長期で投資をデザインする 株式投資で99%勝てる方法 by yamamoto
長期で投資をデザインする
東証のHPにはTOPIXの時系列データがあります。過去70年近いデータがとれるのです。どの国においても企業活動が健全に行われている限り、明らかに株価には右肩上がりのトレンドがあります。企業の中には利益を再投資し企業規模が大きくなるものもあるからです。また多くの企業は売上成長が成熟していますが、売上が一定以上であれば利益は毎年のように積み上がっていくため、内部留保が溜まっていくからです。日本株の場合、ROE8%で配当性向30%程度ですので毎年5%の内部留保が積み上がります。その一部は将来の配当原資と見なせるため、その増分は株価に反映されるのです。また、毎年のように配当が支払われますが、株価のチャートにはインカムゲインは含まれていません。そこでキャピタルゲインにインカムゲインを合わせてトータルリターンとします。おおむねキャピタルゲインは7%でインカムゲインが2%が標準的なリターンですので、合わせて9%が株式投資の期待リターンとなります。
TOPIXのトータルリターンを考えるということは、資産をインデックス・ポートフォリオで運用するとどうなるかということですね。株式投資というか、インデックス投資というものは以下のような特徴があります。
- 保有期間が長くなればなるほどリターンは年数に比例して増加する
- 保有期間が長くなればなるほどリスクも増加するが年数には比例しない
- 保有期間が長くなればなるほどリターンをリスクで割った比率は改善していく
そうですね、概ね30年を保有すればどの国でもどの年に投資をしても成績は99%の確率でプラスになります。たとえ2%の配当でも30年配当を再投資すれば株数は1.81倍になるわけですから。株価が1/1.8になってもプラスです。ところが30年分の内部留保が積み上がりますので、ROE8%としてその70%が内部留保されると株主資本が年率5.6%のペースで増えていく計算になります。30年後に自己資本は5.1倍になっているわけですから、株価を押し上げる効果は十分にあります。30年後のPBRが1/10以下になっていない限り投資では損をしません。
- TOPIXの変動率の平均は7%で標準偏差は24%
- TOPIXの配当利回りは2%
- トータルリターンはキャピタルゲインの期待値7%とインカムゲイン2%を合わせた9%です
30年後のTOPIXはいくら?
30年後にTOPIXは10000ポイント程度であろうと思います。2019年から30年後ですので、2049年にはそうなっているでしょう。その間、配当を再投資しているので株数は1.8倍になっているはずです。つまり、1500-1600ポイントが20000ポイントぐらいになるでしょう。老後の心配をするよりも、まずは100万円程度から投資を始めるというのがよろしいかと思います。
g1 | c2 | c3 | c4 | c5 | c6 | c7 | c8 | c9 | c10 | |
ave | 6.9% | 14.4% | 21.4% | 27.5% | 33.7% | 40.1% | 45.6% | 50.6% | 56.4% | 61.9% |
std | 24% | 34% | 41% | 46% | 52% | 56% | 60% | 64% | 70% | 73% |
# of negatives | 41% | 31% | 27% | 27% | 29% | 28% | 30% | 26% | 26% | 25% |
上の表はTOPIXを保有した場合のリターン(ave)と標準偏差(std)とマイナスとなった確率を示しています。g1というのは一年保有の場合、キャピタルロスとなったケースが41%です。平均リターンは過去70年で7%程度。リスクは24%です。リスクを3倍してリターンの7%から引くと100年に一度程度、損をする最大の損が計算できます。7-3 x 24=-65ですので、連続複利-65%は1/2ですから株価(TOPIX)が半値になる場合がたまーーに起こるということです。よいことは、インデックスですので個別株のような40%を超える標準偏差には滅多にならないことです。
c3が3年保有した場合のケース。リターンは1年保有の3倍の21%が期待値となります。一方でリスクは24%の3倍にはなりません。41%です。リターンとリスクとの比率は大きく改善。さらにキャピタルロスになる確率も3割を下回ります。3年分の配当およそ6%を加えるとリターンは21ではなく27となるはずです。このように何年も保有することでリターンをリスクよりも大きくしていくことができます。
c29 | c30 | c31 | c32 | c33 |
188.0% | 197.3% | 206.5% | 215.3% | 223.8% |
130% | 127% | 125% | 125% | 123% |
10% | 5% | 3% | 3% | 0% |
ついにその時が訪れます。上の表は保有年数、リターン、リスク、負けの確率をそれぞれしめします。c33、つまり33年保有で、キャピタルロスをする人はいなくなります。
配当は33年分は考慮されていません。キャピタルゲインの負け率がゼロになるのです。そのときの期待リターンは連続複利224%ですので株価は9倍。リスクは123%ですので、リスクの方がリターンよりも随分と小さくなりました。どの株を選ぶということも大事ですが、30年株の保有を続けようとする態度だけで勝率100%が達成でき、元手が20倍にはなるのですから長期で投資をデザインすることはとても重要なのです。
(インフレ率0%程度を想定)
個別株の10-30銘柄の集中ポートフォリオでリターンを押し上げる
アクティブなファンドではTOPIXに飽き足らず、満足せず、よい銘柄を発掘。バランスよくポートフォリオを組むことでリターンを倍にしてリスク水準をそれほどあげないという戦略をとります。年率20%程度(配当込み)で頑張り10-12年で10倍を目指すのです。普通の腕があればTOPIXには負ける人はほとんどいないので、株式のリターンはインデックスの9%よりも投資の素人でも年率5%程度、玄人ならば年率10%程度は上回るのではないかと思われます。
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