6027 弁護士ドットコム 社会を変える 未来を変える by Ono
6027 弁護士ドットコム レポート
弁護士の方のお世話になったことがあるだろうか
”そんな物騒なこと”
”大きなトラブルにあっていないから”
なんて思い浮かぶ方が多いのではないか
多くの日本人にとって
”弁護士”
とは、普段の生活では関わらない、大きな事故やトラブルなどがあった場合にお世話になるであろう存在で、実際に人生で1度か2度お世話になるかどうか。
しかし、20年後、30年後の日本ではもっと身近な存在になっているかもしれない。
同社の活躍によって、日本の将来は今の延長線上ではなく、違った未来、”理想の未来”に近づいていることを期待させる。
企業は社会課題の解決のために存在する。
社会課題の解決によって、”過去から現在” の延長線上にない ”理想の未来” に導く
社会課題を解決することで生み出される価値の大きさが企業価値である。
同社が解決する課題、生み出す価値に注目する。
注目ポイント
・弁護士利用の”食べログ”化で弁護士の利用が当たり前の社会へ
・弁護士のポテンシャルを最大限生かせる環境をつくれば弁護士は増える!
・社会の変化の大きな波を作るクラウドサイン
・使命感でチャレンジを続けるマネジメントに託す
<経営理念>
同社が提供するサービスは
弁護士マーケティング支援サービス : 利用者と弁護士をつなぐ ”弁護士ドットコム” サイトの運営
有料会員サービス : 法律相談データベースの他ユーザー投稿への弁護士回答を閲覧可能にするサービス
クラウドサイン : WEBで契約締結から契約書管理まで契約作業を完結するクラウド型の電子契約サービス
税理士マーケティング支援サービス : 利用者と税理士をつなぐ ”税理士ドットコム” サイトの運営
広告その他サービス
の5つに分けられる。
今回は
主力事業で長期的に成長が期待される ”弁護士マーケティング支援サービス” と
急成長している ”クラウドサイン”
の2つについて紹介する。
*安定成長の”弁護士マーケティング支援サービス”
高成長の”クラウドサイン”
< 弁護士業界の課題 ”2割司法” >
”2割司法” という言葉をご存じだろうか。
一般生活者は日々の生活の中で大小さまざまな法的トラブルに遭遇している。
”詐欺”、”相続”、”離婚”など。
これらの多くは法的に解決できる性質のトラブルであり、
弁護士に相談すればスムーズに解決できるが、一人で悩んだり、友人や家族に相談したりすることで、
適切な判断につながらない場合がほとんど。
結果的に解決までに長い時間を要したり、解決策がわからず泣き寝入りしてしまう場合も多い。
法的トラブルが発生した際に、そのうち2割の人しか適切な司法サービスを利用していない。
ことを ”2割司法” という。
使わない理由は
経済的なハードル : コスト的に高い
心理的なハードル : ”高いのでは?”、”こんな程度のことで頼んでいいのか?”といった思い込み
などによって、利用せずに法的トラブルにあっても泣き寝入りしてしまう。
これによって本来生み出されるであろう価値の毀損が起っていることが社会的な課題である。
弁護士の利用を促進し、”2割司法” の問題を解決するのが同社のサービス
”弁護士ドットコム”
である。
〇投資家必要なのは”想像力”
長期投資家にとって最も重要なのは企業の分析力よりも、
企業の成長によって将来生み出される価値を想像する力。
例えば、弁護士業界の場合
1年間で何らかの法律トラブルにあった方が1,648万人、そのうち20.4%が相談しているが
のこりの80%、約1,300万人が相談せず、泣き寝入りしてしまっている。
同社の成長により、その1,300万人が法律相談し、短期でトラブルを解決したとしよう。
相談したことで有効活用出来た期間を新たな価値を創出することに使うことができる。
例えば、失ったであろう期間に一人2万円生み出したとする
(数日アルバイトすれば2万円くらいは稼げるのではないか)
1,300万人×2万円=2,600億円。
年間2,600億円の付加価値を生み出すことにつながる。
同社のサービスの利用が広がり、弁護士の利用が当たり前の社会になれば現実味を帯びてくる。
筆者はここに同社の事業の社会的価値の大きさを感じている。
<ボトルネックを解消し正の循環を生み出す>
実現するためのボトルネックは何か
主な要因は以下の3つであると筆者は考える。
①弁護士が足りない
②給与が低い
③業務がアナログで事務負担が大きい
①弁護士が足りない
まず、そもそも日本は弁護士の数が少ない。
日本の弁護士の数は 42,164人(2020年)
海外先進国と比較すると
米国 133万人
