3836 アバント 連結決算システム国内シェアNO.1 営業利益平均成長率CAGR18%を目指す! by相川伸夫

長期経営目標『2027年には現在の配当を10倍以上にする(2018年6月期予想一株配当10円)

個人投資家向け説明会を16年に2回、17年に7回、18年4月現在2回開催、18年には東証IRにも出展。1Qごとの決算には説明資料も開示、大変IRに積極的な経営をされています

会計・経営情報の【見える化・使える化・任せる化】の3本柱に注力した成長戦略を描いています。

同社はストックビジネス指向の強い経営戦略なのも魅力であり、これからの投資が面白くなる大きなポイントは【任せる化】のアウトソーシング事業(これもストックビジネス)に大きな魅力を感じました!

◆アバントって何をやっている会社?

アバントの中核事業は『使える化』に分類されている『DivaSystem』

株式投資をしているなら、ほとんどの方が見るのではないか?

2000年の会計ビッグバン以降、連結会計制度の一般化・キャッシュフロー計算書の制度化・時価主義的会計方法への変更等の制度変更が進み、今日では親会社単独ではなく連結会計での会計がメインとなりました。

その連結決算会計に使われるシステムの【開発・販売・サポート・コンサルティング(見える化含む)、アウトソーシング】までを事業展開している会社がアバントです。

連結決算ソフトにも様々なものがありますが、アバントが手掛けているのは比較的ハイエンド向けであり、17年12月末の販売実績963社ではその約4分の3が上場企業になります。

<アバントの販売実績開示から一部を抜粋>

・トヨタ自動車株式会社(507社:57社)

・日本電信電話株式会社(944社:118社)

↑※NTTグループの事

・株式会社NTTドコモ(117社:23社)

・KDDI株式会社(165社:35社)

・日本たばこ産業株式会社(210社:13社)

・株式会社デンソー(190社:60社)

・パナソニック株式会社(431社:83社)

・株式会社セブン&アイ・ホールディングス(149社:26社)

・日立グループ(864社:388社)

・花王株式会社(111社:6社)

・株式会社ブリヂストン(288社:147社)

・アステラス製薬株式会社(81社:10社)

・中外製薬株式会社(17社)

※(〇〇社:〇〇社) 左側が連結子会社数、右側が持分法適用関連会社数

上記子会社数、関連会社数は有価証券報告書、ホームページなどから引用したものになりますので、多少の数字のズレはご容赦ください

こうした連結子会社が極めて多い大手企業にも同社のシステムは導入されており、また、

時価総額TOP50社中27社

・時価総額TOP51~200社中95社

の大企業にも導入されています(2017年6月末時点)

同社はこの部門(連結会計システム)において国内シェアナンバーワンです。

競合にはISID(電通国際情報サービス)、SAP、日本オラクルなどがあります。

<時価総額・財務基盤・従業員数等>を比較しても圧倒的な企業規模の違い(数倍~数十倍以上)がありますが、それらの競合大手を抑えて国内シェア一位というからには明確な強みがあるから成しえたのです。

 

アバントの強みはその【高い専門性】です。

事業コアを連結会計システム『DivaSystem』を基軸に展開しており、グループ経営を支援する。

具体的なサービス利用者(顧客)は企業のCFO(最高財務責任者)及びその組織です。

また連結会計関連事業の収益構造は以下のようになっており、連結子会社が多い会社ほど受注したときの初回費用もその後の保守サポート金額も大きくなります

・ライセンス収益=使用者数(子会社数)×ライセンス

・コンサルティング収益=システムカスタマイズ費含む(ライセンス以上の金額になることが多い)

・保守サポート収益=ライセンスの定価(値引き前)金額のおよそ15%のストック収益

◆CIFO ACCELERATOR (情報・財務戦略の推進者)

アバントを理解するためには世界的な『会計業務』に関する大きな流れを理解しないとミスリードの恐れがあります。

まずは、聞きなれない人も多いかもしれない横文字をまとめます

・CEO(最高経営責任者⇒代表取締役、社長)

