長期投資における銘柄の選び方 by yamamoto

絶えず よい面だけを評価する態度を取り物事を前へ前へと進めたいものです

香港の自治の消滅など、中国の強権姿勢が国際的な人権問題として取り上げられています。ウイグルは18世紀に清国の時代に組み入れられました。イスラム原理主義がグローバルでテロリスト活動を行うようになってから、ウイグルも例外ではなく、イスラム過激派の温床となり、中国政府はテロリスト撲滅を掲げています。米国はテロとの戦いを支持する立場ですから基本的にはテロ撲滅では中国政府と同調しているのですが、収容施設による虐待や人権侵害が明らかになり、中国は対応を迫られています。収容施設での問題を、中国はテロリストの社会復帰のための教育としており、ギャップは埋まっていません。人口1200万人とも伝えられているウイグルのイスラム教徒ですが500もの施設に100万人が収容されているとの非公式な情報もあります。弾圧があったことは容易に想像されます。

どの国にも様々な問題があります。ですが、その問題は基本的には自国民が独自・独力で解決を目指していく問題です。香港の学生デモへの中国の対応がおかしいのは明らかですが、だからといって日本が武力をもって香港を開放する行動を起こせば逆に香港の人々に大きな損害をもたらしてしまうかもしれません。

国の課題は基本的に当事者だけで変えていくしかないのです。ミャンマーが少数民族を虐殺し軍事政権になっても国際社会は批判し少数民族の境遇に同情いたしますが、現実問題としては、ミャンマーの人々が地力で自らの運命を切り開くしかありません。

どの地域にもどの組織にもどの国家にも多かれ少なかれ、冷遇される人々がいるのです。家庭の中で寂しい思いをしているお母さんもいるでしょう。親が自分の気持ちを全くわかっていないと悲しんでいるお子さんもいるでしょう。組織の中で報われないと感じる人も。一人だけ蚊帳の外に置かれてしまい、疎外される。精神的なダメージを受ける。人は傷つきやすいものです。傷つけられたくないから、殻に閉じこもる人もいれば、傷つかないために、あえて、人を攻撃せずにはいられないという方もいる。

どの国にも固有の社会問題があります。

米国も多民族国家であり黒人が冷遇されています。また、アジア人へのヘイトクライムも多発していると報じされています。日本もアイヌ人は差別を受けてきました。在日朝鮮や部落民もいまでも差別を受けています。

これは私の理想であり考え方ですが、他者のことや他国のことを指摘するよりも、まずは自己を内省し、わたしの近くで生じる問題に正面から向かっていきたい。自分なりに自力でよりよい社会をコツコツと目指していきたい。

国に例え、国というものを擬人化できるならば、中国は中国なりに、米国は米国なりに固有の山積みの問題を解決していくしかない。相手の弱点や違反を指摘することに労力をつぎ込む時間的余裕はない。自分のことを棚に上げて他人の非を指摘すれば、場合によっては、相手の態度が硬化しまうでしょう。結果は悪化。そうなれば、やっていることはむしろ悪行です。つまり、やらない方がマシということです。

炭鉱労働者に高いところから評論し、炭鉱がいかにCO2を増やし、地球環境に悪いかを説得するようなものです。彼らに炭鉱を閉鎖せよと主張するようなものです。当事者である炭鉱労働者たちは明日からどう生活していけばよいのでしょうか。

トランプ前大統領がつくったウイグル人権法は逆効果を生んでいます。他国のことを米国人がいう前に米国でやるべき問題は山のようにある。それぞれの国でそれぞれが努力せよという方向性で互いに頑張るというのが国際的な協調の在り方です。

他国の武力を頼りにして自国の政府をやっつけても、それによって内政はよくはるはずはないのです。民族の堕落を呼ぶだけです。誇りというものは、自主自立なのです。自立がベースにあり、他者の武力の助けなどはいらないのです。人は自分で立つしかない。民族も同様です。第三者が評論すべきものではない。もしおかしいと思うならば当事者になり、ウイグルへ行き、直接、命がけで行動するのです。安易にツイッターで気分よく中国を批判するだけならば誰でもできますがそれは悪行です。ウイグルへ飛び、真実を明らかにする。それを命がけでやってみるとよいでしょう。そうなれば善行です。

