無料メルマガ 億の近道の20周年 by yamamoto
イノベーターズフォーラムというNPOは松田さんが理事長、私が理事を務めています。この名前をつけたのは私です。投資家のフォーラムではなく、イノベーターズ の フォーラム、 技術革新をする人々の集いという思いでした。
松田さんは20年に渡り無料メルマガ「億の近道」を発行されました。11/24に20周年記念イベントをサポーターの皆様と祝うことになっています。
億の近道という名前は、炎のファンドマネジャーがつけました。当初は情報宅急便という名前でしたが。
メルマガを登録されていない方は無料ですからぜひ、ご登録ください。
NPOのブロクもあります。
私が関わっているのは、リンクスリサーチによる第1木曜日と第3木曜日の無料メルマガ億の近道増刊号、「みんなの運用会議」です。ここでは、リンクスリサーチの小野社長、長期投資ゼミ講師の相川さんと私が主に執筆しています。それ以外に、極秘プロジェクトの秘密結社グロース銘柄発掘隊が発行する有料メルマガにもボランティアで関わっています。こちらは、毎週火曜日に出ています。これはリンクスリサーチの長期投資ゼミの卒業生たちが中心となってできた団体で、企業訪問をして業績予想をして配当モデルで理論株価まで出すコンテンツです。私は監修をしております。サポーターからの有料部分は秘密結社グロース銘柄発掘隊に還元されます。長期投資ゼミで基礎を学んだ彼らの実践運用の場が秘密結社グロース隊ですが、K隊長が中心となり月に一度、都内で決起集会を開いております。秘密の合宿も行います。アウトプットをする修行があり、卒業生と言えども、四苦八苦の状態でアウトプットをいたしますが、そうしないと株が上手くならないので仕方のないことです。基礎を固めた秘密結社の秘密のポートフォリオは抜群の成績を誇ります。
私が億の近道で現在、関わっているのはこれだけです。あとは、休日にNPOの活動資金としてNPOセミナー事業のお手伝いをしております。
億の近道には、それ以外にもプライベートバンカーの小屋洋一さんや街のコンサルタントさんなど証券業界と運用業界の重鎮達が自由にコラムを書いています。
何はともあれ、億の近道が20年続いたことは素晴らしい。継続は力です。
最近は、相川伸夫さんなど、若いスターが育ってきました。相川さんの連載している「かぶざんまい」は投資の初心者にもわかる投資リテラシーを伝えています。非常にわかりやすく誰が読んでも(プロが読んでも)為になるコンテンツとなっております。これが第一と第三木曜日に億の近道増刊号として発行されています。
多くの社長が3時間も個人投資家と語る会
NPOとリンクスリサーチが共催し、名古屋の中長期投資家アイルさんが主催する東京勉強会はもうすぐ2年になります。多くの上場企業の社長に登壇していただきました。先日はエスプール、来月は中央自動車工業の社長という感じで、IRフェアや総会ではじっくり聞くことができない2時間とか3時間の質疑応答の徹底ミーティングです。終わった後には株主なってもいいかなと思ってもらえるようにしています。
色々な意味で節目を迎えた億の近道です。
環境の変化 20年の変化 短期売買から長期投資へ
20年前と今と、個人投資家の実力はどう変わったのかと言えば、ある領域では衰えたなあというのが実感です。デイトレーダーの領域です。。ヘッジファンドのアルゴ取引にほぼ淘汰されてしまったからです。一方で、育ったなあと実感のある領域があります。それが長期投資の領域です。億の近道が手がけてきたファンダメンタルズ重視の中長期投資の分野の個人投資家の実力はこの20年で飛躍的に高まりました。ビジネスモデルを調査分析する個人投資家の集まりも多く存在し、将来に希望が見えます。
ところが、相場の常として、長期投資にそぐわない信用取引を推奨するもの、回転売買を推奨するもの、空売りを推奨するもの、集中投資を推奨するもの(これらを4悪を称しています)もまだまだ多く、むしろ、初心者を誘惑する4悪の麻薬売人が多くて、投資環境は悪化していると思います。
株価を当てることにフォーカスするのではなく やってはならないことを知るだけでもよい
株価を当てる確率が高くても、株の初心者が4悪(信用、集中、回転、空売り)に手を染めれば、一発退場になり破滅してしまいます。どんな習い事でも、最初に習うのは作法であり、やってはいけないことを学ぶはずです。
人間社会であれば、人を殺してはいけない。それ以外は消極的に許される。
幸せになる手法や金持ちになる手法は個々人の個性に合わせて無数にあります。だから、人まねでは幸せにも成功することもできません。
それよりも失敗しないこと。それが勝負事の鉄則です。スポーツでは守り。まずは守りを固める。これが基礎になります。社会での守りとは法律。法を守ることを徹底すれば守りは大丈夫。
社会では、やってはならないとされることをやらないことが幸せに生きていく上での条件です。社会で成功している人をそのまま真似する人はあまりいないはずです。トヨタの社長を皆様は真似ますか。再現性がないですね。ソニーを真似てCMOSイメッジセンサを作りますか? 真似できますか。このように社会では人の真似などできない。
投資の世界でやってはならないことはずっと昔から同じです。
投資で守りとは、4悪(信用、集中投資、回転売買、空売り)と手を切ることです。
4悪をしない。これが初心者が失敗をしない大原則です。そのことをメルマガで伝え続けたのが私の20年のコラムでした。4悪さえしなければどんどん真似していいと思います。人の調べた銘柄に乗るのもいいでしょうし、コバンザメも効率的な真似です。
10年10倍を実現できる企業とは?