イギリス、ドイツ 16万人
フランス 7万人
日本は年間1,500人程度増える見込みで2047年ころには6.4万人との予測がある。
長期でみても世界の先進国と比べて圧倒的に少ない人数である。
(数値は全て弁護士白書より抜粋)
”世界に比べて平和な国だから”
という発想を持つ方もいるかもしれないが、前述の通り、大きなトラブルでなくても、弁護士の活躍の場は多く、
それによって救われることも多い。
日本において弁護士はもっと増えるべきであるというのが筆者の考えは変わらない。
②給与が低い
・経験年数の少ない(5年以内)弁護士の平均給与は10年で半減している。
2008年 1,613万円 → 2018年 735万円
・ベテラン(35年以上)の弁護士の給与はほとんど変わっていない。
2008年 3,416万円 → 2018年 3,312万円
これまで活躍のなかで優良な顧問先企業を抱え、変わらず収入を得られているということ。
収入減少の要因は主に2つ
・法律相談の案件数が増えないのに対して、弁護士数が増えたこと
・広告規制の緩和(2000年3月)により一部の大規模弁護士事務所に案件が集中したこと
新しく弁護士になった先生や中小規模の弁護士事務所は新たに顧客を開拓しなければならない。
マーケティングツールとして”弁護士ドットコム”サイトの活用が必須となる。
③業務がアナログで事務負担が大きい
業務手順は裁判所が規定するため、書類提出が対面、郵便、FAXなど基本はアナログである。
一人が30、40案件と担当する場合もある。
並行する案件を管理するためにExcelを利用したり、独自の方法で管理しているが業務の負担は大きい。
そこに同社は業務支援サービスを提供する。
効率化を実現し、本来の業務に集中できる環境を作る。
https://www.bengo4.com/lawyer/blog/123/
〇デジタルシフトにより弁護士数を増やす
現状は
・利用のハードルが高い
・利用が少なく活躍の場が限定される
・活躍の場がなく、弁護士のなり手がいない
・弁護士費用が高額になり利用機会が限定的となる
という負の循環がある。
弁護士にとって魅力的とは言い難い環境である。
同社は複数のサービス提供により法曹界のデジタルシフトを推進し
弁護士にとって魅力的な環境を整えれば、正の循環が生まれると考える。
・業務効率化し本業以外の負担削減によりコスト削減
・弁護士費用を下がり、利用のハードルが下がる
・活躍の場が増え弁護士の収入が上がる
弁護士にとって魅力的な環境になり、その結果弁護士数が増えることにつながる。
<クラウドサイン>
河野太郎行政改革担当大臣が
”約1万5千の行政手続きの99.247%で押印を廃止にできる”
と明らかにした。
”脱ハンコ”が急速に進みそうだ。
契約締結から契約書管理まで可能なクラウド型の電子契約サービス
契約交渉が済んだ完成済みの契約書をアップロードし、相手方が承認するだけで契約を締結することができる。受信者はクラウドサインに登録する必要がなく、導入しやすい仕組み。
すでに企業間の様々な契約をWEB上で完結する仕組みが急速に普及している。
筆者も取引相手から送られてきて、利用を開始した。
普及の状況は普段の生活の中では見えにくいが、企業間では急速に普及が進んでいるのである。
<業績推移>
営業利益:
クラウドサインにおいて機動的な投資判断ができるように営業黒字を維持するものの数値は非開示とした。
<2022年3月期業績見通し>
〇売上高
弁護士ドットコム及び税理士ドットコムはサイト訪問者数が回復傾向ではあるものの、不透明な部分があり保守的に計画する一方でクラウドサインは高い成長を見込む。
〇営業利益
<将来見通し>
弁護士ドットコムサービスの提供にかける思い
”弁護士を身近な存在にしたい”
”弁護士の先生の能力を発揮できる環境を提供したい”
同社は弁護士ドットコムのサイトを
弁護士業界の食べログのような位置づけとなるサイトに育成したい
という。
弁護士の先生をレーティングするということではなく、
自分が悩んでいる分野、直面している問題の解決を得意とする先生を身近で見つけることができる。
大きな事務所に所属していなくても、
”この先生は非常に信頼がおけそうだ”
ということがわかるようなサイトを目指す。
全弁護士の7割以上が一人、二人の小規模の事務所で頑張っている。
弁護士ドットコムの紹介サイトに加え、業務効率化サービスを提供し、
その先生の力を存分に活かすことができる環境を作りたい。
将来を見据えるうえで注目したい点を短期と長期で1つずつあげたい
短期:民事裁判のIT化
長期:中小企業向けの活躍という新たな市場
〇民事裁判のIT化という大きな変化
