6099 エラン 入院セット提供 猛スピードで全国へ配布体制構築 by Ono

2020年2月23日

2019年4月21日 東京キャッシュフロー勉強会に登壇していただく。
エランについて簡単にご紹介したい。

申し込みはこちらから

概要
櫻井社長はプロレーサーを目指していた異色の経歴
ありそうでなかったCSセットを開発
win-win-winを実現して全国展開
急成長による弊害を改善し深堀開拓ステージへ
新サービスの寄与にも期待

株式会社エランの櫻井社長は
プロレーサーを目指していた青年だった。

高校生の時にバイクの免許をとり、乗って遊んでいた。
プロのレーサーを目指し、サーキットにも頻繁に通うようになった。

就職においても、レース活動を続けることが優先条件で、
活動を続けることができる、自動車のディーラーに就職。
整備の仕事をつづけながらレース活動を続けていた。

さらにレースを本格的にやるために、退職。
海外のレーシングスクールに行くなどして、
さらにレーシング活動に注力していった。

帰国後もレーシング活動を続けるため、
時間が自由になり、実績に応じて給与が得られる、寝具の販売に従事した。
これだけ目的意識が明確な若者が、優秀な実績を上げたことは容易に想像がつく。

・・・・その青年がなぜ、入院セットを提供するエランの社長をしているか。

21歳の時に家族が体調を崩されて、櫻井社長に対しても
危険なことは止めてほしいという、反対意見が多かったため、
夢の実現を断念せざるを得なかった、とのこと。
苦渋の選択だったであろう。

そこで、それまで携わっていた寝具の販売に従事する中で、
病院の入院患者の問題、病院も患者も困っていることを知った。
その問題解決のためにCSセットを開発にたどりついた。

〇事業内容

CS(ケア・サポート)セットの提供

 

患者が病院・医療施設に入院する際に
”手ぶらで入院”
”手ぶらで退院”
できるために、
入院生活に必要な日用品をセットにして1日単位で提供する。

資料では標準的なプランを説明しているが、
約1,500あるアイテムの中から、導入する病院にあった内容、価格のセットを決定する。
各病院で全く同じ内容、価格の病院はほとんどないという。

例えば、
・比較的収入が低い患者層の病院では低価格のセット
・反面、収入が高い患者層の病院ではでは質を重視したセット
・精神疾患の病院では、明るめの衣類、タオルのセット

などその条件は様々で、導入する際に病院と相談をして決定する。

〇ビジネスモデル

病院は
・エランの入院患者にCSセットの説明
・申し込み受付
・CSセット等の配布
を行い、業務委託手数料を受け取る

病院自身がやればよいのでは?
と考えてしまうかもしれないが、保険外の収益を得ることに対して行政は厳しい。
エランのCSセットを導入することで低価格で安定供給が可能となる。

入院患者は
・エランと直接契約
 エランにサービス利用料を支払う
 病院との契約、代金の受払は発生しない。

エランは
・病院にCSセットのプラン設定
・患者との契約、問い合わせ対応
・リネン業者へCSセットの提供を依頼、洗濯代金の支払い
と、病院、患者、リネンサプライ業者の間に立ち、取りまとめる。

WIN-WIN-WIN
患者、病院、リネンサプライ業者の三者にとってメリット

患者にとっては負担軽減
・手ぶらで入院
・家族、親族にとっては安心して任せられる
 これがないところでは、例えば1週間分のタオルや衣類、日用品をまとめて
 準備して、定期的に1週間ごとにお見舞いにくる必要がある。
 近所であればよいが、遠隔地に住んでいればその”義務お見舞い”の負担は小さくない

病院・介護施設にとって本業専念
・看護婦、看護師さんなど現場の方が本来の業務に専念できる
 様々な業務を少人数で行っており、リネンサプライについての業務が軽減し
 患者本人に向き合う時間が増える
・衛生面を維持できる
 
 *入院セットと持ち込みが混在すると
 業務が煩雑になるため
 ELANのセットを導入している病院では利用を推奨してもらっている。(強制はできない)
 例えば
 等潤病院では入院に際して
 病衣(パジャマ)、タオル、アニメティセットについて
 院内感染防止のため、(株)エランが提供する病衣、タオル、アメニティセットをご利用頂きます。
 お持込はご遠慮頂いております。
 http://www.jiseikai-phcc.jp/tojun_hospital/hospitalization/expense/
 こういった病院が増えている

リネンサプライ業者にとっては事業の安定性向上
・新たな収益源を得られる
・病院との関係もより強固につながる。
 病院とすでに取引関係のあるリネンサプライ業者をそのまま利用する。
 病院との取引関係を継続したうえで、さらに付加価値のあるサービスの提供に関わることになる。

この三者の間に立つのがエランであり、
WIN-WIN-WIN
が同社の成長の源泉である。

〇急成長による歪を改善し深堀のステージへ

契約施設数は
855施設
ターゲットである50床以上の施設7,493のうち11.4%
入院セットが認知されてきたが依然として開拓の余地は大きい。
自社による開拓だけでなく、導入済みの病院からの紹介、
入院患者からの要望をきっかけとした問い合わせにより
導入病院数の増加が続いている。

 導入施設数の成長は年30%増のペースで急成長してきた。
全国にサービスを広げるために採用を積極化し、
若い経験の浅い社員も各地に送り、サポートを十分しきれない地域もあった。

今後は各地域に腰を据えて、
・契約済みの病院・施設へのサービス向上
・新たな施設への導入促進
に注力する深堀のステージとなる。

東北地域はエルタスクの買収で全国展開が可能な体制が整った。
買収したエルタスクは以前に、櫻井社長が一時経営に関わっていた企業で、
経営者が経営を退くということで、買収することになった。
櫻井社長が内情をよく知っている企業である。

〇ポプラとの提携

 大手コンビニではなくポプラを選んだのは
売店のスペース、提供商品などにおいて柔軟に対応できるコンビニであるため。
エランのサービス提供の委託手数料で、売店を維持できる程度の売り上げが見込めるため、
売店を出しても維持が難しい中小規模の病院でも出店が可能になる。
病院は外部に委託して安定した売店を維持でき、
エランにとっても中小規模の病院の開拓につなげることが可能となる。

〇新たなサービス

 ・CSセットLC ロスコントロール入院保証
  入院患者が入院中に病院内備品を破損させたり、職員や他の患者にけがをさせた際に
  発生した損害を請求することは難しい。
  患者は損害賠償リスクを低減し、病院は不測の損失を回避することにつながる

 ・CSセットR 入院費用保証サービス付き入院セット

 新たな付加価値を提供することで単価アップを狙うとともに競合との差別化を図る。

2020年2月23日銘柄研究所

Posted by ono