次の20年に向けて、明後日のミニセミナーでは二つの企業の挑戦を取り上げます。20年で20倍になる可能性のある企業です。
投資家は3ヶ月先を読むことはできない。ただし、20年先ならばできる。
じわりじわりと変化する社会の流れ。この流れを毎年はわずかな違いですが、20年になると大きな違いになる。そういうジワリ系のトレンドを私は長期投資で最も重視しています。
短期投資の株価の振動をリスクとして許容して、つまり、下がっても下がったなぐらいで放置できる銘柄。収益力が高く増収が期待できる銘柄。複利の力を発揮できる銘柄。そうなるとイノベーターズ(社会の変革者)しかない。変革者が誰もできなかった切実な社会のニーズに応える。その潜在的ニーズは膨大にある。そこにブルーオーシャンが広がり、学会や規格や協会や特許で守りを固めている。財務内容もよい。10年10倍企業の成長の推進力は若者です。若者が、こんな企業で働きたいと思い、社員が仕事に誇りを持っている。世界中から災害をなくしたいと圧入技術を世界展開しようとするインプラント堤防の技研製作所や重力波を世界で初めて見た浜松ホトニクスのセンサ技術。浜松で私も現場を見ました。彼らは太陽を再現しています。核融合を室内で行なっている。とんでもないスケールの大きさ。10年10倍になった企業。夢を抱いて入社した若者が戦力となり、次の10年も10倍になるのです。明日(2019/11/24)のセミナーではこの2社を取り上げます。
自主独立の精神でアウトプットの継続を!
アイルさんの名古屋の勉強会は12年かな、ずっと続いています。億の近道の活動も20年続けることができました。私たちは、証券会社や運用会社をスポンサーにはしませんでした。自主独立でやっています。証券口座を開けるために、証券会社の力を利用したりしません。誰もが好き勝手に、思い通りのことが主張できる空間が億の近道です。小屋さんが先日、誰がやっても楽勝なこの数年間のパフォーマンスで、大手証券の顧客が儲かっていない事実を述べました。私たちは人気なんかいらないのです。twitterでフォロアーなんかゼロでいいんです。サブスクライバーもゼロでもいい。
おかしなことをおかしいと言える。それだけでいい。私たちは、株の評論家ではなくて、プロの運用者ですから。顧客の資産増やしています。顧客の利益があってこそです。人気はいらない。実力が欲しい。マスコミには用はありません。政治家にも評論家にも用はないです。前述の「億の近道のブログ」には、過去のコラムに連載として外資系ヘッジファンドの運用マニュアルの内部の資料が開示されています。運用マニュアルは私が書いたものです。投資哲学から運用手法まで書かれています。他者に真似される手法では優位性がありません。私たちの運用手法はなかなか真似できません。専門知識を磨きましょう!と言う手法ですから。専門知識といっても工学ならば、夜間大学で3年程度しっかり勉強すれば身に付きます。数学ならば10年ぐらいはかかります。でも身に付くのです。小手先の売った買ったの書物では投資は上手くなりません。世の中を色眼鏡なしで観察できる眼を養うのが運用の基本動作です。
生きる証を。経済よりも真理を。自己よりも他者を そして未来を作る
世の中は、経済が支配する。そうかもしれません。経済合理的な社会です。
その中で、みんなが見てくれる人気投資サイトを作りたいとは思いません。広告収入を受けたいとは思いません。証券会社や運用会社のぼったくりの宣伝は吐き気しかしません。
私たちは、社会に流される存在です。わたしは自分自身に伝えたいメッセージが湧いてくるのでその自分に当てたメッセージをこうして書くようにしています。
おかしいと思っていても、長いものに巻かれろで、気がついたら流されている。そんな社会です。その社会をおかしいと私は思っています。
長いものは恐るに足らず。既存勢力は亡霊。かれらがどんなお金を積んで、どれだけロビー活動やったとしても。どんな大企業が大枚はたいても、最後は合理的なソルーションが勝つ。
歴史が示しているのは、より効率的、よりイノベーティブな解決が既存のシステムを置き換えていく冷徹な事実です。
自分がずっとやっていて慣れていることをずっとやるだけの人がいる。楽なことをしているというよりも、できることをして、必死で流されないようにしている。私の中学校の同級生に、富士フィルムの現像を商売にしたり、個人の電気屋を継いだりした友達がいます。彼らは、30年前に、スマホが普及して銀塩写真が淘汰される、個人の電気店が大型量販店やECにやられるなどとは夢にも思わなかったそうです。結果として、レッドオーションに人生を流されてしまった。今、再就職して、頑張って働いていますが、決して楽な人生ではなかったと想像します。