アナログであった弁護士業務において、民事裁判のIT化の動きが進んでいる。
民事訴訟手続をイ ンターネットなどのI T(Information Technology) を活用して実施する。
主な内容としては次の3つ
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/saiban/dai7/siryou4.pdf
以下のアンケート結果からもアナログな業務が改善されることによる効果は具体的であり、
導入による改善効果が早期に期待できるものである。
弁護士業界は大きく動くきっかけになる可能性がある。
注目しておきたい。
*民事裁判手続IT化への期待大 弁護士の8割が賛成【民事裁判手続IT化アンケートvol.1】
https://www.bengo4.com/times/articles/176/
〇中小企業の弁護士利用について
弁護士の先生の活躍が求められている場は一般生活者向けに限らない。
中小企業向けでも活躍の場があり、ぜひ活躍してほしいと筆者は願っている。
顧問弁護士がいない中小企業は多い。
弁護士がいない、知財部がない ITエンジニアがいない。
本業に注力し、鋭い武器は持っていながら防御なしで丸裸で戦っているような状態である。
顧問弁護士の契約の費用は様々だが、中小企業、スタートアップなどの場合、
月5万円、10万円程度と固定し、稼働時間を決め、追加があればタイムチャージしてもらう
というのが一般的である。事業上のリスクを考慮すれば高いという印象はないのではないか。
中小企業の場合
・裁判になったことがなく必要性について理解していない
・自社にとって適切な先生がわからない
ということで、顧問弁護士をつけていないと予想される。
何か起こった時の為だけでなく、予防法務の観点においても、
通常の業務上の交渉関係の相談役としても顧問弁護士が貢献できることは大きい。
以上を踏まえ、将来の同社の業績への影響を定量的に捉えてみたい
単価と弁護士数を分けて考える。
〇単価について
現在の提供単価は4万円弱で推移している。
学習支援、業務支援などを入れた価格。
法律書籍の読み放題サービスの提供もしている。
置き場所の問題、目的とする書籍を探すのも大変で、今後オンラインツールが当たり前になる。
それらのサービスにもお金を払うようになる。
一定のシェアが高まれば新しいサービスの追加により単価をあげることは可能と考えるが
現在は利用者増、シェア確保が優先であり、単価増は想定しない。
単価よりも長期的な可能性として注目すべきは弁護士数の見通しである。
〇社会の変化で将来の弁護士数は10万人超えもありえる
弁護士マーケティングサービスの成長可能性を考える。
大前提は弁護士数の将来見通しをいくつかのシナリオで捉える。
2022年3月期第1四半期末の弁護士数は
登録弁護士数 21,080(全弁護士数42,164に対する割合 約48%)
有料登録弁護士数 5,222(同社登録弁護士数に対する割合 約25%)
シナリオ① 現状の延長
2047年 6.4万人と言われている(弁護士白書より)
最低ラインとして以下の現在の割合
弁護士総数に対する登録割合 48%
登録者のうち有料登録の割合 25%
を2047年の予想に当てはめれば
有料登録 約8,000人
現在の有料登録数に対して1.5倍
シナリオ② ゆるやかな成長
次に特に中小事務所の弁護士にとってのニーズが高いと考え、
6.4万人に対して中小事務所の弁護士割合70%で4.5万人程度。
その半数が有料登録した場合 2.25万人
現在の有料登録数に対して4.3倍
シナリオ③ デファクトスタンダードに
25年後、弁護士は世代交代が進んでいるはずである。
高齢でWEBサービスなんてわからないという先生の多くは引退している。
新しく弁護士になる先生はIT化に抵抗はなく、
より一層弁護士業務のIT化が進み、同社のシステムがスタンダードとなれば、
全体の8割の有料登録5.2万人という数字も見えてくるのではないか。
有料登録者数は現在の約10倍。
シナリオ④ 社会が変化
弁護士が足りない、というのがそもそもの課題であり、
同社は各種サービスを提供し、働きやすい環境を作りだしている。
活躍の場が増え、収入が増える正の循環が作られれば必然的に弁護士は増える。
そもそも、6.4万人という前提が上振れするのではないか。
例えば、年間増加人数が平均1500人ずつ増え25年後に8万人。
8万人でさえ、イギリス、ドイツの16万人に対して、半分の水準でしかないことを忘れてはならない。
弁護士白書において弁護士数は2047年に6.4万人でピークアウトする想定だが
