらえ方ができればその企業は成長の可能性があります。
衰退市場ととらえた時点で
その企業は
需要は満たされてしまった
ととらえているからです。
満たされていない
ととらえれば、まだその市場で付加価値を提供できるのです。
成長市場を別な表現をすれば
”見えない需要”
が顕在化した市場のこと
と言えるかもしれません
“需要が満たされる”
ということはない
“需要は生まれ続ける”
人間の欲求に限りはない
企業は見えない需要を創造する
企業だけではありません
投資家にとっても同様です。
多くの投資家が
衰退市場
と認識しているほうがアルファを取れるチャンスがある。
企業がその市場に対してどうアプローチしているかを理解する
成長企業への投資とは
“見えない需要”を顕在化する企業
への投資
ということなのです。
例えば
ピックルスコーポレーション
ご飯がススム
で業績を伸ばしています。
”成長企業”
というキーワードで取り上げられるのは意外でしょうかw
株価はゆっくりですが右肩上がりで上昇
全体市場が縮小するなかどんな企業を選別すべきか
企業の選別条件
・(衰退市場の中に)成長市場を見出す
・市場シェア上位を選択
・積極的な設備投資を実施
(または表明)
・(その結果)スケールメリットを生かせる
まず開示資料を見てみよう
・売上成長を続けている
・低い配当性向 17%
・FCFは赤字(継続的で積極的な設備投資)
→ 成長ステージである
・設備投資資金として借り入れをせず (財務CFから)
→将来のキャッシュフローが読める=安定している
過去の設備投資実績を見ると売り上げが落ちた2017年2月期も
設備投資をしっかり行っている(FCF赤字)
〇市場は?
食料品市場は?
人口減、高齢化 消費量減により成長鈍化
さらに
漬物市場は?
縮小、衰退している
漬物 市場規模 (同社シェア)
1998年 5,000億円
2003年 4,700億円
2008年 3,800億円
2016年 3,240億円 (11.2%)
2017年 3,200億円 (12.7%)
市場をどの角度から見るか
=市場を創出
同社の見方
市場≠漬物市場
市場=キムチ市場
漬物市場が縮小する中で
キムチ市場は前年比+10%以上(販売開始時)
”市場創出”
言うのは簡単だが極めて困難だろう
特に消費者向けの商品は困難を極める
・消費者:保守的な思考を打破できるか
・市場開拓:顧客(販売店)とのネットワークを構築できるか
・設備:大手顧客に対応するためには大量生産ができるか
コンビニ、スーパー、ドラッグストアが相手ならば不可避
しかし
クリアできれば
高い新規参入の壁になる。
参入障壁が高い=顧客は乗り換える先がない
乗り換えが困難=値上げも可能
*近頃流行りの“サブスクリプション”について
仕組みで乗り換えを困難にしている部分があるのですが・・・
サブスクリプションの特徴の一つは
価格負担にあります。
ということは
別のアイディア次第で価格を下げ、
乗り換えられる可能性があることにも注意したい。
さらに値上げも難しいだろうと予想する。
他の投資家とは違う視点で成長企業をとらえてみよう
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