・COO(最高執行責任者⇒副社長、取締役)

・CFO(最高財務責任者⇒財務部長、取締役)

・CIO(最高情報責任者⇒情報担当役員、取締役)

 

上記はアメリカから入ってきた横文字・概念であり、日本でこれらの役職を作るかどうかは企業の任意です。

しかし、この役目を担う部署は間違いなく存在します。

昔はCFO(財務部門の長)のポジションの主な役目は会計処理でした。

四半期決算を出すための計算処理や確認に2か月かかることもありましたが、システム化により、それらの処理は数日、究極的には数分にするまでも可能な領域になってきました。

CIO(経営戦略部門の長)は1990年からその必要性が叫ばれましたが、2015年6月に経済産業省よりリリースされた『平成26年情報処理実態調査』によれば、国内のCIOの設置率は29.5%、兼任者でも26.2%、専任者はわずか3.3%と、米国等に比べて圧倒的に遅れを取っているのが実情です。

なぜでしょうか?

手厳しいようですが、その要因の一つに【担当役員の高齢】があげられるでしょう。

ITは現在も大変目覚ましい速度で進化しています

 

1990年にはインターネット普及率は国際的にもほぼゼロ

1995年の11月にWindows95が発売され、1997年にNTTから最大128kbpsの常時接続サービス「OCNエコノミー」が月額38,000円で提供開始

その同年1997年に現在も代表取締役で議決権26%保有の森川氏が当時31歳の若さでアバントの前身『ディーバ』を起業

2000年には月額数千円でネット接続できるいわゆるブロードバンドが始まり、この年に冒頭で述べた『会計ビッグバン(会計制度の大幅な改変)』

社長の森川氏はこれを踏まえて起業したわけなので先見の明があると言えるでしょう

1995年⇒2000年には国内でのインターネット普及率が数%⇒30%まで急増。

右肩上がりにインターネットは普及していき、回線速度に比例するようにそこから得られる情報量も爆発的に増加。

現在ビッグデータの活用などもしきりに叫ばれているが、十分な活用はまだできていないでしょう。

こうした背景の中、CIOに現在求められるのはこうしたIT情報を使った経営戦略・リスク管理をすることです。

しかし、経営戦略とは内部(企業財務)と外部(社外のあらゆる情報)の両輪で成り立つものです

CFOの役割は現在CIOとしての実務も求められています。

その責任者をCIFO(財務・情報から意思決定をする人)と呼称し、

アバントは企業に提唱します。

「御社(CFO)の抱えている組織は経理決算・税務処理をするだけでは勿体ない!そうした作業は弊社のシステム(DIVA-連結会計関連)を導入して簡略・省人化できます。弊社(アバント)なら会計丸投げ(FIERTE-アウトソーシング)も請け負えます。現在の経営状態を瞬時に可視化(ZEAL-ビジネスインテリジェンス)できます。今までは会計処理だけでも良かったもかもしれませんが、これからのCFOはファイナンス(金・物・人の最適化)までしなければこのグローバル競争を生き残れませんよ!!」

という風な、このようなセールストークを私はイメージしました。

 

先ほどのCIOが日本ではほとんど置かれていない理由に【担当役員の高齢】があると書いたのは、こうした時代の変化に企業の多くが付いていけているとは全く思えないからです。

 

では、そうした企業はどうするのがいいのか?

・専門の人に相談しましょう!

・専門システム導入しましょう!

・専門の人に丸投げしましょう!