環境が改善され、必要とされる場面が増えれば、将来的に10万人以上に増えることも無理のない数字である。
10万人の8割が有料登録すれば8万人、現在の15倍。
同社の成長により、日本は現在からは想像できない社会に変化しているはずである。
冒頭で説明した ”2割司法” が解決に向かえば、解決されることで生み出される価値は極めて大きい。
〇有料登録者数の平均成長率10%以上 単価の上乗せで売上成長を加速
25年経過すれば弁護士の世代交代があり、同社が提供するサービスの浸透による業務のIT化は必然だろう。
だとすれば、シナリオ①は保守的過ぎる。IT化は中小事務所に限らず業界全体が動くのであるから
シナリオ③が最低ラインとなるだろうと考える。そこから、同社のサービスがデファクトスタンダードになり、いかに上乗せとなるか。
シナリオ③の25年で有料登録者数10倍は年間平均成長率10%程度となる。
*シナリオ数字のまとめ
<クラウドサイン>
短期的に業績寄与が期待できるのが、クラウドサイン。
クラウドサイン事業でTAM(Total Addressable Market:商品・サービスの総需要)は4,000億円あるとみている。
同社は今後3年で売上100億円程度に引き上げられ、その後も高い成長が維持できると考えている。
docusign(ドキュサイン)がすでに売上高が2020年第1四半期4.69億USD、年間で円換算すると2,000億円以上になる見込みであり、さらに前年比50%増で成長している。
依然として市場の普及率は10%にも満たないということを考えると成長余地は大きいと考えている。
より具体的な数字で見ていきたい
2021年3月期 会社計画 14.2億円 (上振れ見込み 着地は15億円程度か)
2020年3月期はARPUの上昇と顧客の増加で倍増程度は可能(会社コメント)
第3四半期の売上高は前期比2.6倍
主な要因は次の3つ
・有料企業数 2倍
・Businessプランの導入企業数 9.4倍
・契約送信数 2.3倍
*説明会資料より
・競合は
米Docusign
米AdobeのAdobe Sign
GMOグローバルサイン・ホールディングス (ティッカー 3788)
米2社は価格が高額のため大企業が対象となる模様。
国内ではDocusignの導入企業は 三井物産、オリンパス、パソナなど
競合製品と比べて大きな機能差はないとのこと。
〇将来の普及の姿はどうなるか
グローバルカンパニーは複数のシステムを使うことになるだろう。
グローバルでみるとドキュサインを使っている企業が多いため使わざるを得ない。
一方で国内を見るとクラウドサインを使っている企業が多い。
グローバルカンパニーは両方使うことになるとみている。
〇契約書の管理機能が重視される ”クラウドサインAI” が活用される
電子契約書を受信する側になるケースでは複数のシステムを利用して契約書が送信されてくるが、
送信する側となる場合、契約書を管理することも重要な機能となる。
管理で優れた機能を持つ電子契約書システムが選ばれると考えて管理機能強化に注力してきた。
トヨタからクラウドサインAIが選ばれたのもその点にある。
契約書をデータ化してクラウドサインに取り込む。
例えば、契約書の期限切れをのアラートを出したり、蓄積したデータについて様々な分析ができるようにする。
ドキュサインとして受け取ったものもクラウドサインに取り込んでクラウドサインとして管理することも可能である。
〇単価から考える将来見通し
開示企業数に占める有料企業数が非開示のため単価上昇による要因から考える。
①新たなプラン、サービスの提供
②大企業の導入が進む
①新たなプラン、サービスの提供
2020年3月期から開始した以下の新プラン及び新サービスが今後単価増に寄与する。
・standard plusプランの設定 2019年12月開始
固定費用 10,000円 → 20,000円
・クラウドサインNOW 2019年9月開始
固定費用 50,000円+1ID当たり8,000円
・クラウドSales Automation 2019年12月開始
固定費用 50,000円+1ID当たり8,000円
基本的な料金体系
・standard plus 2019年9月開始
会社コメント
「このプランは9月後半ぐらいからご案内を開始しているのですが、自社の営業メンバーがお客さまにご案内しているなかでは、4分の1ぐらいのお客さまに「Standard Plus」プランを選択いただいている状況です。やはりお客さまのニーズも非常に高い機能であり、ARPU向上という点でも効いてくると思っています。」
料金体系:月額固定費が2万円から
2万円の場合は書類の取り込みが1,000枚までとなっている。
