理論株価クイズ013 リスクプレミアムの種類 by yamamoto
理論株価クイズ013 リスクプレミアムの種類
問題です。リスクプレミアムについて書きなさい。
もち、multipule choiceではありません。リンクスリサーチには選択肢問題は合わない。記述回答以外に問題の回答などありませんからね。百人いれば百を大きく超える回答があるからです。百人いても、一人で1000以上の回答をかける人もいるからです。そういう人になって欲しいですね。投資家ならば。
回答例
100万通り以上ある回答から一つの例を書きます。
リスクプレミアムと聞いて、多くの人はCAPMを思い出すでしょうね。ベータというやつです。
投資のリターンにはインデックスのリターンに依るもの(ベータ)とそれ以外のアルファと残差に別れるというもの。
ところがインデックスって何よ。日本株ならばJASDAQかマザーズかTOPIXかMSCI Japanか日経225か。インデックスの数ほどリスクプレミアムがあります。当然なことながら。Betaとは共分散(個別株リターンとインデックスのそれとの)をインデックスリターンの標準偏差と個別リターンとの標準偏差との積で除したものです。
相関係数(index, 個別) x stdev.s(個別)/stdev.s(index)= covar(index, 個別) /var.s(index)=:beta(つまりめでたく無単位)
ですね。excelの函数的に表記すればそうなりますね。
これじゃ、インデックスの投資を前提に物事を考える、ということになり、他人頼みなんじゃよね。そこからインデックスのリスクプレミアムをリターンサンプルの標準偏差から逆算して、それにベータをかける。個別のリスクプレミアムはインデックスと個別の株価の2系列から計算するものだと考えることができますね。
そんな理論は不要ですね。もはや。
投資家というものは、それぞれに、特性があります。真に長期投資にしか興味がない人にとっては、配当の成長率の期待値とそれに対する下振れリスクがプレミアムに反映されます。その場合、リスクプレミアムは、配当成長率から下振れ度合いです。過去のデータから推定しようとすれば、過去の配当列を用意。それを配当成長率として計算。その標準偏差の1/3がリスクプレミアム。
一方で、短期の投資家は、株価から同様の計算をすればよい。
あるいは、業績モメンタムにかける投資家であれば、業績列から計算すればよい。
あるいは、….という具合です。つまり、理論なんてものは、自分が保証してももらいたい対象を決めて、それを定めて計量するものであって、無数にあってよいものです。
個別株のリスクプレミアムは無数に存在する。一人の投資家にとっての一つの個別株に対しても無数に存在する。そうでなければ変ですよ。そういう考えがファイナンスの基本なんです。教科書読んで理解しているだけではダメ。自分の頭で考えて、感じたことを全て羅列して、それを咀嚼することです。投資とはそういうものです。投資に教科書ってない。自分に合わせて考えるしかないんです。
p.s. 英語ですが、10 minutes ショートレクチャーです。一週間ごとに無料で配布、資料もつけておりますので、ボランティアしますんで、わしのyou-tube登録してくんちぇ…くんちぇ…
(今日は数学科博士課程初の単位が取れて嬉しかったので、日本酒飲みながら書いておりやす 不謹慎)
筆者について
山本 潤 (やまもと じゅん)
ダイヤモンドフィナンシャルリサーチ投資助言部にて投資判断者を務める。株の学校長期投資ゼミの講師。コロンビア大学大学院修了。哲学・工学・理学の3つの修士号取得。外資系投資顧問のファンドマネジャー歴20年。2018年よりDFR投資助言部。
日本株の成長株投資を得意としている。外資系投資顧問会社クレイ フィンレイ日本法人共同パートナーで日本株及びアジア株の運用などを経て投資教育の会社を設立。現在も年間200社前後の会社訪問と投資判断を行っている。
1997-2003年年金運用の時代は1,000億円を運用。
その後、2004年から2017年5月までの14年間、日本株ロング・ショート戦略ファンドマネジャー。月刊マネー誌『ダイヤモンドZAi』誌上の銘柄分析を10年以上続けている。
過去20年超の機関投資家としての運用戦績は年ベースで17勝4敗の勝率8割超(同期間の日経平均は、12勝9敗)。シンガポールの大先輩Kファンドマネジャーは40年間負けなし。彼の足元には及ばない。一方で、国内ライバルの20台の若手Sファンドマネジャーは今週35社を訪問。私は20以下で負けている。その分、経験が補ってくれることを神に祈る毎日。
2019年現在、DFR(ダイヤモンド・フィナンシャル。リサーチ)投資助言部において日本株ポートフォリオ22銘柄で投資判断の助言サービスを行っている。生涯一ファンドマネジャーを自負し毎営業日、訪問取材をし、顧客にポートフォリオを提供し、55才となった今も若手運用者と張り合っております! 中央大学の理工研究所数学科の博士課程に在籍中ですが、運用で忙しく数学の研究は全くできていない状況…ですが、本日、前期試験で指導担当教授から温情の単位を頂いてしまった。後期から数学しっかりやります!
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