株式投資 アートや感性の磨き方?? by yamamoto

理詰めで説明できるものは限られます

2019年。パラレルワールド東京の世界。パラレルワールドというのは今の我々の存在する世界とは別に何重にも存在している世界。

パラレルワールド東京。そこでは、東京の不動産はパブル状態になっているのです。私の友人の永沢くんは、バリュー投資家。不動産株で急成長しているパラレルリアルエステイト社を信用で買っている。理由はPERが3倍と低いこと。業績が急拡大していること。

業績急拡大の理由は、バブルが始まる前に、東京郊外の土地を大量に確保していたからでした。ワンルームのタワーマンションを江戸川区や江東区の海抜マイナス地域に供給。都心への近さから売り出せば完売という状況を5年続けています。

通常、PERの3倍というレベルは、非常に危険な兆候なのですが、なぜか、永沢くんは、それを株価が割安なんだと解釈したのです。

しかし、実際は、パラレルリアルエステイトには重大な問題があったのです。バブルにより江戸川区の郊外の地価までが急騰。10年前に大量に仕入れていた値段の倍を払っても入札できるかどうか、わからない状況でした。現状の地価で土地を仕入れることは、銀行も難色を示しましたし、営業部長の毛利さんも作っても高すぎて売れないと杉本社長に抗議しているところだったのです。ところが、杉本社長は、こう言います。いいか、毛利、もう、在庫がないんだ。このままでは来年からの仕事がない。人件費丸々大損だ。薄利でも作って売るしかないんだ。毛利部長は必死です。いや、社長、ここは、バブルの崩壊を待って、それまでは他社の営業代理で食いつなぎましょう。毛利部長の考えがより現実的な選択でした。営業代理となれば、黒字にはならない。赤字。ただ、高騰した土地を仕入れると、資金繰りができず、倒産となります。

そんなパラレル東京の事情を投資家の永沢くんは、わかっていませんでした。安いねよね。この株価、安すぎるよ。そういって、twitterで煽りまくっていました。tweetのほとんどがパラレルリアルエステイトがいかに安いかということをアピールするものでした。絶対に買いだよ。

毛利部長の抗議も虚しく、杉本社長は、暴騰した土地の仕入れを決断します。江戸川は南北に長く、船堀駅と西葛西駅の中間にあり、徒歩圏15分のタワーワンルーム用の用地を高値で大量に取得する手続きに入りました。銀行団はノー。そのため、杉本社長は、主幹事を呼び、MSCBを発行決議。なんと、時価総額の倍の金額の調達を目指しました。翌日から株価は4日連続のストップ安となりました。パラレルワールドで永沢くんは破産。反対売買もできない惨状で、借金だけが残りました。その後、一旦、リバウンドしたものの、毛利部長の懸念があたり、大量の在庫がはけず、パラレルリアルエステートは民事再生法を適用。株価は紙くずと化しました。

このようにパラレルワールドの悲惨な倒産劇は、割安不動産株だけでなく、相続税対策に関わる全ての企業、太陽光発電や焼却処理場など、補助金頼みのビジネス、あるいは、バランスシートを用いる金融全般、あるいは、少ない顧客に売上を依存する下請け企業などで悲惨な光景が現在も続いています。恐ろしいパラレルワールドが垣間見めえるようになったら….今もパラレルワールドでは倒産が相次いでいます。幸い、毛利さんも杉本社長もその後は人生をやり直すことができるでしょう。ただ、残念ながら、永沢くんのご家庭は崩壊してしまいました。一点集中で信用で買ってしまったのは不幸でした。

もちろん、ぶっ飛んでいるパラレルハッピーワールドもあります。PERが100倍の企業たちの多くは、創薬会社などですが、10万分の1の確率で業績が10万倍になるぶっ飛びハッピーパラレルワールドを垣間見ることができます。 PER100倍の意味も、割高という訳ではなく、パラレルワールドのいたずら、とでもしてください。ああ、パラレルワールド…