制度もすべて時代遅れになっているのに、私たちは慣性の法則で人生を生きている。特許を読み、技術を理解することで、未来を垣間見ることができます。その為には、読んでも理解できないことを自由時間の10分の1の時間は当てて欲しいと投資家仲間にはいつも伝えています。億の近道でも同じことを申しております。ゲームのルールを作る側にいる方が大変ではあるけど、苦労する分、楽しいからです。
社会に合わせて、空気を読んで。そういう生き方をしている。上司に気に入られてる生き方をしている。それはそれで苦労かもしれませんが、楽な苦労に過ぎないのです。
億の近道で私が関わる部分では、そういう惰性を徹底的に否定するのが私の役割です。私は猿にもわかるようには書かない。わからないなら読者が勉強するべきだという立場です。
科学による帰納と公理による演繹とのパワーはすさまじい。エビデンスを集めれば、世界は変えられる。そう信じています。エビデンスが揃えば大統領だって説得できるのです。新しい政策もできるはず。それが21世紀のあり方なんじゃないですか。そう思っています。億の近道は、現代社会に生きる人々への武器なんです。エビデンスを知るには論文を読んでください。本物は狭い。狭い領域で狭く生きています。幸せとか成功とか言う漠然とした広い世界には本物はいません。浜松ホトニクスのMPPCはフォトンを1つ1つ正確に数えます。安価な技術で実現するから工学の技術領域となる。波ではなく粒子としての光の性質を知ることが発明につながります。「粒子光」の振る舞いという狭い分野を極めることが、最終的には幸せになる。世の中は専門馬鹿を馬鹿にする傾向がありますが、世界を作ってきたのは専門馬鹿なのです。私たちの周りにはこうした専門馬鹿がいて、彼らの言葉に耳を傾けなければ長期投資なんて怖くてできません。浜松ホトニクスの技術者がこういっていました。リチウムイオンの充放電の推移を電極近傍でリアルタイムで見た人はいないので、今、それが原理的には見えるようになってねと。ほーすごいね。で終わってしまうのが普通ですが、その言葉の意味は20年経ったらわかるんだよ。産業という形で。(Liイオンは確かに小さくて見えないのですがリアルタイムでモニターすることと、核融合とどんな関係があるのか??という具合。投資はディーテイルに宿る)
社会システムも社風もスピーディにやろうと思えば変えられる。法律だって実態に合わせて変えられる。オセロゲームのピースを裏返しにする側になってこそ、21世紀らしい、我々なんじゃないですか。人気とか、お得意様とか、小手先のスマートさなんかいらない。もっと本格的なアプローチ。この人類の200年の正攻法がようやく万人に解放された21世紀に、言いたいことを言いたいように言う自己否定の武器が億の近道なのです。私は、自分を鼓舞するために書く。できてない自分を恥じて書く。情けない自分に鞭を打つために書く。私の最高のバージョンを達成するために全力を尽くすために書く。
帰納法で科学を。演繹法で数学を
物理の常識は50年で変わるが、公理から演繹するユークリッド幾何は1億年後も正しい。1億年の真理を求めるべきでは。21世紀のわれわれは。
法律や社会規範や慣習や文化や空気を読むのではなく、科学と数学でエビデンスで世界は動かせる。やっとそんな時代がきて、本当の民主主義が実現できる、その一歩手前で、退廃的な商業主義が蔓延し、経済的存在としての人類がその存在を試される。
オセロ裏返せよ。エビデンスで。科学の力。数学の力で。そうしてブルーオーシャンを切り開け。
いつも他人を気遣い、立派だと褒められる。人におもねり、人がつくったアルゴリズムを読み、人の裏をかき、tiwtterでフォローを増やし、ちょっとでも人気を得ようとする。そうしたすべての行為に吐き気がする。人気もいらない。評論もいらない。ただ、述べよ。鼓舞せよ。自分自身を。
我々には人を評論する時間なんて残されていない。そんな贅沢な時間はない。人生に評論なんかいらない。一分一秒を惜しんで真理を追求すれば、それが生きた証であり、それがイノベーティブなソルーションに繋がるエビデンスとなる。
世の中に媚びを売るすべてのやつは愚かだ。
だが、人間はそういうものかもしれない。
愚かさを携えて、わたしたちは歩むしかない。
億の近道は、私にとっての、自己反省の場でした。投資理論は刻一刻と変化し、社会と共に順応していく。