…と、なるわけです。

 

企業にとって、ましてや本社人員(管理者)は固定費でしかない以上、処理する情報が爆発的に増えたといっても人員を増やすのは容易ではありません。

売上把握に税務処理、勤怠管理、給与計算、予算計画、リスク管理、M&Aなどなど本社の仕事は多岐に渡ります

上場企業によっては財務責任者とIR対応と経営企画担当が兼任なんてのもザラな話だと思います。それほどにいくら忙しくとも本社人員=固定費なので、経営観点からも株主目線からも安易に増やすべきではないし、増やせないのです。

しかし、正確な経営の把握と適切な経営戦略は成さなければなりません。

 

アバントはそうした悩めるCFO・CIOの味方です

近年はIFRS(国際財務報告基準)の導入という追い風も吹いています。

IFRS導入での顧客大幅増を期待する意見もありますが、それよりもむしろ

・今まではDIVAで会計処理だけだったが、BI(見える化等)もお願いしよう

・現在10人で会計処理に1か月かかっている。外部委託した方が人件費も安くなる。

このIFRSという追い風を口実に『追加予算』は取れるでしょう。

 

アバントのお客様は会社の『財務』を管理している方であり、導入することで財務担当の抱えている負荷が減るのです。

負荷が減った分、より価値の高い仕事ができるのです。

・一度導入した連結決算システムはまず解約しません(システムへの馴染みがあるから)。

・一度外部に会計処理を丸投げしたら、まず解約しません(会計処理業務をしていた方は他の仕事を始めるから)

 

これらの導入予算捻出・及び導入の決定は誰が行うのか?

CFO、もしくはCFOから報告を受けたCEOでしょう。

◆任せる化―アウトソーシング事業への期待

アウトソーシング事業の変遷についてが↓です

・1997年に森川氏が『ディーバ』設立。連結会計システム『DivaSystem』の販売

・2004年、DivaSystemを導入している顧客の内一社が会計処理までやって欲しいとの要望が強く、この一社だけアウトソーシングを請け負う

・2012年、世間からのアウトソーシングのニーズが強いと確信し、事業部(数名)を設立

・2017年、アウトソーシング部門は5年平均30%以上の売上の伸びで急成長。数名だった人員は100名にまで増え、売り上げ規模も全体の10%の10億を超えたことをきっかけに子会社フィエルテとしてディーバから設立

 

という歴史です。

アウトソーシング事業というのは決算業務などをお客様に代わって実施するサービスを提供することです。

自分達(企業側の決算業務に従事している人員)の人件費よりもアウトソーシング費用の方が安価になるサービス構造なのでニーズがとても高いのです

現在、連結決算のDIVAを契約している企業、つまり963社の内、アウトソーシングの委託を請け負っているのは10%程のようです。

同社としてはこれを少なくとも50%までは持っていけると考えているようです。

そして、このアウトソーシングというのは参入障壁が簡単なようでとても高いというのを感じました。

単なる数字の処理であれば海外の安い人件費でやってもらうビジネスもありますが、同社が扱うのは『インサイダー取引リスクがとても高い経理情報』です。

アウトソーシングする企業側からしても【 費用<<<信頼性 】です。

 

フィエルテでアウトソーシング事業に従事するのは正社員だけあり、かつ重要機密を扱うことに関する誓約書も四半期に一枚は書かせるとのこと。

さぞやきつい業務かと思いきや残業も多くはなく、とても良い環境で仕事が成されているとのこと。

離職者が出る事もリスクが高まることから給与や福利厚生も悪くないものと想定できます。

四半期決算は3か月ごとなので、多くが重なる3月期決算以外は働きやすい環境なのでしょう。

 

このアウトソーシングは現在売上10億(ストック型収益)ですが、5倍(DivaSystem導入先の50%想定)になれば単純計算だと50億の案件です。

今のところ上場企業向けの会計処理の競合は確認できません。

 

これにより、冒頭の連結会計の競合他社からもアウトソーシング案件を獲得することが期待できます。

ニーズは大変強いとのことです。

他社がこの流れに便乗してくることも想定できますが、【正社員の雇用増加・リスク管理の難しさ・顧客の信頼獲得】という障壁があるので容易なことではないでしょう。

今後、アバントでは請け負った会計処理に対してRPA(Robotic Process Automation-ロボットによる業務自動化)などを導入することで、原価を大きく下げ、利益率を大幅に改善させていくことも検討しているようです