投資は感性なのか

ビジネスモデルを5フォースなどでせっかく評価しても、定量的な評価ができないと勿体無いですよね。できるだけ、パラレルワールドの確率とぶっ飛びインパクトを考慮してみようというのが、リンクスリサーチの長期投資ゼミのアプローチです。計量できるものは計量するという態度はバリューエションには必要になります。多段階のDDMで割安か割高はたくさんのケースを並列的に考慮するのです。とりあえず計算してみるという感じでやってみるよいでしょうね。

感性は投資に有利かということですが、もちろん、そんなことはなく、アルゴリズムだけで感性ゼロでも投資がうまくできる人も多くいます。あるアルゴ通りに売り買いをする人々もいます。そういう人々には感性は不要です。

短期投資にもあまり感性はいりません。明確なカタリストの存在が拠り所になるからです。こうした明確なカタリスト、修正、発表、提携、MAなどのカタリスト。これらを拠り所にしていると特別に感性はいりません。

長期投資は、やや感性が必要ですね。それは、ESGが思い切りからむからですね。社会から歓迎されるものでなければならない。企業は競争にも勝たなければならない。経営者もウエットで感受性があって社員もまた感受性がなければ社会とのビンビンの対話はできません。

長期投資では、会計の知識もいらないですし、変動費と固定費を分解する手間も不要になります。その企業の持つ狂気と尖った部分を見つけて愛する心が多少、必要になるのかもしれません。感性の部分です。

感受性の高い経営者や投資家は、毎晩、毎朝、パラレルワールドの悪夢を見ます。うわー。そこにボトルネックがあったのか。そうきたか。そういう何万通りのシミュレーションが毎晩、パラレルワールドで起こります。

そこは顧客と詰めておけよ、なんで、そんな条件を飲んだんだよーとうなされて目がさめる。ああ、夢でよかったとなる。売り気配の夢はよくみる。職業病です。

そんな私でも、パラレルワールドの悪夢から逃れる技術を持っているのです。それは、学生時代、まったりと過ごし、自然の中で何年もかけて自分を見つめ直した経験があるからです。

つまり、今時の学生のように生き急がなかった。

沈む夕日よ。 海よ。空よ。山よ。

私は生きる意味を見つけるため、就職をしませんでした。卒業しても。昼間は、大学の屋上で懸命に紙飛行機を作り、屋上から下界に向けて飛行機の飛ばし方をずっと研究していました。その後は、人間の限界に挑みました。どれだけ自分自身を焼くことができるか。サンオイルで。朝日が登る頃に屋上に寝転がり、夕日が沈むまでオイルで焼き続けました。3ヶ月毎日やりました。もうこれ以上は黒くならないことがわかった時に、急に、自分の限界を悟りました。ああ、俺は日本人なんだ。黒光りする黒人ではなかったんだ。黒人の真似をしてもダメだ。日本人らしく生きなければならないと思ったのです。

それからは、思索ばかりしていました。夕方になると、一人、北浦に行き、真っ裸になって、泳ぎました。夕日が海に一直線に黄金の道を作りますが、その道をひたすら泳ぐのです。疲れると浜辺に上がり、一人、夕日が沈み、星が100出るまで座して浜辺であれこれと自分のこれからの人生について考えていました。月夜では夜光虫がキラキラと宝石のように輝く。私の裸体を滑るようにキラリと光る。美しい光景でした。しばらくすると鍋田塾で学生を教えて、その後、ポエムでジャズピアノを弾かせてもらい、マスターに最後はそばを作ってもらい、食べさせてもらっていました。そんな毎日でした。(ミュージシャンへの夢破れて目標を完全に失っていたのですから…)

私は同級生たちが卒業する時に、大学に舞い戻り、それから2年間の留年しました。ランドセルがいらない大学六年生でした。親の勧めで公務員試験に申し込みはしましたが、受験勉強もせず。結局、受験日には楽器屋さんを回って、試験をすっぽかしてしまいます。かといって、民間企業への就職活動も全くしませんでした。ああ、俺はあんなに努力したのに音楽屋にもなれず、惨めだなあと夕日を見て、どうすっぺ。これから。と今後の人生設計について一人で考えていました。山にこもるか。海に潜るか。自給自足はできるのか。山小屋で森で暮らすことはできるのか。農業は嫌だな。潜るのはできそう。さて、さて、さてと。しかし、どうしてあんなに練習してもプロになれなかったのだろうか。。。堂々巡りですよ。もう一度、プロを目指そうかな。いや、俺には才能はないし。。。

