◆かぶざんまい!! 12皿目『企業分析のやり方その1 ビジネスモデルを理解する』 by相川伸夫
◆執筆理念
・極力難しい言葉を使わない(使う時は注釈する)ように意識し、伝える、伝わることを重視!
・堅苦しい感じとかを全く抜きにして、ぶっちゃけトークで書く!
・資産が増える、心が豊かになる等の読み手に価値がある文章を書く!
このような理念のもとにアツい想いを書かせて頂きたく思います(^^)/
12皿目『企業分析のやり方その1 ビジネスモデルを理解する』
投機においては企業分析なんて要りません。決算書の中身を見る努力も正直そんなに重要ではないでしょう(投機手法にもよりますが…)
しかし、こと投資において、企業分析をしていないのは普段着のまま準備無く山登りに行くような愚かな行為です!
【投機と投資】についての定義が曖昧だと、この後の企業分析の主旨が正しく伝わらないかもしれません。
ってことで先週の記事を読んでいない方は先にそちらを参照ください。
ー11皿目『企業分析のやり方その0 投機と投資の違い』ー
…これを踏まえて今日は企業分析の一番最初のステップである『ビジネスモデル』をやります。
企業訪問をする際にも事前に調べて最初にビジネスモデルを把握します。
どうしても分からなかった場合は、訪問時にビジネスモデルの説明をしてもらってから細かい取材へと進みます。
ビジネスモデルが分かっていない状態では全く話は進みません!!!
ハッキリ言って無駄です!
そういうことで今日の議題はこちら!
Q、あなたの投資している企業のビジネスモデルを1分で説明してください
今からやってみてください!!
独り言でもいいです。
頭の中で文章にしてもいきなり誰かにビジネスモデルのポエム送りつけても構いません。
…十分にビジネスモデルを説明出来るならこの先を読む必要はありません。
閉じてもらってもっと有意義な時間に充ててもらって大丈夫です<m(__)m>
それでもやっぱり自信がない人にだけ、もしくは知ってるつもりだけど、一応読んでおきたい方は続きをどうぞ!!
ビジネスモデルって結局なんなんですか?
ビジネスモデルって早い話がその企業の『売上と利益って何で出来てるんですか??』
っていう話ですね!
利益を考えるということは原価や資産についても考えることになるのですが、そこは後半で(^^)/
オリエンタルランド(ディズニーランド)を例にやってみましょう。
オリエンタルランドのビジネスモデルを考える
さすがはオリエンタルランド!↓は『はじめての投資家様向けの資料』というPDFのプレゼン資料です
http://www.olc.co.jp/ja/ir/individual/main/01/teaserItems2/00/link/irp2019-07.pdf
最初に見るべきはセグメント情報です!
※セグメントというのはその企業の売上を分類で区切って集計している物です。オリエンタルランドでは事業別になっていますが、ある企業では地域別になっていたり、商品群別や産業別だったりすることもあります。
⇒最初に確認すべきは『何をしている企業なのか?』を知りたいので事業別の説明が欲しいです!
【セグメント詳細が分かる資料】
- 有価証券報告書
- 決算短信
- 四半期報告書
- 決算説明会資料
- 個人投資家向け説明資料
- 四季報
- 就職サイト
- アナリストレポート
- 展示会や電話・メールで企業に直接聞く
等で調べる事が可能です。
ちなみに四季報ではこのように記入されています。
【連結事業】テーマパーク83(24)、ホテル14(26)、他3(13) <19・3>
↑の83・14・3の数字は企業全体の売上を100%にしたときのそれぞれのセグメント売上割合を示しています。
そして(24)(26)はその事業の利益率を表しています。
セグメント売上を『率』で把握するのも悪くは無いのですが、個人的にはしっかりと生の数字できっちり理解することが重要なので有価証券報告書やIR資料をオススメします
つまり、オリエンタルランドの売上と利益を作っている一番のポイントは『来場者数』という事になります。
つまり、以上の事からオリエンタルランドの売上というのは、
- 数量である来場者数
- 価格である一人当たり売上
オリエンタルランドのビジネスモデルはB to Cであることもありますが、とてもシンプルです!