1,000枚を超えて取り込む場合は、1,000枚単位ごとに月額固定費が1万円上がる。
・クラウドサインNOW 2019年9月開始
対面申し込み、対面契約でのペーパーレス化を実現
手書き申込書をそのまま入力され顧客管理システムに連携
「クラウドサインNOW」PRムービー
https://www.youtube.com/watch?v=aSEhHYvAYY4
・クラウドサイン Sales Automation 2019年12月より提供開始
中小企業や店舗、CRMツールなどを活用していない事業主向けにCRMを併せたクラウドサインサービス
電子契約だけでなく、営業の課題解決の為のツールを提供することでクラウドサインの導入促進につなげるツールとして提供。
顧客からの問い合わせフォーム、顧客管理システム(CRM)、申込書や契約書を作成・締結システム。
これら全てのシステムを自動連携し、営業プロセス全体の自動化が可能にする。
クラウドサイン Sales Automationにより、問い合わせから契約締結までのフローをすべて自動化し営業リードタイムの短縮を実現する。
Basic:すでにSalesforceなどのCRMツールを導入済みの顧客向け
顧客DBをクリックすれば申込書や契約書が自動的に作成できる
導入例:マネーフォワード
Standard:CRMツール未導入の企業にCRMツールを併せて提供
高度な申し込みフォーム、問い合わせフォームを自由に作成できる。
ワンクリックで契約までつなげられる。
お客さまの状況を確認するダッシュボードや、分析レポートの作成、顧客宛メールを配信する機能も付いている。
Business:「Standard」プランの機能に加えて、ワークフロー、カレンダー、掲示板など営業チームの生産性を高める業務アプリを併せて提供
②大企業の導入が進む
大企業は1企業当たりの取引会社数が多く、送信数も増加する。
*3月24日に掲載した日本経済新聞の広告紙面より
<内田社長について>
投資においてマネジメントを理解することは重要である。
代表取締役 内田陽介氏
チャレンジ精神があり、成長企業を育成してきたノウハウと人脈を持つ人材と思われる。
自身で独立して会社を立ち上げたり、関わった企業の不祥事にも向き合い、大変な苦労もされた。
〇経歴
大学卒業後、三菱商事に入社。
大会社の規模に自分の存在価値を感じることができず、将来が見え過ぎた未来に満足できず、半年で退職。
将来が不確定なベンチャーで自分の力で仕事を作りたいとベンチャー企業に目をむけるが、当時はどんなベンチャー企業があるかという情報が乏しく、ベンチャーキャピタルならベンチャー企業に会えるだろうと日本中のベンチャーキャピタル宛にメールを送る。その結果、穐田(あきた)社長と出会い株式会社アイシーピーに入社。
ITベンチャー企業への投資後の育成を担当。担当したうちの1社の株式会社カカクコムに出向。
2003年11月に株式会社カカクコム入社。
株式会社カカクコム取締役、フォートラベル株式会社取締役、株式会社カカクコム・インシュランス取締役に就任。
2014年12月株式会社みんなのウエディング代表取締役社長兼CEOに就任
2015年10月弁護士ドットコム株式会社に参画し、社外取締役に就任。2017年同社代表取締役に就任。
〇ポイント
特に同氏が大きな学びを得たのはベンチャーキャピタルとして最初に関わったカカクコムとのつながりと思われる。
カカクコムは13年関わり、
創業者の槙野光昭氏
2代目社長の穐田誉輝氏
3代目社長の田中実氏
とともに、カカクコムの成長をサポートした。
当時はまだ小規模のベンチャーで、事業立ち上げのノウハウもない状況で行動し続けることが大切だと学ぶ。
また、成長ステージに合わせて社長が交代することが成長を継続させるうえで大切であることも目の前で見てきた。
カカクコムが軌道に乗ってきた頃、弁護士ドットコムの創業者であり元代表取締役会長の元榮太一郎と出会う。
弁護士ドットコムの掲げる「専門家をもっと身近に」というミッションにも強く共感。
「専門家の知恵」は、より良く生きるための知恵。もっと自由に・もっと気軽に専門家に相談出来る、より安心して暮らしやすい社会の実現を目指すためにも、弁護士ドットコムでは「専門家をもっと身近に」というミッションを掲げ、事業を生み出している。元榮氏と出会い、誰かの人生にさらに強いインパクトを残す仕事がしたいと考えるようになった。弁護士を探すなど人生の重大な意思決定に介在出来る仕事に、強く共感した。
カカクコムの育成をサポートした後、東日本大震災もあり改めて自分の将来に向けて考える中で自分自身で起業してみたいと考えて独立。