次の20年。私は自分を否定し、自分を鼓舞していくだろう。私を育ててくれた運用業界への恩返し。20年、アウトプットした人間が40年アウトプットできる。50年のアウトプットを積み上げるためには、日夜、努力をしなければならない。
思いがけなかった実利
億の近道を読んでくれた機関投資家が私に独立のための何十億円ものシードマネーを預けてくれてチームを組んでヘッジファンドを始めたこともありました。それがロングオンリーのクレイフィンレイをやめるきっかけになりました。その後13年間に渡りロングショート戦略を運用するファンマネとして頑張るきっかけとなりました。思いがけない実利がこのメルマガ億の近道からもたらされたのです。ボランティアもたまには実益になります。
先日、学生の頃や証券会社に勤務していた頃、億の近道のライコス掲示板(懐かしい!)の議論から株を勉強したというIRの方々にお会いしました。
嬉しかったですね。
ダイヤモンドZAi の藤岡元編集長とお会いしたのも、億の近道がきっかけでした。19年前のことです。それが15年前のDFRの新設につながり、データブック新刊というD社のプロジェクトに1年だけ関わることができ、そのプロジェクトのために、新人アナリストを20人程度採用することになりました。そのためのセミナーが2004年に行なったファンダメンタルズ分析の有料セミナーです。その有料部分で億の近道のロゴを作りました。DFRのアナリストは、大手生保のファンドマネジャーになったもの、大手証券のアナリストになったものもいます。私とニュースミス投資顧問やマングループで同僚として働くようになったものもいました。それがリンクスリサーチへと形を変えています。運用との両立ができずDFRは1年で辞めてしまいましたが、その後はTファンドマネジャーをヘッドハントして彼に託したのです。DFRは為替のオンライン情報として発展。そして、1年前から私も再び、お世話になっています。月々の有料投資助言メルマガを発刊させていただきました。DFRポートフォリオの運用が今の私の本業です。お陰様で2019年は年初来で11/22現在28%を少し超えるプラスの成績になりました。ファンドの変動率は年率20%でキャッシュポジション12%です。顧客の平均的な資産は2000万円程度ですから、今年は皆様が一人平均500万円程度は儲けていただいた。肩の荷は少し軽くなりました。でも、まだまだ。10年10倍にして引退する。ギネスブックに200人の資産をシャープレシオ1越えで10年で10倍にしたと申請するのが計画です。シャープレシオ1は結構大変な数字なのです。ですが、それがプロの証です。幸い、DFRのお客様は、一流どころの投資家が多数いらっしゃって、助けてくれます。銘柄発掘のお手伝いやセミナーのお手伝い。私はささやかな懇親会を福岡や大阪や名古屋と東京で開きました。月に2回、リアルタイムで参加可能な「みんなの運用会議DFR」を開催し、運用方針を議論しています。要は、私だけではなく、お客様全員の力。そして、さらに、社会の切実なニーズを切り開いた保有企業の社員と経営者の大変な努力のお陰です。
年間12万円のメルマガ料金は固定ですから、これを4000万円にしても年間12万円。8000万円にしても年間12万円です。最終的な売買の助言は私一人でやっているのですから。私の地方への取材費用が出ればそれでいいと思っています。ポートフォリオの半数は地方銘柄です。高知の技研製作所もその一つですが。。。高知まで行って泊まれば往復10万円。私は他の機関投資家が事務所に会社を呼びつけるスタイルが大嫌いです。絶対に自分から本社の様子を見ます。空気感が重要ですからね。その地方に何があって、なるほど、となる。近隣大学の教授なんかも結構大事だったりする。
億近20年のボランティアも長期で行えば、こうした実利もあるわけで、メルマガ億の近道の過去の財産に私は支えられています。多くの後輩が、長期投資ゼミに集ってくれて、イノベーターズ取材をしてくれる。個人投資家の力は、もっと、結集できるはず。
やるべきことは山積みです。忙しい毎日に感謝です。この20年は通過点に過ぎないのです。こんな具合でしょーもないことを書きますが、お付き合いしてもらったら嬉しいです。狭く深く生きたい。
p.s. 億の近道のマークは、15年ほど前に、30万円でデザイナーに作っていただきました。松田さんがいまだに使ってくれて嬉しいです。
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