ビジネスモデルを理解するのに大事なことは『お客様は誰なのか!?』
という事になります。
オリエンタルランドに対して浅い言い方ならお客様=個人の客
深い言い方ならメインターゲットは若年層やファミリー、カップル
また、楽しむために来ているのだから毎回同じでは飽きられてしまう。
必然的に新規投資は必須であり、ブランディングが生命線
先ほどの【数量×価格】の売上から人件費や減価償却費などから固定費を求め、変動費率をザックリ推測して掛け合わせた仮基準の指針を作って、数量の増減や価格の増減についてを様々な周辺情報を分析していくと業績予想に発展していくんですね(^^)/
※これはここでは説明しませんので割愛します(終わらなくなる!)
ついでに他の会社のビジネスモデルを理解するのに↓は押さえておきましょう!!
【B to C】【B to B】【C to C】【B to B to C】【C to B to C】…って嫌がらせか!?
※【〇 to 〇】というのは誰から誰へ向けたビジネスなのか?を端的に表す意味であり、絶対に知っておいた方が良い概念です!!
⇒ B to C (Business to Consumer)
Bというのは企業を表しており、Cというのは一般消費者、個人を表しています。
この後のBもCも全て企業と個人で置き換えて大丈夫です!
※B2Cという書き方もありますが、同じ意味です。
【B to C】
主に小売りやサービス業などの企業が個人に対して商売をするもので、ビジネスモデルが非常に分かりやすいことが多いです。
- オリエンタルランド
- すかいらーく(ガスト)
- マクドナルド
- トヨタ自動車
- 東海旅客鉄道(JR東海)
- 高島屋
上記のBtoCの企業は何も見なくてもビジネスモデルが大体説明出来ると思います。
【B to B】
企業対企業のビジネスです!
- アイシン精機
- デンソー
- 東レ
- ファナック
- 信越化学工業
部品メーカーから完成品メーカー、もしくは部品メーカーから部品メーカーなど個人には直接関係してこない部分は理解が難しくなります。
BtoCの事業もあって、BtoBの事業もしている企業もある!!
よって、BtoCのところは良く知ってるんだけど、BtoBのところまで把握していないとビジネスモデルは理解できていないことになります
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(法人向け&個人向け)
- ソニー(ゲームだけではなく半導体もある)
- パナソニック(個人向け商品と、車載バッテリー等含めた電気部品メーカー)
- 京セラ(セラミック包丁ではなく産業系の方が圧倒的にメイン事業)
会社の規模が大きくなればなるほどポートフォリオ(事業を分散させてリスクをバランスさせてる)で事業経営することが多くなります。
一概には言えないですが、大体時価総額が小さい時はセグメントが単一であったりするのでビジネスモデルを理解するのが楽ちんな事が多いです(^^)/
【C to C】
個人対個人のやり取りで、そこから収益を上げるということになります
- メルカリ(フリマアプリで売上の10%がメルカリに入る)
- Yahoo(ヤフオクの手数料のところ)
- IBJ(婚活・結婚相談、登録料や成約料)
CtoCの場合はしっかりとスキームが回るようになれば利益率が大きく跳ね上がることが期待できます!
それは個人と個人が取引をしているのをサポートして収益をもらうビジネスなので必然的に原価が少なくなるわけです。
費用が掛かるのは会員獲得のマーケティングコスト(広告費)や運営費(管理・維持)であり、上手くやれれば大化け!
他社も色々参入してきてシノギを削りあう場合は意外と儲からない可能性もあり得ますよね!
【B to B to C】
これはBtoCの企業に対して支援活動をするBtoBです!(ややこしい!!)
- ZOZO(アパレルショップのプラットフォームビジネス)
- 楽天(楽天市場のところ。小売店のプラットフォームビジネス)
- 伊藤忠商事などの商社(BtoBtoBでもあるわな!)
- ユー・エス・エス(中古車のオークション運営、BtoBtoBtoCっていうのが正しいかな~)
※営業支援やシステム提供会社なんかもここに入る
まあ、BtoBの会社って言っちゃっても別にいいんだけども、「細かく言うとこうなるよね!」っていう分類!
BとCの違いは砂糖と塩くらいの違いがあるから必ず分かっておかないといけない。
でも、【BtoBtoC】と【BtoB】の違いなんてのはグラニュー糖と三温糖の違いみたいなもん。
違いを判りたい人だけ意識すれば大体OK!!大丈夫!
【C to B to C】
これでラスト!!もうわかるよね?