独立後は、フリーのコンサルタントとして幾つかの会社をサポートした。その中で、弁護士ドットコムのコンサルも請け負うことになった。その後、カカクコムのノウハウを生かせるコンサル先の1つであった「みんなのウェディング社」に社外取締役として参画。その直後に同社の役員による不祥事があり、役員から社長を引き継いでほしいと依頼を受け社長就任。その後に弁護士ドットコムでの社外役員として参画。
元榮氏が政治家として立候補する決意を宣言し、選挙の結果、当選。上場企業の社長であり、政治家であった。その後議員として1年が経過した頃に、元榮氏から弁護士ドットコムの代表取締役社長就任の依頼を受ける。
元榮氏は常に「一か初を目指そう」と口にし、高い目標と志を掲げている。
しかし、そのプロセスでは常に王道を歩み、グレーゾーンを攻めるのではなく、地道かつ質実剛健な経営スタイル。
この元榮氏の考え方に共感し、社長に就任するという意思決定をした。
社外取締役でありながら、社内に席を設けており、従業員との交流も頻繁にあったため、違和感なく正式なメンバーとして就任することが出来た。
元榮太一郎氏が内田氏を選んだ理由
・商社をやめベンチャーに飛び込んだチャレンジ精神
・カカクコムを日本を代表するメガベンチャーに育てた経営陣としての素質
とのこと
チャレンジ精神と成長企業を育成してきた内田社長の手腕に期待したい。
<バリュエーション>
時価総額 1,863億円
株価 8,370円
配当 無
<基礎情報>
弁護士白書より抜粋
①過去推移
②将来予測
③増加の背景と将来予測の前提
①過去推移
②将来予測
弁護士白書2020年版 弁護士人口将来予測より 合格者1500人維持の場合
2047年ごろまでは増加を続け、以降は登録取り消し者が上回ることで減少または横ばいとなる。
*弁護士数(日本弁護士連合会 統計情報より)
https://www.nichibenren.or.jp/document/statistics/fundamental_statistics2020.html
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/statistics/2020/1-1-1.pdf
③将来予測の前提
これまでの増加の背景
2000年ごろに始まった司法制度改革によって増加が加速した。
裁判の迅速化と共に法曹人口の拡充を目指して改革が行われた。
改革の内容
・2004年ロースクール(法科大学院)の開校
司法試験に受験資格の指定がなく、誰でも受けられる状況だったものが質の高い人材の育成が求められるようになったことで、
ロースクールを卒業するか司法試験予備試験に合格することが司法試験の受験資格になった。
・司法試験の見直し
旧司法試験は一次試験、二次試験にわかれており、口述試験があるなど難解で合格率は5%にも満たない状況だった。
新司法試験ではロースクールで学べるようになったこと、口述試験が廃止されたことで2006年の合格率は48%となった。
その後も受験者数、合格率は変化するものの年間1500名程度の合格者が生まれている。
弁護士登録取り消し数は年間で全体の1.4%程度(600人程度)で弁護士数の純増が続いている。
・司法試験合格者数
直近の数値
2020 受験者 3703 合格者 1450
受験者:令和2年司法試験受験状況 http://www.moj.go.jp/content/001328124.pdf
合格者:司法試験法科大学院等別合格者数等 http://www.moj.go.jp/content/001339270.pdf
・登録取消数(辞める方の数)
・各国との比較
絶対数で欧米先進国と比べると低い水準にある。
他の先進国に比べて争いを望まない国民性から案件数が急増することはないと思われるが
一定数の増加は続くことが予想される。
・事務所の規模別弁護士の人数
小規模事務所(1~10人)に所属する弁護士が76%
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/statistics/2020/1-4-1.pdf
コンプライアンス強化、ガバナンス強化が叫ばれて、組織内弁護士が増えている。
全体に占める割合は6%程度
・弁護士収入
弁護士活動のみの収入
全体の平均が年々低下している。
経験年数の浅い弁護士の収入の減少が顕著である。
2018年弁護士白書 特集”近年の弁護士の実勢について”
*2018年の調査は表の下にある通り、経験年数ではなく司法修習期を基に算出しているが
経年比較をする上では問題ないデータ
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