夕方になると、夕日が沈むのを毎日、眺めていました。一年ぐらいは眺めていたと思います。夏も。冬も。

ある時、神の啓示が降りました。天気のよいある秋の日でした。私はいつものように北浦に一人でやってきて、夕日を見続けていました。太陽が地平線にすごいスピードで落ちていく。その時でした。

ガクガクと地球が割れて、私は宇宙にいました。太陽の周りを回る地球が猛スピードで移動していることが宇宙からの視点で実感できたのです。

なんだこれは!!! 地球が猛スピードで自転しながら太陽を遠目に見つつも回っているものですから、もはや、私は自転の力で立てないのです。立ってもGでなんどもなんども地球に倒されてしまうのです。さっきまで、宇宙にいたのに、北浦の浜辺で倒れている。地球の自転の速さが強くてビュンビュンと暴風が体にあたり、飛ばされてしまう。おい、地球、自転が速すぎるぞ! もうちょっとなんとかならないかなあと呟いた。立とうとしても立てない。地球の自転スピードがめちゃくちゃ速いのです。それに圧倒されてまた倒される。ビュンビュンと暴風が吹く。次の瞬間、急に静かになって、パラレルワールドから解放されました。北浦に私はへなへなとしゃがみ込んでいました。私の目には涙が浮かんでいました。生きなければならない。この素晴らしい世界を。地球はなんて美しいのか。俺の悩みはなんてちっぽけなことだろうか。

その体験があってから、私にはパラレルワールドがはっきりと見えるようになりました。よかったこととしては、ストレスがない状態を自分の意思で作れるようになったことです。

地球や宇宙と一体化することが、それ以降はできるようになったのです。ストレスを感じた時に、夕日を思い出すだけで、すっとそのストレスはなくなります。ファンドマネジャーというストレスある仕事をしていても、全くストレスがないのは、学生の時の、アホな時間の使い方のお陰です。

あの時、夕日を見ながら考えたことは、宇宙の大きさ。そして、地球の素晴らしさ。それ以上のことは、人生にはいらないんだということ。

 

あの夕日以来、自然に女の子にはモテるようになったのです。不思議ですね。わけがわからないものに女の子は惹かれるようです。私は中身が全くない、何を考えているのかも自分でもわからない人間です。そういうわけのわからない自分、実力のない自分、自分勝手な自分、そういうくだらないバカな自分をそれでも愛するしかない。不思議な体験ですが、PER3倍の企業を見ると、私には毛利部長と杉本社長のパラレルワールドが見える。お前、頭大丈夫か???という感じですが、投資には理詰めな部分と、感性的な部分との両方が必要なんではないかと思ったりしたものですから。すみませんでした。変なお話で。

ディープインパクトの夕日と投資の歌 昨年作った歌

====歌詞====

日経新聞を読んで 

モーニングサテライトを観て

tweet blog チェックして何かが整理できるの?

四半期決算確かめて 

業績の進捗をはじいて

IR資料を読み込めば確信が得られるの?

沈む夕日は切ないほど 

美しいのにtop gearで落ちていく

地面がガラガラと崩れる 

回り出す

地球を身体で受け止めよう

自転の速さに圧倒されてクラクラとしゃがみこもう

落ちるリンゴを見るときはリンゴに囚われるな

日経新聞を読めば世の中が理解できるの

モーニングサテライト観ればマーケットがわかるの

政治家のtweet読みば何かがチェックできるの

株価の動きを追いかけて株価がわかるというの

見えないものが見える人を見える人しか見えないのなら

感じて信じて託そう 僕らの願いを 見えるひとたちに

落ちるリンゴが見えても リンゴに囚われるな

落ちる夕日のスピードにクラクラとしゃがみこんでも

僕らが直面している深刻な社会問題も きっと僕らで動かせる 

半歩の半歩でも トライさえすれば

今日も風が吹いている

一千年前と同じ風が

Falling apple what do you see?

成長株投資

Posted by 山本 潤