- ゲオ(中古買い取りのところセカンドストリートとか)
- コメ兵(中古買取専門店、宝石も時計も衣料も個人から仕入れて個人に売る)
- アマゾン(個人がコストコで買ってAmazonに売るセドリなんてものがあることを最近知って驚いた!※通常のAmazonはBtoC)
- アップルインターナショナル(中古車のアップル)
個人から仕入れて個人に売るからCtoBtoCになる。
これまで見てもらって分かると思いますが、ビジネスの流れが左から右に流れて表現されているわけです!
『〇to〇』のビジネスをしているってだけで端的に理解できるので非常に便利です!!
投資ではなぜ、ビジネスモデルを理解しないといけないのか?
ビジネスモデルで一番簡単であり、かつ重要なことは『売上が何から出来ているのか?』
この次に来るのは当然『費用が何から出来ているのか?』
こうなります。
売上は分かりやすいです。問題は費用です!
費用は大きく4つに分類されます
- 人件費(役員報酬費含む)・研究開発費
- 地代家賃・減価償却費
- 原材料費・仕入れ代・外注代
- 広告費・販促費
これらを考えて数字をバラす事が出来ればその会社の費用構造を理解することが出来ます。
費用構造が分かったら先ほど言ったように業績予想が出来るようになります
投資をするに当たって大事なことは前回も言いましたが、
『ヤムチャではなく、カカロットを選ぶことです!』
これが出来れば基本的には投資で損はしません(高値で買っても時間と共に企業価値が上がってきて配当増と株価上昇の恩恵で報われる)
カカロットを選ぶためには投資企業のビジネスモデルを理解して、同じ世界で戦っている戦士達を比べるのです!
ドラゴンボールに登場しているキャラクター同士を比べた結果カカロットが選べるのであって、
ルフィとカカロットを比べたりしてはいけません!!!
世界が違うから比較しちゃだめです!みんな好きだしゲームもあるけども。
なんでわざわざここまで当たり前の事を言うのかというと、PERやPBRっていう尺度で無理やり投資企業を比べっこしてしまう人や、実は同じ世界で戦っていない企業同士(競合ではない)を比べてしまったりしてしまうのです。
投機なら別に好きにやればいいのですが、いくら株価が安いからってヤムチャを選んでもそれは投資にはなりません。ヤムチャ弱いんで。
※3年だけとかの時限的な見方であればOK!
ちなみに…
PERやPBRなんてのはビジネスモデルが違うと全く違う値になります。
どうしても指標で比較したい場合は、ビジネスモデルが同じ競合他社同士で比べるなら比較も出来うるのですが、市場平均PERとか業種平均PBRとの比較は相当いい加減で暴力的なことをしていると考えてください。
100円均一のセリアを比較するのであればダイソー(非上場)とキャンドゥとワッツでしょう。
もし、この土俵にコンビニが参戦してくるという事になったらその時初めて考えれば十分と思います。
高度に深く広く分析するのは非常に多くの定量情報と定性情報を集める事が必要になりますが、カカロットを探すだけなら案外シンプルです。
営業利益率や業界シェア、そこまで至った企業の背景や業界構造、競合他社の状況などを比較して投資企業を選定していくのです!
このように、ビジネスモデルを理解していないと兎にも角にも投資企業選定においては話が進まないから大事なのです!
欲張りさんな方にはもう一つポイントがあります。
高成長に必要な要素は投資企業がカカロットであることともう一つ!
市場規模の拡大が見込める事です。
いくらカカロットがシェア70%でも、その市場規模が100億円のままであれば売上70億円で企業成長はストップしてしまいます
※1経営者によってはそうなる前に次の一手の準備を進めます。
※2また、シュリンクしていく市場、もしくは成長しない市場への新規参入は少ないので安定しやすいです
市場規模が拡大していくマーケットは競合他社の参入も旺盛です。
そこで競合に勝って成長できるかの分析は困難です。しかし、その分実りは大きいのは当たりまえです!
チャレンジされる方は是非頑張ってください!!
ービジネスモデルの理解は十分でしたでしょうか?-
成すべきことをきちんと積み重ねていきさえすれば、運用能力は必ず上達します!!
【かぶざんまい!!】では自信と勇気と気付きと学びと安心とリテラシーとその他色々お届けしていきますのでよろしくお願いします♪
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