これにより、社員100人で10億⇒50億やるためには500人必要

…ではなく、100人で50億もあり得る話です。

そして、このアウトソーシングは利益率も良いことが次の図表からもわかります。

※GPP=売上高成長率+営業利益率

 

連結決算を扱ったやり取りをしていることで資金管理、連結納税もやってほしいなどのニーズもあるようですので、今後様々なサービス展開にも期待できます。

◆見える化―ZEAL BI事業

BIでは、あらゆることが可能にできます。

・経営の分析レポート

・ダッシュボード(ポータルサイトを開いたときに、事業別の売上の予算達成率等を出したり色々)

・人別に進捗を展開したり(売り上げや生産、レポートの数)

・あらゆることを見える化(グラフ、チャート、現在地把握)

・成績評価グラフ

など列挙するとキリがありませんが、ZEALでは自社開発の物だけではなく、外注もやっています。

顧客にとってもっとも有効なソフトウェアの提案・供給をすることを第一に事業展開しており、今後はDivaSystemを現在使っている既存顧客へのセールスも強化していくとのことです。

◆アバント(3836)の投資指標

※2018/4/24現在

 終値    930円

 時価総額 175億円

 ※18年6月期会社予想

 売上   112.4億円

 経常利益  12.2億円

 純利益    7.5億円

 配当    10.0 円

 配当利回   1.08%

 PER   22.7

 PBR    4.5

 ROE   19.8%

 自己資本比率58.1%

◆まとめ

※↑は同社の17年6月期有価証券報告書から抜粋

この数年で従業員は急増しています。

開示している中期経営計画は堅めとのことです。

しかし、これでは冒頭の長期経営計画には到底届きません。

そこで、上記のように経営としてそこを埋めていくことを意識して長期経営計画という大変意欲的な数字を力強く出しています。

森川社長は動画でも意欲が高いのをとても感じる事が出来ます。

・2018/03/07 「東京マーケットワイド」New Stage東証1部上場

https://www.stockvoice.jp/vod_playlists/PLfDvay8oMOTil06IpujShU26h_sgYNZxV?vod=JV_AXdH9vBM

・2017/09/25 「東京マーケットワイド」New Stage東証2部上場

https://www.youtube.com/watch?v=bnC5ZVssdTo

 

また、フィエルテの代表を任されている永田氏も相当のやり手との話を聞けたので、今後が楽しみであります。

 

正直、これほど具体的な数字を経営計画として開示するというのはかなりの自信と決意があるのだと思います。

2027年に目標が達成できているかは誰にも分かりません。

長期経営計画の通りでの数字で達成だとすると10年後は…

・営業利益60億円以上

・配当100円⇒現在株価で配当利回り9.3%

配当を長期経営目標の半分で考えても市場平均の倍近い配当利回りになります。

アウトソーシングがこれからさらに伸びていき、かつ現在やっていない分野でも会社のCFOと密接につながっているという同社のアドバンテージはかなり強力です!必ずしも不可能な数字ではないと感じました。

こうしたやる気のある会社にはぜひとも計画を達成し、日本の未来を明るくして頂きたいです!!

 

◆P.S

2018年5月27日(日)にアイル氏が主催している個人投資家が大勢集まる『キャッシュフローゲーム会』にて、アバントが個人投資家向けIRを行うことが決まりました。

今回、当社リンクスリサーチとアイル氏との初のコラボイベントであり、当日は100名以上の個人投資家が集まり、活発な質疑応答もされることが期待されます。

アイル氏の企画するイベントは大変人気で、今回も募集から1日足らずで定員を大きくオーバーしたため、ここでは募集などはしません。

今後もこうしたタイアップを企画していく予定ですので楽しみにしていてください<m(__)m>

※アイル氏とは名古屋の著名な長期投資家であり、10年以上毎月個人投資家の集まれるイベントを主催、毎回100名を超す参加者が募集開始から早い時は数時間で定員になってしまうという大人気のイベントの幹事である

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