わたしにはもっと身近な問題があり、日本人が日本で解決しなければならない問題にかかりきりです。ウイグル人の問題は彼らに任せます。

国家の問題を擬人化して韓国は中国はという論調も乱暴すぎると思うのです。韓国や中国というのは大まかすぎます。具体的に誰のことなのか。そしてその誰に何を直接言いたいのか。評論ならばその暇はない。自らの使命に忠実になり、使命を優先するべきだと私は考えます。

黒澤明監督の「生きる」

名作「生きる」では主人公は公務員。役人です。地域の人々、地元の人々のために公園を作るという話。それだけの話ですが、生きることの意味を教えてくれる名作です。主人公は「私には議論をしているような時間がないのだ」と言って具体的な行動をして物事を前へ前へと進めていくことに集中するわけですね。こうした生き方をする人は、今、もしかしたら、少ないのかもしれません。

私たちは兎角、文句が多い。文句をいうぐらいならば直接、裁判所へ訴えればよい。文句は百害あって一利なしです。前向きに人のよいところだけを見るようにしたいものです。

家族に対しても、よいところだけを見てあげる。投資においても、応援に徹する。とにかく応援。いつでも応援。そして生きるとは、各自の良いところを結集するところに奇跡が生まれるものです。ストーリーを面白くするのも、つまらなくするのも、私たちの内面次第です。各自がよいところだけを持ち寄れば世の中は回るのです。

綺麗事ではありません。現実問題、私の友達にはよいところしかありません。私の家族にも悪いところが全くないのです。私の職場はよい人のよい行動だけで溢れています。これがどれだけ素晴らしいことか。奇跡のような毎日です。私のご近所様は全員が素晴らしい方です。隣国の方々もいつも助けてくださる。どれだけ素晴らしい方々に囲まれているのか。幸せを実感する日々です。

人々のよいところを。政府のよいところを。野党のよいところを。それが見えないとすれば、生きることは苦しいものになります。よいところだけを集めてそれを結集し、ミラクルを起こしましょう。

銘柄の選び方

そのことを念頭にして、私の銘柄の選び方ですが、やはり、かっこいい経営者へ投資をしたいものです。カッコいいとは人それぞれに定義が違うものです。それぞれがかっこいいなと思える組織に一票を投じたいものです。プライスレスな価値を目指している集団がいるはずです。汚れた空を一掃し、満天の星を甦らせようとしている集団もある。全身が身震いするほど感動するようなかっこいい企業が多数あります。本音と建前とか、裏があるとかないとか、敵の敵は味方だ、とか、そういう自己中の狭い選び方ではなく、ただ、単純に、理念に共感できる企業。普通じゃない経営者。それぞれのヒーローに投資をすれば、それは応援に繋がっていくでしょう。応援しがいのある目的を持つ集団。たくさん存在しているはずです。そのためにはよいところを見る。よいところを。

よいところしかない

世の中はよいものしかありません。ピンチはチャンス。挫折は全ての名作の第一ステージです。困難があり、それを乗り越えるからストーリーになり語り継がれるわけです。つまり失敗、困難といったもの、嫌な思い、悔しさ、怒り。こうしたものを人間ですから感じるわけです。例外なく、嫌な思いを私たちはするようになっている。ですが、それはストーリーの一部であり、そこから始まる快進撃のターニングポイントなのです。企業も悪い時もあれば、ピンチもある。そのピンチを乗り越えられるのは、よい目的があり、よい集団だからですね。人の悪いところを見るのではなく、互いの貢献を持ち寄る。誰もがプラスの存在であり誰もがプラスの貢献を持ち寄り、以前、跳ね返された壁をついには超えていく。そういう体験こそが、生きる目的ではないでしょうか。ピンチがチャンスになり、困難が成長を産むとしたら、この世にはよいことしかない、ということになりますね。前へ。前へ。前へ物事を進めていくのが投資家の役割です。評論するよりも行動を。一人でも多くの人に直接声をかけましょう。励ましてあげましょう。褒めてあげましょう。応援しましょう。