東証の市場構造見直し

金融庁の資料をざっと要約すると https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market-str/doc/1120/01/01.pdf

・金融審議会で東証の市場改革の議論がされている

・スタンダード、グロース、プライムとして、三区分にする

・プライムは時価総額が高く流動性があり、ガバナンス水準が高く、持続的な成長をする企業のための市場

・スタンダードもプライムと同様。ただ規模などは二部やジャスダック企業のための市場

・グロースは高い成長性が期待されるがリスクがそれなりにある会社のための市場

というような話し合いが勧められています。

上場していきなり赤字決算出したり、数年も立たずに商売が成り立たなくなるような会社がそこそこ話題になります。そのあたりを受けてなんとかしないととか、市場が4つあって位置づけや区分が曖昧だし整理したい。とかそんな意図があるものだと思います。

以下はいろいろ考えた私の意見です。かなり極端です。

市場を1つにまとめた上で上場基準、退場基準を1つにしたらいかんのでしょうか?

資料を見ると

現在、二部市場の上場企業はコーポレートガバナンス・コードが適用され、JASDAQ スタンダードの上場企業は基本原則のみの適用となっているところ、スタンダード市場については、いずれの水準とすることが考えられるか。

市場によって細かく違うんですね。ガバナンスコードでこれなんだから細かいところがもっといろいろ違いそうです。これ、1つにしたらいかんのでしょうか?最低限これだけは守れ、としてそれが守れないなら退場。上の水準を狙うならどうぞご自由に。

大企業と中小では事務にかける人出が違うので基準をあまり厳しくすると中小に負担になりそうですが、ルールというのは限りなくシンプルな方が良いと思うのです。

市場が1つになったらインデックスはどうしたらいいのでしょう。

これは東証だけでなく各証券会社が勝手に作ればよいでしょう。今までのインデックスが良い、という人は、旧一部基準、旧二部基準などでインデックスを計算すればよいだけの話。財務比率をいろいろ考えたスマートインデックスつくる証券会社も出てくるかもしれません(ひょっとしてもうありますか?)、いろんなものがあってよいのではないでしょうか。

「東証が考えたXXな企業で構成されるインデックス」だけ存在する世界というのはちょっと気持ちが悪いです。

ちょっと極端な意見ですが私は別にいいと思います。

市場一部の企業でも理由が様々あって、ひどい決算を出すことはあります。ひどいときには上場廃止まで行くことも。古くは日本航空とか、最近では田淵電機なんかがありました。

そういうのと何が違うのでしょう?業績が安定しない企業を上場させたことで市場関係者は責任を感じるべきでしょうか?だったら業績の安定してた企業が、転落して行くのは問題ないのでしょうか?

選別して投資するのは投資家の役目。そもそもそういう企業は投資家が買わなければいいだけの話です。買ってしまったら自己責任です。

資料でも

現在のマザーズ市場は、時価総額が１０億円で上場することが可能となっているところ、低い時価総額で上場しその後の成長が見られなくなっているとの指摘（いわゆる上場ゴール）と、当該基準によって早期に上場し、得られた資金を次のベンチャー企業へ投資する、とのモデルが成り立っているとの指摘の両面からの考え方があるが、どう考えるか。

とあります。上場ゴール問題です。

これ、上場ゴールを成り立たせてる投資家に問題はないのでしょうか?単純にしばらく様子を見てから買えばいいだけではないのでしょうか?

長く上場していてもほぼ成長が見込めない企業はたくさんあります。実際そういう企業に出会ったこともあります。そういう企業は上場してはいけないのか?構わないと思います。

そもそも上場後の成長が見込めるかどうか、を判断するのは市場管理会社なのでしょうか?投資家なのでしょうか?私は投資家がやるべきだと思います。いろいろ調べて不満があれば買わなければよいだけのことです。

いろいろ書きました。

ここまで書いといてなんですが、私は市場区分は今のままでいいんじゃないかと思っています。区分が変わって新しい区分に移動するだけで株価が上下しそうです。

「一部上場企業」の肩書が「プライム市場上場」の肩書になるだけでも企業は嫌がりそう。取引先や求職者には「そもそもプライム市場とは・・・」から始めないといけません。結婚して姓が変わるといろいろ面倒だと聞きますがそれとよくにてるかもしれません。